32話 恐怖? のツイスターゲーム! 前編
結構やりたい放題です(笑)
「サナ、次は右足を緑ね」
「むーりー!!」
「ふぇぇ……サナ〜あんまり動かないで〜」
「あっ足痛い……」
「わたし結構余裕だね〜♪」
おーおー見事にカオスになってるわ。今の順番はサナの番だけど、レムちゃんがかなり苦しそうだな。まあほぼ両手足を伸ばしてるし仕方ないか。
ティルもティルで、結構足を変な形にしてるし、これはこれで辛そうだ。
……フィリィだけは余裕そうだな。確か体が柔らかかったし、こういうのには強そうだな。
「よし届いた!」
「んじゃ次はっと……レムが右手を赤」
「ふぇぇえ、無理だよおぉぉぉお!」
なんとか右手を伸ばそうとするけど……。
「あっ!」
「えっ?」
右手を滑らせて、レムちゃんは倒れこんでしまった。しかも場所が悪く、余裕そうだったフィリィも巻き込んでしまった。
「いたた……」
「ご、ごめんなさいフィリアさん!」
「………」
…………はっ思わず見とれてしまった。えっと、今の状態だけど、フィリィが仰向けに倒れこんで、その上にレムちゃんがうつぶせに倒れこんでいた。
つまり……だ、この現象は不可避ということなのだ……そう。二人の殺人兵器(男への)が、重なりあい形を変えている……なんつー絶景だ。
「うひょー!!」
「……バイス? アタシの親友をどんな目で見てるのかな?」
「え? いや、レグとシュノだって」
「ひゅー♪ ひゅひゅー♪」
「やれやれ……」
咄嗟にオレは遠目になりながら口笛を吹き、シュノは既にそっぽ向いていた。
まあオレは堪能させてもらいました! ご馳走さまっす!!
「見てないじゃん! お仕置きだー!」
「アーッ!!」
南無三。
「さて、倒れたのはレムちゃんだし、サイコロで決めてもらおうかな」
「ふぇぇ……えいっ!」
可愛らしくサイコロを振ると、出た目にはピンクのシールが貼られていた。
「女子用だね。んじゃカードを引いて」
「はっはい」
レムちゃんにカードを引いてもらい、それを見してもらった。
なになに……“五分間猫耳と尻尾をつけて、語尾にニャアをつける”……うひょー!!
「だってさレムちゃん♪」
「そっそんなの出来ないよ〜!」
「ヌフフ……さあやるのだレム〜!」
「ちょっやめてサナ〜! 分かったから、やるから無理矢理しないでよ〜!」
バイスへの粛正が終わったのか、目を怪しく光らせるサナが、ワキワキと手を動かしながら、レムちゃんへと迫っていった。
「……なんか酷いわね色々と……」
「あはは……わたしも同感かな……」
あはは、と二人は苦笑していた。いや〜ツイスターってそういうゲームっしょ?
「はい、レムの準備出来たよ〜!」
「……ふぇぇ」
恥ずかしそうに顔を赤らめながら、おずおずとサナの背中から出てきた。
「……えっと……これでいいのかニャン?」
………。
「……え? みんなどうしたニャン?」
「ふおぉぉぉぉ!!? 想像異常に可愛いよレムゥゥゥ!!」
「サッサナ!?」
目を太陽のように輝かせながら、レムちゃんに頬擦りするサナ。いや、気持ちは分かるぞ! この破壊力は半端ねぇぞ!
てかサナのやつ興奮しすぎだろ! 以上が異常になるほどかよ!
「……サナの新たな一面を見たわね」
「そうだね……」
流石のシュノも苦笑いだった。うん、変な意味で捉えないで、可愛いものが好きってことにしておこうか。
「じゃあ次からはくじでプレイヤーを決めようか。みんな、くじを引いて。赤い丸がある人がプレイヤーになるからね」
簡単に解説をしながら、シュノは紙切れを七枚差し出す。よし、次はプレイヤーに入るぜ!
「……おっ俺様アタリだぜ!」
「オレもだな」
「え〜またわたし?」
「アタシもだ〜」
どうやら、次のプレイヤーはバイス、オレ、フィリィ、サナだった。んーシュノはまた休みみたいだな。
「じゃあ次は僕が進行役になるよ」
「うっし、ならオレが最初にいくぜ」
「オーケー、ならルーレット始めようか」
くるくると、運命のルーレットを回す。そこには……。
「青に右手だな」
「みたいだね。じゃあ……始めようか」
「うおぉこりゃ厳しいぃぃ!!」
「あっ足痛いよ……」
「アタシ余裕〜♪」
「ふぬおぉぉぉぉぉおおお!!!」
二回戦も安定のカオスだった。やってみて分かるけど、想像以上にキツいなこりゃ! 足つりそう……。
「はい、バイス緑に右手」
「むりじゃぁぁあああ!! あっ♪」
「あっおい!」
とても良い笑顔を浮かべながら、バイスはその場に倒れこんだ。しかもオレがバイスの下に入るようにいたから、潰されるようにオレも倒れてしまった。
お、重い……女の子ならまだしも、バイスなんかにやられても嬉しくもなんともねぇわ!
「はい、バイスとレグアウトね」
「ちょい待てやゴラァ! なんでオレもなんだよ!」
「だって倒れたじゃないか」
「そうだぞレグルス〜男がそんなの情けないぞ〜」
「オレは悪くねぇ! バイスだ! バイスが悪いんだ! オレは……オレは悪くねぇぇぇぇ!!」
オレの心の叫びは完全にスルーされ、シュノにサイコロをふらされていた。
「……うん、二人とも男用だね」
「んで……俺様のこの指示なんだ?」
カードを見ながら、首を傾げるバイス。お前がそんなに考えても分からないだろうし、絵にもならないから止めとけ、な?
「なになに……“美味しいもの!”……確かに訳分からんな」
「ああこれか。文字通りバイスに美味しいものがあるよ。ほら、用意するから目をつぶって」
「やったぜっ! なにかな〜♪」
にこやかに目をつぶるバイス。それを尻目に、その美味しいものを用意するシュノを見てみると、凄い悪そうな目をしていた。
「んじゃ……怨みは……まあないけど、いくよ」
「なにがだ? ……ふごっ!?」
変な奇声と共に、バイスの顔面にとある物がぶつけられる。すると、バイスの顔はクリームでベトベトになっていた。
まあ察しの良い人なら分かるだろうけど、今のは顔面パイってことさ。まあ端から見たら美味しいものかもしれないけど、顔面パイのパイって食えないからなぁ。
「バイス、今の気持ちは?」
「ふぉ……」
うん、クリームのせいでなに喋ってんのか分かんないし、表情もまるで分からん!
「んじゃレグルスだね」
「おう……けどさ、この“腹筋腕立て百回”とかなんやねん!」
思わずシュノにカードを突きつける。かなりキツいってのもあるけど、それ以上に地味過ぎんだろうが!
「さあ頑張って〜」
「畜生! ならオレにも考えがあるぞ! ティル!」
「え? ええ」
ティルに合図を出すと、オレはとっておきを出す。へっ苦情は受け付けないぜ。
「おぉぉぉぉぉ!!」
「なっリンクしただとぉ!? そんな裏技がぁ!?」
なんか実況者みたいに、熱く声を荒げるサナ。ほんと面白いなこいつは。
それはともかく、オレはリンクの力を使い、一気に腹筋と腕立てをこなしていく。
「……ふぅ、終わりっと!」
「おっお疲れ様」
ティルが少しそっぽ向きながらも、オレに労いの言葉をかけてくれた。これだけでも、この罰ゲームをしたかいがあったな。
「おう、サンキューな」
「レグルスさん頭いいなぁ……」
ほわぁと感心するかのように言うレムちゃん。ま、こういうことに使うのだって悪くないだろ?
「んじゃ次いこうか。くじ引いて」
「またわたし〜?」
「ふぇぇ……」
「オレか……」
「私……また……」
「……てかなんでシュノは当たらないんだ?」
「……さあ、僕も分からないよ」
やれやれと肩をすくめるシュノ。こいつの事だからどれがアタリかどうかとか、分かるようにしてそうだから怖い。
「まあ良いじゃないか。じゃあ後半戦いこうか」
後編へー続く!




