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3話 やっぱ居た



「まぁ昨日転校してきたからなー」


俺がそう言うと後ろの荷台が少し揺れて、心なしか

甘い香りが近づいた気がする。


気のせいか?


「それは親近感湧きますね!でも私はサクッと友達作れちゃうと思うので1人で頑張って下さいね?」


いちいちムカつくなコイツ。多分コイツ今めっちゃ笑顔だわ。


「あいよ」


「ところで何年生なんですか?」


「3」


「わぁ!私は2年なので先輩ですね!明日も送り迎えよろしくお願いしますねー?」


「…………」


「ね〜?」


「…………ん?」


明日"も"ってなんだ?……しかも今日家までこの子を送り届ける事を約束されてるぞコレ


「いやムリ」


「えぇ〜いいじゃないですかぁ。雑魚ぼっちの先輩は1人で帰るんですよねぇ?」


コイツだいぶ砕けてきたな。もうメスガキ度を隠さなくなってきやがったぞ


だけどアレだな。メスガキ度30%てとこだ。この程度ならイライラしない、だがいつか分からせたる


しかしそれは今じゃない。今なんか言っても、なんだコイツで終わるだけだからな。


「まぁ1人だな」


「なら今日は昇降口の前で待って「着いた」


やべえギリギリだ。しかも全然話聞いてなかったわ。まあそれはいっか。


学校の時計を見上げると時刻は8時21分


ギリギリだ。全速力で飛ばして汗掻いたわ。


「おいもう降り…………てたわ…」


俺が見上げた頭を下に下げた時、トコトコと目の前を歩く女の子の姿があった。


校門から駐輪場まで距離はそんなない。なんとか間に合いそうだ。


「せんぱぁーい!先行ってますね!駐輪場までがぁんばれ!がぁんばれ!ファイト!ファイト!」


俺が駐輪場まで足を向けて歩いていると、茶髪っ子は小刻みにジャンプしながら胸を揺らし、片手を上に掲げて俺を応援していた。


ここまで俺が頑張って重たい荷物を運んだってのに遅刻するかもしれない行動すんな…


おまえは初日で教室が分からねえだろうが


「俺が自転車置いて、まだ応援してたらパンツ脱がすからな」


「………んなっ!サイテーです!」


俺がそう言うと、ドン引きしながらも怒りのあまりかは知らんが昇降口まで走っていった。


アレならなんとか間に合うだろうか…いや間に合ってほしい、遅刻した転校生とかイメージ最悪だぞ


俺もさっさと行かねーとヤバいなこれは。


駐輪場に自転車を置いてダッシュで3年の教室目掛けて駆け出した。


茶髪っ子が何組かは知らんが一階は職員室、保険室、視聴覚室がある。


2年は2階だがアイツの頭ですぐ階段が見つけられるとは思えん


俺が2階への階段を登って3階の階段に足を踏み入れた時、反対側の階段から茶髪っ子がやってきて2年1組の扉の前にいる先生と話していた。


やっぱり迷ってたか、間に合ってよかったな


俺は踏み入れた足をそのままに、階段を登っていった。


少しだけ小悪魔系あざと後輩からの視線を感じた気がするが、まぁどうでもいいか。


時刻は8時24分


殆どの生徒が座りながら会話をしていて、俺が教室の扉を開けても3割程度の生徒が振り向いたが特に何も起きない。


いや起きなくていい


そのまま扉から一番近い席が俺の席だ。


この位置は至高。帰る時もラク


転校生というブランドは2日目から役に立たない。


ちなみにこのクラスにメスガキは居ない……ん?高校3年生がメスガキの部類に入るかどうか?分からないな…


それは置いとくとして、今のところは居ない。

居たらウザすぎて相手にされないはずだ


教室の壁掛け時計が午前8時25分を指した。


チャイムが鳴る直前


一番前の窓際の席では前田……だったか?が机に突っ伏したまま微動だにしない。寝てんな


一部の女子は手鏡で髪を整えている。誰もおまえを見ないがな


俺の隣の女の子は今日も無言だ。話すことはないし挨拶もしない。時たま何か言っている気がする?…が気にしていない


そこへ担任の先生が入室する。


「ウォーイ!ホームルーム始めっぞお」


ウォーイが挨拶らしい。昨日初めて聞いた時は驚いた


スキンヘッドの毛梨先生は前田?の頭を叩いて叩き起こして説教していた。


先生は出席簿を手に取り、名前を呼んでいる。手鏡を持って髪を整えている女子生徒はそのまま返事しやがる


そんな整えても誰も見ねーよ…そんな事を思っていた時だった


「チッ そんな整えても誰も見ねーよ雑魚が…」


俺のメスガキレーダーが反応した瞬間だった


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