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プロローグ
2人の男が決別の時を迎えようとしていた。
「親友」と呼び合った日々はとうに終わっていた。
そして最後の別れを告げるため、再開を果たした。
紳士は問う。
「本当に決意は揺るがないのか」、と。
金色の瞳の男は言う。
「虎は我が子を守るためならどのようなことでもしよう。例え君や君の家族を傷つけようとも。例え無間地獄に落ちようとも」
金色の瞳の男は問う。
「止めないのか」、と。
紳士は言う。
「僕に君を止めるだけの力はない。むしろ受けるべき罰なのだろう。君を裏切り続けた罰を」
金色の瞳の男は背を向け、最後の言葉を告げる。
「許してくれ、友よ」
紳士はつぶやく。
「僕は君に友と呼んでもらう資格など…最初からなかったのかもしれない。すまない…ダナ」
連鎖する運命を変えるため、猛虎は旅立つ。