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戦場のローレライ  作者: ゆうき
六章 オレ達の休日
35/41

33話 恐怖? のツイスターゲーム! 中編

感想、評価よろしくです

「はい、レグ右足を黄色ね」


「とどけぇぇぇ!!」


「ちょっとレグルス! 私の足踏まないでよ!」


「ごめんなさい……それ私です……」


「体が変に曲がっちゃう〜!」


 ティルの文句をかわしながら、オレは指示通りに動く。ヤッヤバイ、少しでも変に力入れたら落ちるなこりゃ……。


「じゃあ次はレムね。……左手を赤だ」


「がっ頑張ります!」


 む〜と唸りながら、レムちゃんは左手を伸ばす。こんなことにも一生懸命なんだなレムちゃん。


「やったぁ! 届いたぁ!」


 なんか……一々可愛いなレムちゃん。


「……ってうおっ!」


 レムちゃんが動いたせいで、最初は気づかなかったけど、オレの目の前には、レムちゃんの殺人兵器がそびえていた。


 …………無心になれオレ。これで喜んでいるのがバレたら……待っているのは……そう……。


 死


(そっそうだ、こういう時こそ冷静に素数を数えよう。1、3、5、7……)


「じゃあ次はティル。……黄色に左手だね」


「わかったわ」


 11、13、17……よし、落ち着いてきたな。


「……うおっ!」


「キャア!」


 とりあえず冷静になれたオレは、目を開けてみると、目と鼻の先にはティルの綺麗な顔があった。


 ちょっちょっ近すぎるっての!!


「レレレレグルス!? 少し顔を離しなさいよ!」


「むっ無茶苦茶言うなよ!」


 お互い変に動くせいで、段々とバランスが崩れてきていた。おかげさんでオレも倒れるすんぜんだぞおい!


 とにかく罰ゲームは流石に勘弁願いたい所だし、ここはティルに落ち着いてもらわないとな。


「い、いいか? 罰ゲームが嫌なら、ここは大人しくしろよ?」


「そ、そうね……」


 納得したのか、お互いに抵抗するのを止めた。即ち、お互いの顔が至近距離にあるってことだ。


 ……こうみると、ホントに可愛いよなティルって……目もパッチリと大きいし、まつ毛も長いし、鼻もスッとしてて綺麗だし、頬も柔らかそうだし、唇もつやつやしてるし……何故か顔を赤くしてるから、可愛さが際立っている。


 って、なんかこんなこと見ながら考えてると、オレがヘンタイみたいじゃねぇか!


「はいはい、見つめ合うのもいいけど、次にいけないよ?」


「てめぇシュノ! 後で覚えてろよ!」


「みみ見つめ合ってなんかないわよ!!」


「じゃあそういうことにしておこうか。じゃあフィリィはっと……青に右足だね」


「え……ちょっと無理かも……」


 ははっと苦笑いを浮かべるフィリィ。確かに、今はその辺りはオレとかレムちゃんの体が密集してるから、こりゃ厳しいな。


「とにかくやってみるね……うーん!!」


 両目をくの字みたいにして腕を伸ばしてみるものの、やはりというか届かない。多分オレがサナとかティルみたいに華奢だったら大丈夫だったんだろうけどな。


「も、もうダメ〜! キャア!」


 可愛らしい声をあげながら、ペタンと地面に倒れ混む。


「フィリィアウト。危なかったねお二人さん」


「なにがだ!?」


「さあね? さてと、フィリィ、罰ゲームを決めようか」


「うぅ……仕方ないなぁ……えい」


 フィリィのふったサイコロには、特になにも色が塗られていなかった。ということは、共通の罰ゲームということか。


「じゃあ……これ!」


「えっと……“ブラックボックスでドッキドキ!”……あぁ、サナが考えたやつだね」


 サナのネーミングセンスにツッコミを入れたいところだけど、ここはグッと我慢の子だ。


「やっとキタァ! えっとね、まずこのボックスを使うんだ」


 ガサゴソと、袋を漁ると、黒い箱にクエスチョンマークが真ん中にかかれた物を取り出した。


 うん、かなり安直なアイテムだな。


「んで、この中に手を入れて中になにがあるかを当てるの。じゃあ頑張って♪」


「変なの入ってないよね……?」


 早くも少しビビってるのか、少し声が震えている。


「まあ危険なものは入ってないから安心していいよ。じゃあフィリィ、頼むよ」


「う、うん……」


 シュノに促され、おそるおそる箱に手を入れる。


 一体なにが入ってんだろな? まあ、ああ言ってるから危険なものは入ってないだろうけど、変に怪しい笑みを浮かべているサナと、チラッと見えた、シュノが持ってる紐も気になった。


「なにもないよ……!?」


 安心したのも束の間、一転してフィリィの顔が強ばった。


「なっななななに今の!? ヌメってした! しかもぶにゅぶにゅしてたぁ!! もうヤダァ!!」


 大きい瞳に涙を溜めながら、悲鳴に近い声をあげるフィリィ。


 いつのもしっかりもののお姉ちゃん、て感じとは真逆の、完全にパニック状態のフィリィになっていた。


 ……これは助けた方がいいだろうな流石に。


「おっとレグルスくーん。助けるとかそういう野暮なことは無しだよー?」


「そうだね。それこそこの空気をぶち壊す羽目になるしね」


 何故か釘を打たれてしまった。これだと、助けに入ったら色々と言われそうだなぁ……主にサナとシュノに。


「……一体なにが入ってるのかしら?」


「おっ興味あるのかい? ならティルもやるっきゃないでしょ!」


「えぇ!? やっやらないわよ!!」


「えーここでやらないと盛り上がらないよー?」


 ニヤニヤと悪戯っ子みたいな笑みを浮かべるサナ。これは……やらされるパターンか?


「わ、わかったわよ……」


 仕方なしと言わんばかりに、ティルもおそるおそる箱に手を入れると……。


「……っ!?」


 急に声にならないような、悲鳴に近い声をあげていた。


「なっなに今の!? ホントにヌメってした!!? 」


 これもまた、フィリィと観想が一致していた。ヌメってしてるって、なんなんだろな一体……。


「……ニヤッ」


 ……? なんかシュノが一瞬嫌な笑みを浮かべたような気がしたけど……気のせいか?


「「キャアアァァァ!!!!」」


「なっなんだ!?」


「いい今中の動いたんだけど!!?」


「なんなのよこれ生き物なの!? もうワケわかんない!!!」


 目をグルグルにして、完全にパニックになっている二人。


 こりゃ流石に助けに入るとすっかな。


「おいシュノ、流石にその辺にしとけ。やり過ぎだ」


「えーレグルス空気読みなよー」


「空気読んでるからの行動だろうが。お前はあいつらを見て止めようと思わないのか?」


 目線の先、そこにはまだボックスに手を入れながら、完全に涙目になる二人の姿があった。


 いつもなら、レア物だと、もう少し見たいような気も起きないでもないけれど、正直可哀想にしか見えない。


「おもしろいなって♪」


「うん、これは見物だね」


 ここに悪魔がおります!! 一体この二人の親はどんな育て方をしたのでしょうか!? てか片方はオレの親父じゃねーか!


「ま、あまりやってても時間が勿体無いし、この辺りにしとこうか」


「んーレムにもやってもらいたかったなー」


「や、やだよぉ……怖いもん……」


 突然話を振られて、レムちゃんは、あたふたと汗を飛ばしていた。


「んで、結局なんなんだ入ってた奴は?」


「さあ? 知らない方が美徳だよ」


 ……意味深なこと言うなよな。余計気になるぜ。


「さあ、次にいこうか」


「ねえシュノ君、そろそろ最後にしない? 時間もいい具合だし」


 フィリィに促されるように時計を見ると、もう夕方に近い時間になっていた。


「だな」


「そうだね。じゃあラストくじ引いて」


 ……これだ!


「……オレまたかよ」


「よっし、アタシか〜!」


「ふぉへひゃまは!」


「私……もう嫌なのに……」


 それぞれ一喜一憂な意見を述べる。てか……バイスよ、顔がクリームだらけだから何言ってるかわからんぞ。


「とりあえず顔洗ってこいよバイス」


「ふぉうふぁな!」


 洗面所にバイスを放り込むと、数分で戻ってきた。


「フッフッフ! 男バイス、奇跡の復活劇だぜぇ!!」


 そんなに言うほど劇的なドラマは無かったような気がするが……。


「じゃあトップバッターは……バイスに頼もうかな」


「当然だな! 任しときなぁ!」










「さてと、次は……サナ、青に左足」



「はいよー♪」


「余裕そうで羨ましいぜ……」


「背中痛い……」


「ぬおおぉぉぉぉおおお!!!」


 いきなりで申し訳ないが、とりあえずツッコミをさせて頂けるだろうか?


「頭に血が上るぅぅぅ!!」


「なんでおめぇはブリッジなぞやってんじゃあぁぁぁ!!」


 そう、何故かこのバカは、ゲーム中にブリッジなぞやっていたのだ。しかも足はクロスしているくせに、器用にその姿勢を保ってるからタチが悪い。


 ちなみに、サナも仰向けみたいになってるけど、表情を見る限り余裕そうだ。


「余裕そうだね。次は……ティル、右手を緑ね」


「……緑? ちょっと勘弁してよね……」


 ティルが冷や汗を流すのも無理はない。緑はオレとサナが四つのうち三つ使ってるせいで、後一つしかない。しかも距離があるせいで、恐らく届かないだろう。


「むー……! 無理よー!」


「ちょっティル!? アタシの上に覆い被さるようにされたら!! キャア!」


「イタッ!」


 足を滑らせたティルは、その場でサナを巻き込んで倒れてしまった。


 ……まあ言わなくても分かるだろうけど、サナの体勢、そしてティルが覆い被さるようにしてたことから……この結論に至る。


 そう、さっきのフィリィとレムちゃんみたいなことになる訳さ……。


「いったーい……」


「うぅ……余裕だったのにな〜……」


 ……けど、違う点がある。そう、二人共……無いのだ。さっきの二人に比べると、明らかにこの二人には無いのだよ!!


 だが、無いなりには無いなりに良いところはあるよな。ほら、ステータスとかいうだろ? あれだぜ。


「……レグルス? なにか言いたそうだけど、なにが言いたいのかな?」


 笑ってる。うん、サナのやつ、顔は笑ってるんだ。けど……。


 目が笑ってねぇんだよおぉぉぉ怖えぇぇぇ!!


「いや? ナンデモナイヨ?」


 恐怖のせいで、思わずカタコトになってしまった。マズイ、こんなの自分で暴露してるようなものじゃねえか!


「それが全てを物語ってるのよ! やるわよティル!」


「どうゆうこと?」


「ごにょごにょ……」


「お、おい何デタラメ吹き込んで……」


「さっ最低! レグルスのバカー!!」


「くらえ〜!!」


「ギャアァァァ!!!」


 ありもしない濡れ衣を着せられて、オレは気づいたら二人の鉄拳をくらい、宙を舞っていた。


 ……南無三、オレ。

まだ続くぜ〜!

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