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41話 俺ホモだから大丈夫


「女の子?女の子ってもしかして俺のことか?」


この状況でめちゃくちゃすっとぼけてみる。てゆーかアホほど疲れてるし相手にしたくない


「今そーゆうのいいから…………」


俺の目を見つめてガチトーンだ。しかもふざけ倒したせいで更にヒートアップしてしまった


「はぁ……分かったって…飯食って風呂入ったら遅くなった理由話すからさ…」


正直しんどい。こんなところで足止めされるとは思わんし、そもそもなんで俺怒られてんだ?…


「ホントにぃ〜?嘘じゃないもんね〜?嘘ついたら明日の朝はお寝坊さんになっちゃうよ〜?」


俺の目覚まし時計壊す気かよ…


「はぁ…話すって…」


「…よろしい。じゃあルナ先にお風呂入ってるから〜。あ、あと寝巻きはれんれんのシャツ借りるね」


「は?なんでだよ」


突然何言ってんだ。なんの脈絡もなく……いや、あってもダメだ


「なんでって。……ルナの匂いを染み込ませておく為じゃん?…」


「………いや、染み込ませてどうすんだよ。思考回路どないなっとんねん」


俺がそう言っても首をキョトンと傾けるだけ。それ可愛いからやめてホントに


「朝には脱いで渡すから、ルナの匂いが染み付いたシャツでバイトしてよね〜?」


「…おえっ……誰が着るかそんなん」


「いま女の子の匂いが染み付いたシャツ着てる癖に説得力ないよ〜」


確かにー!!でも朝イチからってのと、バイト終わりとじゃ全然ちがうんだって


「知るか。それではい着ますって奴居ないだろ」


「ふーん。…ルナの匂いはダメでバイト先の女の匂いはイイんだぁ。…そもそもホントにバイトな訳?」


いやしつけぇ…愛梨からも聞かされてるはずなんですけど


「ホントにバイトだっての。てかそろそろ飯食べたいんだけど」


横を通り過ぎてリビングの扉に向かって歩いていく。俺は早く愛梨のご飯食べたいんすわ


「…ねぇ…彼氏代行とかじゃないよね?…」


「20歳未満は法律上厳しいっす」


事実でねじ伏せリビングの扉を開ける。扉を開けた瞬間、すぐに甘辛い香りが漂って来た


「ただいま…」


「おかえりざこにぃ〜。今日の晩御飯は鶏の照り焼きでぇーす!」


食卓の中央には堂々と盛り付けられた鶏の照り焼きくんが鎮座していた


「最高だ。いつもありがとうな。青ねぎてんこもりもナイスすぎ」


俺は即座に食卓の椅子に座った。もう我慢ならんねん


「さつまいもの甘煮とだし巻き卵もあるよーん」


「めっちゃおいし「ルナちゃんが作ったからね〜」


「「「……………」」」


めっちゃ美味しそう。そう言いたかったけど口が止まった。えっ……アイツ料理できんの?


座りながら後ろを振り向くと、ルナは無言で仁王立ちしていた。おまえ現場監督かよ


端にある味噌汁に目がいく。…先に味噌汁に逃げようと思う。俺は死にたくない…


右腕を動かして味噌汁のお椀を掴もうとしても掴めない。何故なら愛梨に手首を掴まれているからだ


「ざこにぃ……先にだし巻き卵からでしょ?」


「分かったから離してくれ…」


俺がそう言ったらすぐに手を離してくれる。あらやだいい子


だし巻き卵を箸で持ち上げて口に運んだ時、背後から息を呑む様な音が聞こえた気がする……


「………………うん…うまい。なぁルナ…あれ?」


「ざこにぃってば感想言うの遅すぎ〜。ルナちゃん沈んだ顔してお風呂行っちゃったじゃーん…」


いやいつの間に…てかめっちゃ呆れ顔じゃん愛梨


「てかなんでアイツが作ったの?いまいち分からないんだが…」


「はぁ…ざこにぃがバイトで疲れて帰って来ると思ったから労ってあげたかったんじゃない?…でも」


「でも?…」


「…女の子特有の甘い香りがざこにぃからプンプン匂ってくるじゃん。…愛梨でもムカつくよねぇ?」


「あーーー……確かに…」


まあ2時間も対面座位で抱き合って寝てたらそりゃ匂いが服に染み込みますわ…


「聞いた話だと、愛梨も17時に帰って来ると思ってたしルナちゃんも心配してたんだからね〜」


え、なに?アイツ心配してたの?……あー、だから余計に怒りが湧き上がって来てたのか…


「寝る前にでも謝っとくわ。ありがとうな愛梨」


「いいよぉ〜。それじゃルナちゃんと一緒にお風呂入って来るから〜覗かないでね〜?」


「覗かねえよアホか…」


「まぁざこにぃがルナちゃんの裸見ちゃったら暴走しちゃうかもだしねぇ〜?」


そんな事言われたら覗きたくなっちゃうけどやめとこ。てか同性から見てもえっろいのかよ


「俺ホモだから大丈夫」


「うわキモ…」


その一言キックゥ!


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