しあわせなの?しあわせなんだよね?どうして…? 僕は何をすれば…、僕に何ができるの?
また逢えた…。
メールは3~5回に
1回の割合で
返ってきた。
付き合っているわけ
ではないので
仕方がない。
でも…、
やはり淋しい。
聞きたくはないが
彼とすみれちゃんと
3人で出かけた話、
など
メールにあると、
哀しかった。
知らなければ…、
それですむことなのに…。
時々、愚痴も。
~仲良くやりなよ~
メールしながら…、
哀しかった。
夏休みもあと少しに
なった頃、
去年の夏休みにも
千尋とすみれちゃんで
出かけた
友紀の教えた
テーマパークに
今年も行くそう。
2泊するらしい。
~楽しんで来てね~
友紀のメールの
優しい言葉に
イライラすることも。
~中途半端な優しさは
やめて… ~
確かに、
惑わせるだけ…。
淋しさ と せつなさ
を残して
夏が過ぎた。
9月。
メール。
~やはり、行動が
怪しい。
女の人が… ~
~本当かどうか
わからないんでしょ? 信じてあげなよ ~
~彼女がいるのに…、
嘘をついて
合コンに。
嘘をついたことが
許せないの~
~あなたに心配
かけない様に
そう言ったんだよ~
気遣う友紀に
~中途半端な優しさは
やめて… ~
哀しかった。
“中途半端な優しさ…”
“中途半端…”
何処までいっても…。
9月も逢う約束をした。待ち合わせ場所は
ふたりが出逢った
あの自販機の前。
友紀が“聖地”と
呼ぶ場所。
~家は、ちょっと… ~
メールで断られた。
でも逢えるだけで
よかった。
待ち合わせ時間に
少し遅れて
千尋は来た。
鍾乳洞に出かけた。
小さい頃に遠足で
来た以来らしい。
友紀はふたりで
いられたら
どこでもよかった。
夏の思い出など
聞きながら
車で向かう。
テーマパークでの
プール事件、
彼と競艇に行った話…、彼との話は
辛かった。
楽しそうに話すから…、あまりにも
嬉しそうに…。
友紀は
オーバーな
リアクションで
話に聞き入った。
哀し微笑みを浮かべて。
あの日決めた。 “お付き合いしている
人がいる。”
と聞いた、あの日、
“全部引っくるめて
愛そう。
自分なりの
愛し方で…。
千尋のしあわせを
見守っていよう。
千尋への気持ちは
見せないように
しょう。”
千尋が心から
笑っていてくれたら…、しあわせなら…、
友紀の
“永遠の片思い”
で終わるはずだった…。