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30話 その夜

♢♢♢


くぅ〜…完全に愛梨ちゃんを人質に取ってルナの体を好き勝手揉みしだいてほじくっていきやがった


「…ムカつくぅ」


アイツのトランクスの匂いに釣られて、ちょっと使っただけなのに…脅しの材料に使うなんて


洗濯機の中に放り込んだからバレないと思ってた。ヨシ、次はトランクスごと持って帰ろ



でもあの言い方だと懲りてなかったらまたしてくれるって事だよね?


ほ、ホントにもう一回してくれるのかな?…


えっ、どうしよう。めちゃくちゃ嬉しい。嬉しすぎて体がぷるぷる震えて喜んじゃってるし…


しかもまだ余韻で体が動かない…


完全敗北した事は認める。でもそれ以上に次があるのが凄く嬉しいんだけど


てかおまえも今日、寝てる間にルナのおくちに完全敗北するんだけどな。…ぷぷぷ


「はぁ…すっごい気持ちよかった。1人でするのと全然違うよぉ…どうしようぅ〜…うぅ〜…」


ソファに置いてある青いクッションを抱きしめながら悶えまくる


「ん〜?ルナちゃんなんか言った〜?」


「…な、なんでも〜…」


とりあえず愛梨ちゃんにバレたら次は絶対ないだろうし、制服ちゃんと直さなきゃ


あと、もっと過激に煽んなきゃ次はしてくれないかもしんない


アイツに反省してないって気付かせる必要がある


あぁ〜…それにしてもよかった…


「もっかいしてほしー…もっかいしてほしー…」


気付いたらそう呟いてた…しかも体が熱いし…



♢♢♢



「「ごちそうさま」」


やっぱ愛梨の料理は最高だわ。あっという間に完食してた


「お粗末さま〜」


皿を流しに置いてリビングの扉に向かう。サクッと風呂洗ってお湯張りすっか


「俺風呂洗うから、ルナは皿洗っ…いや、テレビでも見とけ」


あっぶね。皿なんて洗わせたらコイツが客としてじゃなくて、住人として飯食ったことになるじゃん


「お皿洗うよ〜。任せてー」


「いい、なんもするな」


「…そ?てか1人でお風呂洗えるぅ〜?滑って転んで死なないでねぇ〜?」


…コイツ全然懲りてねえわ…当然のように煽ってくるやん。なんでだ…


少しはビビってた筈なんだが。強めに脅したのも結構ショックだったはずだ


いや、メンタルが強すぎんのか?…思えば西城は一回投げただけで落ち込んでたが…


俺コイツの事何回投げたっけ、覚えてないわ


「アホか。おまえみたいにガキじゃないんだから転んだりしないわ」


「えぇ〜?そのガキにお顔ちゃんまっかぁ〜にしてたのに〜?」


「る、ルナちゃん。そこまで煽らなくても…」


愛梨の前でもめっちゃ煽り散らかしてきやがるなコイツ。こんな遠慮なかったか?なんか悪化してね?


また失敗したか?


「はぁ…テレビでもみてろ」


「チッ 分かったぁ〜」


ん?今コイツ舌打ちしたか?…いや、気のせいか



♢♢♢



風呂を洗ってお湯張りを済ませた俺は、ベッドに横になってボケーっとしていた


そう…人生で初めて女の子のあんなとこやこんなところを摘んでほじくって


「何やってんだろ俺……」


てかアレ同意の上じゃないから普通に捕まるよな。もうやるべきじゃないな、うん


アイツ…口では強情でも全く抵抗してなかったような気がする…


「されるがままとか、意味分からん…」


はぁ………今回も失敗に終わった気がするな。煽りが完全にエスカレートしただけになった


「アイツ…どうやったら俺から離れるんだろ」


まぁなるようになるか。考えても仕方ない


ズボンからスマホを取り出して、ゴールデンウィークの短期バイトを探す


今の俺は部活もなければ進学もしない


赤点を取らずにのらりくらりやっているが、親の仕送りだけで食っていくのは申し訳ない


スマホを片手にアルバイト募集サイトをスクロールしていく


「求人の数えっぐ…」


ゴールデンウィーク直前だしなー


コンビニにイベントスタッフ。人が多くて騒がしいのばっかだな


…静かに棒立ちしてるだけで稼げるバイトねーかな


…ん?これいいかも



 【誰も来ない珈琲】


 >静かなカフェでの短期バイト募集

 >接客未経験歓迎。高校生可。少人数体制

 >落ち着いた空間で働きたい方へ



まず名前からしてめっちゃ惹かれる、うん好き


タップすると出てきたのは、家から徒歩15分の裏通りにある個人経営のカフェだ


口コミも少ないし写真も数枚だけ、最高だな


画面の"応募する"ボタンを押す


「よし、風呂入ろ。もう沸いたろ」



♢♢♢



風呂から上がって今はリビングのソファでテレビを見ている


そりゃそうだ。アイツが俺のトランクスでルナニーするかもしれんからな。寝る時間までソファに居座ってやんよ


てかそんなことより……


「アイツら2人で風呂入ってんのかよ…」


どんだけ距離縮まってんねん。もう姉妹かよ


ピロンッ


スマホの通知音だ。誰だ?


『今日はありがとう蓮くん。ゴールデンウィーク明けから一緒にお昼ご飯でも食べない?』


そういやゴールデンウィークはバイトしたいからデートの誘いを断っただけなんだよな〜


「そんなこと九条に言っても言い訳か…」


サクッと返信するか


『俺の仇名レイパーだぞ、一緒に食べてて大丈夫か?』


『なら生徒会室で食べましょ。お弁当作ってくるわね』


…ん?九条の奴。明らかに距離を縮めようとしている。しかも弁当なんて作られたらーー



ーー仕事を断るのが難しくなる件  完



でも購買のパン買いに行くのめんどいしな〜、あの競争を卒業まで続けるの嫌なんだよな


『お願いする。食材費は払うわ』


『仕事で返してくれればいいわ、言質は取ったからね』


「あー……結構したたかだなぁ〜」


ソファにもたれ掛かって天井を仰ぐように顔を上に向けた


「ねぇ…誰とRINEしてんの?…」


蛍光灯じゃなくて風呂上がりのルナの瞳が目と鼻の先にあった



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