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戦場のローレライ  作者: ゆうき
七章 強さ
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38話 新しい任務

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 みんなと遊んだ日の翌日、僕達はジェクト隊長から緊急の呼び出しを受け、小会議室にやって来ていた。そう、初めて僕達が、ジェクト隊長と出会った所だ。


 そんなに時間はたっていないのに、凄い久しぶりに感じるのは、それだけ、密度の濃い日々を過ごしていたからだろう。


「けどなんなんだろーな急に?」


「さあ……?」


 壁に寄りかかりながら、そう言って欠伸をするバイス。フィリィも行儀よく椅子に座りながら小首を傾げていた。


「けど……なんで私も呼ばれたんでしょうか……?」


「……さあ」


 所在無さげにポツンと座るレムに相槌を打つ。まあ……きっとなにか隊長に考えがあるんじゃないかな。


「よし、全員揃ったな」


「おせーよ隊長さんよ!」


 指定された時間より三十分遅れて来たにも関わらず、隊長は、煙草をくわえながら、堂々と部屋に入ってきた。


「いやぁ〜どうも心のメイズに迷いこんでなぁ! はっはっは!」


「意味わかんねーし……」


 軽くあしらわれ、バイトは少しやつれていた。フィリィとレムも苦笑いを浮かべていた。


 かくいう僕も、思わず溜め息を漏らしていた。


「んじゃミーティングを始めんぞ。今回はお前ら四人に調査任務をしてもらう」


「調査……任務?」


 思ってもみなかった指令に、思わず聞き返してしまった。


「ああ。詳細は今から説明する。全員こっちこい」


 隊長が机に地図を広げると、それを囲うように、僕達は集まった。


「ここがこの企業がある町……ここから遥か北にある研究所が目的地だ」


「研究所? どういうこっちゃ。企業が研究所なんかになんの用があんだ?」


「どうもそこは昔軍用施設だったらしくてな……どうやら結構ヤバイものがあったらしい。それを……」


「僕達が調べるということですね」


 そう言うと、隊長はそうだ、と言わんばかりに頷いた。


「あっ……えっと……」


「どうしたレム」


 おずおずと、小さく手をあげるレム。こういうとこも性格が出るというか、レムらしい。


「確か……北の方って治安が悪いって……聞いたんですけど……」


「ああ。よく勉強してるなレム!」


「ふにゃ!?」


 いつものスキンシップみたいに、ワシャワシャとレムの頭を撫でる隊長。そのせいで、レムは恥ずかしさで、目を丸くし、頬を紅潮させていた。


「まあ他にもいろいろあって調査が滞っていたんだが、最近やっと調査出来るようになってな。んで、今回の仕事が舞い込んできたっつーわけよ」


「それを僕達がやると……責任重大じゃないですか?」


「まあそんだけ期待されてるっつーことだ。けど流石にお前たちだけじゃ不安が残るからな、引率者を連れてきた」


 引率者? 部屋にはそれらしい人は見当たらないけど、一体誰なんだろう?


「ったく、遅刻かあのやろう……」


「いやー遅れて申し訳ない!」


 どこか聞き覚えのある声に反応するかのように入口へと振り向くと、そこには僕にとって、馴染み深い姿の男だった。


「よっシュノンバートっ!」


 男は相変わらず無駄にハイテンションな勢いで、僕の肩をバシバシ叩いてくる。


 まあ言わなくても分かるだろうけど、この人は僕の銃の先輩でもある人だ。まさか引率者が先輩だったとはね……。


「つーわけで、まあお前らも知ってるだろうこいつを、引率者に任命したわけだわ」


「ひっで〜なぁ名前で呼んでくださいよジェクトさんよ〜」


「んなこたぁどうでもいいんだよ」


「ショボーン」


 漫才なんかしてないで話を進めてもらいたいんだけどね。


「隊長、私達が行くのはいいんですけど、軍用施設の研究なんかを調べてどうするんですか?」


 確かにフィリィの意見ももっともだ。そんな研究、どうせ殺戮兵器に違いないだろうし、そんなものを企業戦争には使えないだろう。


「俺も詳しくは知らなくてな。お偉いさんからの指示なもんでな」


 役人はこれだから、と言わんばかりに、両手をあげながら溜め息を漏らす。気持ちはわからなくもない。


「あと隊長、このメンバーはどうしてこうなったんですか? 危険なら、レグとかがいた方がいいんじゃ?」


「流石に生身で『魔女』は危なっかしいからダメだ。それにレグルスは……あー……まあ野暮用があって今回は抜きにした」


 なんか歯切れが悪いな……まあ言及しても答えてはくれないだろうし、このまま話を進めるかな。


「んまー、さっきもレムが言った通り、あの一帯は治安やらなんやらと、色々不安要素が強い。たかが調査任務だからって、油断はするなよ?」


 油断するつもりは毛頭ないから、その点は良いけど……あっもう一つ気になるのがあった。


「隊長、レムは僕達の小隊じゃないですけど、今回のメンバーに入るんですか?」


 ずっと気になっていたのか、レムはビクッとなりながら、おずおずと隊長の方に視線を向けた。


「ああ。最近お前らがレムとサナと仲が良いって聞いたからな。連係が取りやすいんじゃないかと思ったまでだ。他に質問は?」


 キョロキョロと見回しているが、僕達からは、これと言ってもう意見は無いのか、誰も発言をしなかった。


「うっし! 出発は明日の八時に、企業の本館の入り口に集合だ。遅れんなよ?」


「遅れねーよ!」


「まあ最後のは、殆どバイスに言ってるようなものだよね」


「あっバレた?」


「おめーら喧嘩売ってんのか!?」


 まあ実際問題、バイスが遅れるのは日常茶飯事だし、言われても仕方ない。


「まあまだ聞きたいことがあったらこいつから聞いとけよ? んじゃとりあえず今日の訓練は流す程度でいいからな」


 そう言うと、隊長は部屋から出ていった。


「んじゃまあよろしくな! 移動にも時間は掛かるだろうし、細かいことは移動中にでも話すとすっか!」


 ……やれやれ、想像以上に厳しい任務になるかもしれないな。そう思いながら、僕は小さく溜め息を漏らした。

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