14話 戦闘開始
先手必勝。そう考えたオレ達は、オレを先頭にバイスと二人で突撃していく。
相手も反応して戦闘態勢をとるけど、遅い!
「この!」
「遅い!」
一人が銃を構えたけど、オレは持ち前のスピードで接近すると、銃を蹴り飛ばした。
「こいつランカーか!」
相手の一人が反応する。おっと、バレちまったな。まあ目を見たら分かるだろうし、本気状態だから体から光を発してるからまあしゃーない。
「俺様を忘れるなぁ!」
「うおっ!?」
オレに意識がいっていた敵の一人を、バイスが一本背負いでぶん投げた。
おっやるじゃねーか。ドヤ顔しているのが気に入らないけどな。
「ぐっ……あっ!」
投げられた敵の機械がビービー鳴っていた。なるほど、これで退場ってことだな。
「くそっ! 早くやれ!」
「やれやれ、頭に血が上ってたら勝てないよ」
敵側のリーダーと思われるやつがなにか指示を出している隙に、シュノが近くの建物から狙撃する。
残り三人を、なんと一撃で撃ち抜いた。
「くそっ……」
「完全に作戦通りだな!」
「やるなシュノ。完璧だったぜ」
「これぐらいの距離なら余裕だよ」
オレ達の所へ戻ってきながら、澄まし顔で戻ってくるシュノ。
いつもならツッコンでるところだけど、今回活躍していたから特別にスルーしておこう。
「ほら、モニターにも表示されてるよ」
シュノの言う通り、確かに中央モニターにオレ達の小隊は三点、さっきの小隊はリタイアと表記されていた。
「幸先いいな」
(そっち大丈夫?)
(おう、大丈夫だ)
頭の中で、ティルの心配そうな声が聞こえた。
うん、なんだかんだで心配してくれてんだな。
「よっしゃ! 更にいくぜ! って……お?」
バイスが走り出そうとした刹那、突然止まってしまった。どうかしたのか?
「こいつが反応してるぜ! こりゃ地雷があるな」
見たことがない、小さな丸い機械を取り出すバイス。
その機械はピカピカ光っていた。これで地雷があるのを見つけたのか?
「こりゃ俺様の出番だぜ。フィリィ、解体道具送ってくれ〜!」
『うん、今送るよ!』
事前に持ってきていた通信機で連絡を取るバイス。間も無くしてバイスのもとに、一つの箱転送されてきた。
「それが解体道具か?」
「おうよ。まあ本番だと持ち歩いて行動するみたいだけどな!」
そう言うと、バイスは口笛を吹きながら地雷の解体を始めていた。
まあスルーしてもいいんだけど、後々に邪魔になるかもしれないし。
ちなみにオレ達は辺りを警戒していた。
「……あっ♪」
「どうし……」
「ギャアァァァ!!」
なにかいい声を出したと思ったら、いつの間にかバイスは煙の中に包まれていた。
あいつ……解体に失敗したのか!? これはあいつ死んだだろ!!
「……ふー死ぬかと思った」
「「無事なのかよ!?」」
思わずシュノともろ被りしてしまった。
いやそうだろ? 地雷に引っ掛かったのに、何故かバイスの機械は反応してないんだぜ? なんだ? バイスのぶっ壊れてたのか?
「……ま、まあ仲間が減らないに越したことはないし、探索を続けようか……」
「お、おう……」
「おうよ!」
なんだか釈然としないんだよなぁ……まあ考えても仕方ないよな。早くしないと他の小隊も交戦し始めてるし、うかうかしてられないな。
「ん? 向こうから音がするぜ」
「みたいだね。様子を見に行こうか」
建物に上手く隠れながら接近していくと、そこには三つの小隊が三つ巴状態になっていた。
「ありゃりゃ〜、こりゃ乱闘だな」
「こりゃ参戦だな!」
「そんなのリターンか見込めないよ。ここは僕に任せなよ。フィリィ、お願い」
『うん、あれだね。今送るよ』
なにかをフィリィに頼むと、シュノは廃墟のビルに入っていった。なにをするつもりなんだろな……。
「とりあえずオレ達は巻き込まれないように隠れてるか」
「まあしゃーねーか」
少し待ってると、さっき入ったビルの三階から、シュノがなにかしているのがチラッと見えた。
……銃が見えたな……狙撃か?
「さてと……ここまで激しく動いてる相手は初めてだし……集中しないとね……」
シュノは銃を構えて数秒後、シュノの銃声が辺りにこだました。
「うおっ!?」
戦闘をしていたじゃ小隊の一人に、シュノの銃撃が襲いかかった。
その一撃で、その隊員の機械は反応していた。
「よし、一人ヒット……後六人か……」
シュノの一撃で一人減って後六人か……しかしスゲェなシュノ……訓練を積んだとはいえ、ここまでの実力がつくとはなぁ……。
「うわっ!」
「うおっ!」
更に二人の隊員の機械が反応する。これで後は四人だな。しかし……ほんとスゲェな。
「くっここは退くぞ!」
生き残った隊員達は一目散にシュノの射程外に逃げていった。こりゃシュノがMVPかな?
「やれやれ、全部は仕留められなかったよ」
さっきの銃より大きいのを肩に担ぎながらシュノが戻ってきた。
なんだか様になってるというかなんというか……。
「おいシュノ! 俺様の活躍の場面取るなよな!」
「地雷の解除に失敗した君がなに言ってんだよ」
「うぐっ」
相変わらずシュノに文句言ってもバイスが勝てることってないよな……まあ今はそんなこと思ってる場合じゃないよな。
(なにやってるのよ……)
(まあまあ)
ティルにも呆れられちまってるし、もっと行動的になってもいいかもしれないな。
「よし、ここからは攻めるぜ」
「根拠は?」
「モニターを見れば分かるけど、段々と敵の数は減ってる。しかもオレ達は一人も欠けてない」
「なるほどな! 今は俺達が優勢ってことか!」
「そういうこった!」
二人でにしし~と笑いながら頷く。
バイスも珍しく察しがいいみたいだし、これは良い感じだな!
「僕も異論はないよ。いざとなったらレグのランカーの力もあるし」
「うぉい、なんか丸投げじゃねえか?」
「まあいいじゃないか。実際そうなりそうだし」
……まあシュノの言うこともわかるけどさ。それほどランカーの力は大きいってことだし。
まあ期待には答えてみせるのがレグルスさんだぜ!
「……ん?」
モニターを見ながらシュノは怪訝そうな顔をしていた。
オレもつられてモニターを見てみると、さっきから、どんどんリタイア者が続出している。……一体なにがおこっているんだ?
「スゲェな……」
「でもよく見てみなよ」
……あれ、本来なら倒した小隊にポイントが入るはずなのに、どこにもポイントが入っていなかった。
……マジでどうなってやがるんだ?
「……もしかすると、これが隊長のいうお楽しみなのかもね」
これがお楽しみ? あのトラップとかがそうだと思ってたけど、もっとスゲェのが待ち受けてるのか?
……へっなんかワクワクしてきたぜ。
「このままだと、オレ達もそのお楽しみとやらにやられる可能性もあるよな」
「おいおい! なにもしないでやられるつもりかよ!?」
「バカかお前。こっちから、そのお楽しみとやらに攻めこむぜ!」
受け手なんかになってたまるかってんだ! そのお楽しみとやらがなんだか不安要素があるけど、ここは好機とみて間違いないだろ!
「よし! ……なんだあれ?」
オレの目線の先、そこには見覚えのある兵士が、何人もいた。
……? いや待て、なんであんなにいっぱいいるんだ?
普通小隊は四人、オレ達みたいに三人の小隊もあるけど、その程度のはずだ。
だけど、今オレ達の目線の先にいるのは、十人ぐらいはいる。しかも……みんな同じ顔。
「……なるほどね」
「そういうことか」
「ん? なにがだ?」
約一名置いてかれてる奴がいるけど放置する。
ま、オレとシュノが理解したから問題ないっしょ?
「まさかホログラムを展開したのか……」
「ま、これがお楽しみなのかもね。予想外の展開にみんなテンパってるのかも」
ま、シュノの言うことにも一理あるけれど、冷静に物事を判断出来ないと、この先の戦いに生き残れないと思うんだけどな……。
「……ん? 隠れろ!」
ホログラムの兵隊達が、オレ達の方へ向かって歩いてきていた。
見た感じ、三人はオレやバイスみたいに前衛、四人が中衛、残り三人がシュノみたいに銃を展開した後衛だった。
確かに数では圧倒的に不利だな……今までの奴らもそれにやられたのかもな。
こりゃ戦力を把握して戦術を立てないとな……てかホログラム相手に戦術とか通用するんだろうか?
「どうみるシュノ?」
「君も知ってるだろうけど、彼らの攻撃は普通に僕達に通用する。こちらの攻撃もね」
「まあな」
「そして、彼らの思考は僕達人間な限りなく近く作られている。なら……」
「普通の戦術も通用するってことか?」
「半ば希望的な予想だけどね。でも普通の戦術が通用しない相手と、企業が戦わせるわけがないと思うんだ」
シュノの仮説に、オレは頷いた。
もしそうなら、この人数差にも対応出来るかもしれないし、戦い方によっては勝ち目もあるかもしれないしな。
「よし、戦術は予定通りシュノに任せる」
「了解」
「オレとバイスで突っ込むぞ。先手必勝だ」
「了解! 俺様が最高のショーを見せてやるぜぇ!」
……まあいいや。やる気があるのはいいことだし。さて、この人数差だが……やってやるぜ!
次は…水曜の20時更新です




