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戦場のローレライ  作者: ゆうき
七章 強さ
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37話 一抹の不安

 新年一発目!

「………」


 朝になっちまった。正直昨日の連絡を受けてからどうにも落ち着かねぇ。まあ仕事が仕事だからしゃーねえ。


「やれやれ……」


 一回は起き上がったが、またよれよろになったベッドに寝転がる。


 今回の仕事……あいつらに任せていいのか? まあバルディアのガキっていうお墨付きだが……今回は場所とメンバーの問題もある。


 誰に行かせる? 当然だが『魔女』はダメだ。ランカーを連れてっても危険な可能性もある。しかもレグルスは別件があるからダメだ。


 そうなると……やはりシュノンバート、か? あいつの射撃センスは光るものがある。それに良い頭もあるから、臨機応変に立ち回れるだろう。


 あと……フィリアはどうだろうか? 不足の事態にあいつの医療で窮地を救える可能性もある。だが、前線に出たことが無い以上、戦闘になったら足手まといになる可能性もある……。


「うだうだ考えても仕方ねえか……飯行くとすっか」


 とりあえず軍服に着替えると、ノロノロと部屋を出た。まあとりあえず近くの定食屋でいいか。














 定食屋に行く道中も、ずっとどうすっか考えていた。どうもあっちをたてるとこっちがたたず状態になっちまっている。


「どうすっかねぇ……」


 煙草に火を着けながら、思考を巡らせていく。


 とりあえずシュノンバートには行かせるのはいいとしてだな……問題は他だな。後は……バイス? 奴はバカだからなにか変なヘマしそうな気もするが……このところの訓練で、体力面は向上してるが……。


 だが……これだけだと不安が残る……他の隊員で増強するのも、チームワークに欠けることもある……。


 …………だとしたらレムか? 最近仲が良くなったらしいし、チームワークも問題ないだろう……? だがこれだけでいけるか……?


「……だあぁぁぁああ!!! 俺様にこんなの任せるんじゃねぇよ畜生がぁぁぁ!!!」


 思わず街中で大声を上げてしまった。周りの奴らが、ヒソヒソと喋りながら俺を見てるが、んなの知ったこっちゃねぇ。


「なーにやってんすか?」


「あん?」


 思わず出たケンカ口調で後ろを振り向くと、そこには見覚えのある優男が立っていた。


「あー……お前か」


「どもっす」


 軽く会釈する男。確かシュノンバートの指導をしてる奴だったな。この前の戦争でも、奴と一緒だった。名前は……なんだったか? 忘れた。


「なにやってんすか?」


「ああ……とある事についてのメンバーがな……」


「ああ……あれっすか。確かに場所が場所だけに……ねえ」


 ばつが悪そうに頬を書く男。どうやらこいつも、昨日のやつの事を知っているみたいだな。こいつも結構階級は高いはずだし、当然か。


「俺も相談に乗りますよ」


「あん? この俺様に相談相手なんか必要ねー」


「まあ良いじゃないっすか。ほらほら」


「お、おい押すな」


「ほらあの定食屋入りましょうよ。奢りますから」


「ちっしゃーねぇ」


 男に半ば強引に、店の中へと入れられてしまった。この定食屋は来たことねーな。


「で? 首尾はどんな感じで?」


「芳しくないな。とりあえずの状況だが……」


 今の考えを口頭で伝えると、あ〜とばつが悪そうな表情を浮かべていた。


「んー確かに不安が残りますね」


「んだろ? ったく、上も俺様なんかに頼むなっつーの……」


 また煙草に火を着けながら、なんとなしにボヤく。こんなこたぁもっとインテリの奴らに頼みやがれっての。


「そうですね〜……あっ来た来た」


 腕を組ながら考えていると、頼んでいたものが運ばれてきた。俺はしょうが焼き、こいつは蕎麦だ。


 ……まあ朝から肉ってのもいいもんだぜ? 力が出るしな。


「あなた的には成功率はどれぐらいだと思ってます?」


「仮に何事もなく済んでも……まあ高くはねーな。しかも目的地やその周辺のことを考えりゃ、それこそ……ゼロにちけぇだろうな……」


 肉を頬張りながらそう答える。んーこのしょうがの香り、美味だぜ。


「でしょうねぇ……」


 こいつも蕎麦をすすりながら表情を暗くする。


 しばらくの間、黙々と飯を進めていくと、


「あっ!」


「あん?」


 と、いきなりすっとんきょうな声を出した。ったく、飯の時に大声出すなよ……。


「ならこうすりゃいいんですよ!」


「ああん?」
















 一通り説明を受けると、俺はなるほどな、と頷いていた。


「これなら問題ねーか……」


「でしょでしょ? いやー我ながらナイスアイデア!」


 こいつの、してやったりと言わんばかりの表情だけは譲りたくはないが、まあいいだろう。


「よし……それでいこう」


 しかし……承認したはいいが、大丈夫なんか? 俺は未だに一抹の不安を拭えないまま、こいつと共に定食屋を後にした――

 今回の話は名前をだしてませんが、まあ誰なのかは一目瞭然ですよねw

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