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39話 やっぱ世話の焼ける後輩

♢♢♢


「いや、なんだこのえっろい体勢は…」


おはようございます。そうです起きました俺です


起きたら俺はソファにもたれ掛かっていて、西城が俺の膝に跨がって上半身を密着させていた


しかも俺の首を腕でガッチリと抱きしめていて、耳元には西城の吐息が掛かってくる。これ無料なの?


すぅ…すぅ…すぅ…


「え……これチ◯コ挿ってない?大丈夫か?」


いや、そんな事ないか。でも絵面がもう挿ってんのよなコレ


そう、座りながらのだいしゅきホールドだなこれ。てかそんな事より今何時だよ


ポケットからスマホを取り出して時間を確認する


「18時………2時間近く寝てんなぁ…」


いつからこの体勢なんだ?いや、そもそも西城はバチクソガードが固いはずだ。何故こうなった?


「俺の寝相でこうなったのか?いや普通なるか?」


あかん。…普段お触りNGの奴がここまで密着してる事実にムダに興奮してきた


間違いが起きる前にさっさと振り解いて帰ろ……



♢♢♢



西城のエプロンを剥ぎ取って、ロッカーから荷物を押収した俺は店を出た。もちろん自分の荷物もだ


背中に西城をおぶっては居るがコイツの家分からんちん。結局起こさないとダメだな


「西城起きろ。おまえの家が分からん…」


すぅ…すぅ…すぅ…


よく寝るなぁ。俺も帰って今日は早く寝よ。心身共にダメージが高すぎる。ジジイが強キャラ過ぎた


送っていこうと思ったがやっぱりナシだな


「おーい起きないとお持ち帰りすっぞー?」


「ん……ふぇ?…」


「ようやくおき「降ろしてください」


……この感じだとやっぱり俺の寝相であんな体勢になったんだろうなあ。首に巻き付いてた腕は忘れよ


「へいへい…」


そう言って腰を落とし、西城様をおんぶしていた手を離した


降りた西城はすぐに自分の服の乱れを確認していた


「なんもしてねぇよ。なに期待してんだよ」


「なっ!…き、期待してないですし!先輩バカですかバーカバーカ!」


いやおまえ愛梨かよ…


「起きたんなら帰れよ。気を付けてな」


「えぇ〜?先輩ってば送ってくれないんですかぁ〜?私の家知りたくないですかぁ〜?」


俺がそう言うと、西城はすぐにニヤケ顔になって俺を煽ってくる。寝起きからよくやるなオイ


てか連絡先も知らない奴の家知りたいと思う訳ないだろアホかコイツ


「じゃ、帰るわ。お疲れ様」


すぐに振り返って帰路を目指した


「ちょ、ちょ!先輩がどうしてもって言うなら送ってくれてもいいんですよ〜?ねぇせんぱい〜?」


俺の袖をちんまり摘んで引き止めてくる


「え、なにおまえ俺に送って行って欲しいの?」


はいおまえの負け。説教出来なかったしな。このくらいはいいだろ


「…先輩が私をおうちまで送って行きたいんですもんね?素直になった方がいいですよぉ〜?」


ほう。俺と張り合うつもりか面白い。でも女子なんてあの一言で一発なんだよなぁ


「え、なにおまえ俺の事好きなの?」


「好きじゃないです。あとその勝ち確発言やめてください!もう1人で帰るしかないじゃないですか」


まぁ俺の事が好きだと肯定しなきゃ一緒に帰れないもんな。ルナもコレで黙らしたしやっぱ最強だわ


「おう、気を付けて帰れよーお疲れー」


俺は背を向けて歩き出し、ひらひらと片手を振った


んー、でも脚が前に進まない。まだお袖ちゃん掴まれちゃってるからなー


「離せ」


少し強めに言う。何故なら俺はジジイのキャラパワーに疲れているからだ。さっさと家帰って寝たいわ


「ッ!…そ、その冷たくしたり、優しくしたりするの辞めてください。どっちかにして下さい」


そう言って西城は袖を摘む手を離してくれた。ここから先は俺に任せるってことだろうな


まぁ離してくれたんならなんでもいっか。帰れるし


「じゃお疲れ。また明日な〜」


おまえ知らねーのか。気絶中は疲れが取れるんじゃなくて体と脳にめっちゃダメージ入るんだっつの


格闘技の基礎知識だぞ…


とりあえず帰って愛梨のご飯食べたら風呂入ってすぐに寝よ。あのジジイがここまで尾を引くとはな…


そんな事を考えながら歩いていると、後ろから全く足音がしない事に気付いて俺は振り返った



ーーそこには俯いて立ち尽くす西城の姿があった



「はぁ…」


今日帰るの遅くなりそうだわ…

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