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42話 ふっくらしてて可愛いおまえが悪い

♢♢♢


晩御飯を食べ終えて風呂から上がった俺は、すぐに歯磨きに取り掛かった


歯磨き中は脳が暇だからどうしても考え事をしてしまう。もちろん今日の出来事だ


俺の頭の中は西城の匂いとか首に巻き付いた腕とか耳元の吐息とかそんなことじゃない


それらは全部ルナで経験している。そんな事よりもジジイだ。アレはもう二度と会いたくない…


風呂に入ったら来てもいいと言ったが、3年分の蓄積された汚れを一回の入浴で落とすのは不可能だ



♢♢♢



「いや、どこだよアイツ…」


歯磨きを済ませて家の中を探しまわるがルナの姿が見えない。…えっ…ステルススキル持ちか?…


俺は理由を説明すると約束した。今のままじゃ後味悪いしアイツの料理も美味かったしな


だが説明するって言ってもただ一言、"女の子を抱きしめてたら寝てた"って言うだけだが……


とりあえず後は愛梨の部屋だけだな


俺は愛梨の部屋の前に立ってそっとノックした


「はーい」


返事が聞こえて扉を開けるが、部屋には愛梨一人でただベッドでスマホをいじっているだけだった


「あれ?ルナは?…」


「んえ?リビングでテレビ見てなかったー?」


「いや、居なかったが…」


「………ふーん。なら自分の部屋は〜?」


俺の方を見ずに適当な対応の愛梨。大方風呂でルナが元気なかったのを見て俺にイラついてんだろーな


「俺の部屋にも居ないから来たんだが…」


「…部屋の明かりはついてたの?」


「誰も居ないんだからついてるわけないだろ」


するとようやく愛梨はスマホから目を離して俺の目を見た


「部屋の明かりつけたら?…ばかじゃんざこにぃ」


「……あーー…そっか。そうか…」


いやおも…



♢♢♢



部屋に戻って部屋の明かりをつけるが、普通に居ないし寝よ。もういいだろ疲れたわ…


溜息を吐いてすぐに部屋の明かりを消した


アイツはステルス技術を極めすぎている。将来はアサシンでも目指してんだろうな


「はぁ…明日話せばいいか…」


5月にしては厚みのある布団を使っている。でも少し冷え込む朝にはちょうどいいんだよなぁ…


後2週間くらいでこのふっくら可愛い布団ちゃんとお別れなの寂しいすぎるけど


ベッドに入って布団をおもいっきり抱きしめるように引き寄せた。ふっくらしてて可愛いおまえが悪い!


「ッ…」


「……………………ん…?なんだ?…」


何か別の柔らかみがあるものも一緒に抱き寄せた気がする。なんなら俺の胸板に今すっぽり収まってる


暗闇の中、そっと下を向くと布団と一緒に抱き寄せたであろうルナも俺を見上げていた


「お、おまえ……なにげに俺の部屋に勝手に入るの初めてじゃね?」


あまりの出来事にテンパって、上擦った声で俺はそう言った。いや、顔真っ赤だわ俺……たぶん


しかも俺の視線はダボダボの彼シャツから覗く谷間から全く目が離せなくなっていた


いやデカすぎ。しかもいつでも俺を受け入れる姿勢でお触りOKなのがもう色々と股間に良くない


「えっ……………えーと…う、うん。初めて。あとおっぱい見過ぎ……さ、……さわ…る?」


暗闇だから顔色までは分からないが、抱きしめたルナの体が徐々にだがかなり熱を帯びてきた


「あ、アホか。それよりも遅くなった理由聞きたいんじゃないのかよ…」


見つめ合ってトロンとした瞳は沈んでいって、やがてルナは俺の胸板に顔を埋めた


「………今は聞きたくない。もう明日でいい」


「いや、忘れる前に言っとくわ。バイト終わ「いいって。聞きたくないって言ってんじゃん…」


「そ、そうか…あー、あとアレな。だし巻き卵とさつまいもの甘煮さ、美味しかったわ。ありがとうな」


俺がそう言った途端、ルナは更に深く密着してきた。表情までは見えないが…


「どういたしまして。……また作ってあげる…」


「おう。………で、おまえ今日ここで寝るの?」


「だってルナ抱きしめられてる側だもん。ココで寝るしかないじゃん…」


あーまだ抱きしめてたのかよ俺…とりあえず離すか


「手離したらルナと朝までえっち確定だからね…」


「……………ココで寝てどうぞ…」


やっぱり部屋に上がったら二択を出して来ると思ったんだよな……


「えへへ…」


気付いたら俺の胸板に顔をすりすりしてやがる。可愛いけどコレか素なのか演技なのか俺には分からない


「俺に負い目があって、料理も作ってくれたから今日だけ特別な……」


「ならまた料理作ってあげるねぇ〜?あと17時までに帰って来れなかったら次は〜………」


「次は?…」


「え…えっと…その。ま、まえみたいに…さ、さわ」


照れ隠しなのか、ゆっくりと俺の腕から離れようとする。もちろん力ずくで抱き寄せる


「何逃げてんだよ。言えよ…」


やば。抱き寄せすぎた。これは流石に反応しそう。自分の首絞めるだけだわ


「そ、そんな耳元で囁かないでよ…」


コイツ顔真っ赤ちゃんか?真っ暗じゃなかったらめっちゃからかってやったのに惜しい


「じゃあなんだよ。言えよ」


「………いい、その時言う。……おやすみ…」


そう言って俺の胸板にすっぽり収まっていった。まぁ眠いしちょうどいいか。俺も寝よ


「あぁ…おやすみ…」


今もルナの匂いに包まれてるのに明日もこの匂いに包まれてバイトかよ……トホホ〜


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