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28話 買い物に行く


「固まっちゃってどうしたのぉ?触ってくれるんじゃないのぉ〜?」


俺が固まっていると、俺の手を優しく包み込んでそれから体を更に寄せてくる


まるで"もっと抱きしめろ"と言わんばかりだ


なんだコイツのこの機嫌のよさは


「本当に揉むぞ?いいのか?」


更に脅しを増していく。もう折れとけルナ


「勝手にすればぁ〜?なにぃ〜?びびってんのお?かわい〜」


そう言って俺の首筋に顔を埋めて煽ってくる


てかお互い密着することが多くてこの距離感が普通なのがおかしいんだよなぁ…


吐息だってお互い感じられる距離だしな


「…おまえなぁ」


「ぷぷぅ。もっと凄い事2人でするのにおっぱいで躓くなんてルナ困っちゃ〜う」


勝手に凄い事する予定立てんな


「はぁ…バカ言ってないでお邪魔してますって言え」


「ならルナとえっちしろ。そしたら言ってやる」


コイツ…あの時の俺と同じ手を使ってやがる。そのうち行動がエスカレートしてこうなる


『部屋から出てって欲しかったらえっちしろ』


うん、絶対こうなるわコイツ……


「よいしょ」


ソファから立ち上がってルナを抱き上げながら玄関に向かう


「お!お兄ちゃんようやく行ってくれる気になったの?」


「あぁ、このアホと行ってくるわ」


耳元で色っぽく囁いてくるからもう限界だったしちょうどいい。ホントにコイツはもっと自分の魅力を認識して欲しいわ


「んな!?ヤダヤダ!ルナはソファでゆっくりしたい!」


「いってらしゃーい!」


「おう」


このままじゃ勝てんしな。分からせ云々を全部放棄して2人で買い物に行くに変更だな


「ほら2人で行くぞ。スーパーはそんな遠くない」



♢♢♢



「ぷぷぅ。逃げるとかマジ雑魚じゃん。れんれんってばいつもオラついてる癖にホントはビビりなんだぁ〜?」


夕方、まだ陽が少しだけ残る住宅街を俺達は歩いていた


犬を連れてるおばあちゃんとかもこの時間帯なら居るのか、なんか和むわ


「まだこの時間帯なら子供でも外出ていいだろ」


「このまえさぁ〜、その子供に顔真っ赤にしてたのにねぇ〜?」


「…………」


うっぜえ…最近ではコイツを分からせる方法が思いつかない。いつまで俺にべったりなんだおまえは


サッサと俺から離れて適当に恋でもしてこいよ。てかいつまで俺は手握ってんだ。今気付いた


そっと手を離して前を歩いた。もちろんそのまま無視だ


「………ね、ねぇ待ってよ〜。ルナ子供だから迷子になっちゃうかも〜」


「…………」


手を繋げって聞こえるなそれ。ダルいし無視だ


暫く歩いて住宅街を抜けると、少し開けた道に出た。俺の眼前には白い外壁に青い看板のスーパーが見える


「ね、ねぇ。怒ってるの?」


店先には自転車が並び、自動ドアの前に買い物カゴを手にした主婦達が居る


「…れんれぇ〜ん……ねぇ〜……」


まぁ明日休みだし居るわな…


「こんな近くにスーパーあるのって便利だねぇ、ルナの近くはあんまりないんだよね」


「いいとこに引っ越して来たと思ってる」


「ッ!…うんうん!ルナもそう思う!そーいえばどうして引っ越して来たの〜?」


「どうして……か。とてもじゃないがあっちでは住めなくなったからだ」


「そ、そっかぁ。えっと色々あったんだね?」


喜んだかと思えば、一丁前に気遣いしやがって。子供は俺の方だったな


「まぁ、色々な。心配してくれてありがとな」


そう言いながら振り返ってルナの頭をゆっくりと撫でた


「…………」


ん?怒りもせずに無反応だ。どうしたコイツ


「どうした?」


「………別に」


「なら行くぞ」


「ここで待ってる〜。頼まれたのはれんれんだし1人で行ってきたら〜?」


夕陽で顔色までは分からないが、自分の手のを団扇代わりにしてパタパタしている


「ん?…暑いか?」


「ん〜…少しね。なんでだろ。とりま待ってるわー」


「はいよ」



♢♢♢



俺がスーパーから出た時、辺りは薄暗くなっていた


ちょっとカレーのルー探すのに時間かけ過ぎたな…ルナの奴怒ってないだろうな。ついでにプリン買ったから大丈夫か


「君ひとり〜?よかったら俺と一緒に飯でも食べない?こんなところで立ってないでさ〜」


ルナが待っているところまで歩いていくと、何やら話し声が聞こえてくる。男と話しているようだ


「1人じゃない。人を待ってるからどっかいけ」


アイツ…あんな雑な対応して何してんだよ。完全に俺のプロレス技が裏目に出てんな


「なにぃ〜?このアマァ…」


よし、いいぞ。最近のルナは調子に乗りすぎだからな。少しだけ分からせてやってくれ


「えぇ〜?そんなので怒っちゃうのぉ?よわよわじゃ〜ん」


…ん?ルナの奴、チラチラとこっち見てやがる。気付いてんのかよ


「テンメェ!それ以上言ってみろ。痛い目みるぞ」


気付いてるなら茶番だな、もういいか


「おい、そんなムカつくガキよりいい子紹介してやるからこっち向け」


「え!まじすか!?」


「あぁ、俺だ」


「え?…」


「脱げ」



♢♢♢



「オラオラオラオラオラオラオラオラァ!いいケツしてんじゃねえかよチャラ男君よお!」


バシバシバシバシバシバシバシバシバシバシバシバシバシバシバシバシバシバシ


「おゔおゔおゔヴぉ〜ッお゛ゔびいぃぃッ おゔおゔおゔおゔおゔおふぅうぅぅぅぅぅぅぅんん゛ごぉぉ!!」


「ねぇまだ終わんないの〜?ルナお腹すいた〜」


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