43話 ベシッ
♢♢♢
「…んあ………」
……まだ真っ暗だ。今何時だ？…いや、それよりも
「寝相悪すぎんだよ…」
俺の右頬はルナの足の裏で圧迫されていた。えっ…なにルナの奴、寝てる間に逆さまになったのか？
「やっぱ能力者じゃねぇか…」
すぅ…すぅ…すぅ…
そんな独り言を呟いても、ただ寝息で返事するだけだ。無邪気っ子かなんかですかね…
机に置いてある目覚まし時計を見ると、まだ1時過ぎってところだ
「………寝よ。コイツはほっとこ…」
明日も早いしな。はよ寝よ
ベシッ
「いってぇ……」
俺の寝るタイミングを見計らって蹴りを入れてくる
どうなってる。愛梨はルナと寝てるはずだ。リビングのソファで寝るなんて事ないしな…
「愛梨の奴。どうやってこんなんと寝てんだよ…」
「ん〜………く…じょう…どろぼう……ね…こ…」
何言ってるか全く分からんし、無視して寝るか…
少しだけルナから離れ、目を瞑るとすぐに意識が遠のいていく感覚がした
あぁ…明日もバイトがんーーー
ベシッ ベシッ
「いっで……くっ……無視無視。こんなん無視だ」
ベシッ ベシッ ベシッ
「……はぁ…どうすんだよコレ…」
どうなってんだこれ。寝てるからってなんでもやりたい放題かおまえは
体を起こし、四つん這いでゆっくりとルナに這い寄って行く
「なっ…」
さっきまで布団に包まれてたから分からなかったが、ルナの奴…パンツ履いてんのか？コレ…
正確には俺のシャツで隠れて見えないだけだが、コレは捲って確認する必要があるよな？
「流石に履いてるよなおまえ……」
ルナが勝手に着た俺のシャツをゆっくりと捲っていく
「……………安心したわ…」
よかった。流石に履いてた。ピンクのパンツにヒラヒラしてるのが付いた奴だ。初めてみた
そっと捲ったシャツを戻そうとしたが少しだけ気になる事がある
そう、愛梨のあの発言だ…
『まぁざこにぃがルナちゃんの裸見ちゃったら暴走しちゃうかもだしねぇ〜？』
リビングでルナの生乳を後ろから揉みしだいた事はあるが見たことはない
「…そんなに凄いのか？綺麗な形ってことか？」
すぅ…すぅ…すぅ…
掴んだシャツを上までゆっくりとたくし上げていく
…後少し、後少しで同性でもヤバいと思わせるルナの生おっぱいを拝める！
よし。このまま行けばあとほんの少しで下乳が見える。見るだけなら大丈夫だ。俺は止まれる男だ……
「よし、行くぞ…」
「や…だ…」
え！？起きてるのか？ルナのヤツ…
サッとシャツを戻し、枕まで帰還する。いやそもそも寝てる間にこんな事するのがアウトだ…やめやめ
「や…だ……れんれ…なかに…ほし……い…」
…ん？…
「……なんて夢見てやがる……」
生乳とか全然比にならないくらいヤバい夢見てるんじゃないかルナの奴。俺に中◯しおねだりかよ…
アホくさ 寝よ。なんかもうどうでもいいや
ベシッ ベシッ ベシッ
あー……こんなに脚が動いてんのって俺の腰に脚を絡ませて逃がさない為か？そんな気がする
「…あっ……ん゛…あり…がと……」
夢の中の俺…我慢しろよ。それにしてもコイツは相変わらず色々とすっ飛ばしすぎなんだよなぁ…
あーもう寝れそうな感じだ…寝よ…
すぅ…すぅ…すぅ…
「…ん゛…んえっ！？…あ〜…すっごいイイ夢見てたぁ〜。あ〜やばいめっちゃムラつく〜。………もぉー！れんれんのシャツ着てるせいじゃーん！」
チラッ
「あーあ。ぐっすり寝ちゃってさぁ〜。ルナのことムラつかせた責任は取って貰うからねぇ〜。それじゃちょっとおゆびちゃん借りまぁーす」
♢♢♢
「……は？今なんて言ったの？…」
「…着ないって言ったんだよ」
3人で朝ご飯を食べ終えた後、俺が部屋で着替えようとしていたらルナが乱入してきた
既に上は大きめの星柄パジャマで、下はパジャマで見えないが恐らくパンイチだろう……
そして手には昨日着ていた俺のシャツ……
「ねぇ……なんで着ないの？…」
「なんだっておまえ…持ってるシャツ自分でよく見てみろよ…」
「………ちょ、ちょっと濡れてるだけじゃ〜ん！」
「ちょっとレベルじゃないだろ。べちゃべちゃじゃねーか…」
1時頃に起きた時は濡れてなかったと思うんだが。あの後か？……明らかに俺のシャツで致している
「むぅ……ねぇいいじゃ〜ん……ねえってば〜…」
そう言って頬をぷっくら膨らましながら俺の袖をチョンチョン摘んではよ脱げってやってくる
なんかこんな奴居たな。誰だっけ？あ〜そうそう
「いやおまえ西城かよ」
「…………………………………は？誰それ？」
一瞬で目のハイライトが消え失せた。いやなんでだ？知らない人の苗字でここまでなるか普通
「誰それって言わ「今日バイト休んで」
「……ん？…は！？なんでだよ」
「いいから休んで！れんれんがムカつくから！」
えー…情緒どないなっとんねん…
