25話 生徒総会
「遅かったわね。でも来てくれてありがとう」
「あぁ…俺の方こしょありがひょな」
メロンパンを口に咥えたまま生徒会室の扉を閉める。こんな非常識ムーヴを生徒会長様はどう見るのか?
「ふふ 早く食べちゃいなさい」
微笑んで許してくれた。可愛い綺麗、好き
「座って。仕事の話をしましょ」
「分かった…」
メロンパンを食べ終えて椅子に座った
「昼休みが終わったら生徒総会が始まるわね。5.6時限目を使って長い時間行われるから、どうしても退屈で私語が出るのよ」
「俺は転校してきたばっかりだから分からんが…先生が注意しないのか?」
「生徒総会は生徒が中心になって行うものだから。先生はボケーッと女子生徒のお尻ばっかり見てるわ」
えぇ…羨ましい…俺もそうしてたい…
「私と鎌田君達で司会から進行、議題は全部やるからね。それとコレをあげるわ」
長机にそっと何かが置かれる、そうそれは
「こ、…これは…権力…か?」
権力という名の青い腕章だ。生徒会長は赤、副会長は青だ
俺はこの日、欠席している副会長の権力を手にした
「えっと…やり方によっては嫌われるわよ?それと暴力はダメだから……ね?」
知るかボケ
「もちろんです」
「あと過激な発言も控えてね?」
知るかボケ
「はいもちろん」
♢♢♢
想像以上に暗い体育館でプロジェクターのファンの音だけが響いている、今のところは何も起きない
つまりめっちゃ暇
椅子に座った女子生徒のお尻を先生と一緒に後ろから眺め続ける俺
つまりめっちゃ役得
壇上で九条が資料を確認し、鎌田君達が小声で打ち合わせをしている
なんかごめん
「第2議題 校内美化活動について」
「予算の都合上、新たな清掃用具の購入は見送り、点検、修繕を重点的にーーー
やっべぇ…眠くなってきた………
♢♢♢
「おい副会長、出番だぞ!私語が目立って九条がお怒りだ!」
「んえ?」
体育館の端で毛梨先生の隣に座っていた俺
起きた時にはスマホいじっておしゃべりしてる奴ばっかり。うわヤバいぞコレ
視線だけで壇上の九条を見る
うん、俺の事を睨み付けて殺意すら籠ってるな
『仕事しろや』 そんな目だ
ーー第4議題 文化祭予算案についてですーー
さっそく椅子から立ち上がって最後尾の3年から取り掛かる
「おいスマホしまえ」
「あぁ?誰だよおまえ、なんで俺様がおまえの言う事聞かなきゃならねえんだ?」
うーん…腕章を見てもこの反応。ダメだなこりゃ
「俺おまえの事好きなんだけど、この後2人でホテルいかね?あと家どこ?連絡先も教えて」
「ひぃ……」
「よしよし、いい子だ」
ドン引きして大人しくなった子羊の頭を撫でてあげた
ーー第5議題 自転車通学ルールについてーー
「おいそこのデブとオカッパメガネ、くせー口閉じて黙っとけ」
「あん?黙っとけレイパーがよ。聖華の子にも手出しやがって」
「そうだお!そうだお!警察いけお!」
隣あった2人の頭を掴んで、むりやりデブとオカッパを近づけてキスさせる
ぶちゅうぅぅ
「おげええええ!!」
「ぷぎぃぃぃぃ!!」
「黙らないと次は俺とキスする事になるぞ?」
「「………………」」
一瞬で黙った2人の頭を撫でて言ってやった
「よしよしいい子だ。あと聖華の子は俺の女だから近付くな、近付いたら朝までケツ掘るからな」
「分かったら返事しろ」
「「は、はい…」」
「返事すんな、口閉じて黙っとけって言ったろ」
それだけ言ってもう一度顔面を打ち付ける様にキスさせた
ーー第6議題 体育館設備の修繕についてーー
「おいスマホしまえ」
って……黒瀬じゃねーか。暗くて分からんかった
「……じゃあさっきの私にも…お、お願い…」
「さっきのってなんだ?」
なるべく声量を落として、周りに聞こえない様に話しかける
「えっと…さっき頭撫でてたの見たから」
「おまえ…まさか……」
「うん…頭撫でてくれたら、その…しまうね?」
最後尾の端だから見られはしないが……
「はいはい、お嬢様」
それだけ言って撫でてあげる事にする
「…うん…その…くるしゅうない」
ーー以上が本日の議題です。質疑応答に入ります。質問や意見のある生徒は挙手をーー
しまった…黒瀬の頭を撫ですぎたせいで合法分からせタイムをムダにしてしまった…次は2年か
そのまま騒がしい席の元に歩いていく
「あーしの彼氏まじでイケメ「おい静かに」
「あん?誰アンタ。今あーしの演説時間なんだけど」
これまた汚なそうなギャルだなオイ
「孕むか黙るかどっちかだ、おいどっちだ」
頭を掴んでそう耳元で囁いた
「ひ、ひぃ…だ、黙ります…」
これルナに言ったら"孕む一択に決まってんだろ"とか言うんだろうなぁ…
「よしよし、いい子だ」
そう言って頭を雑に撫で回す
ーー文化祭のステージ費用は照明機材も含まれますか?ーー
もう質疑応答始まってたのか、集中してて気付かなかった
あそこにもスマホいじってる2年が居る。それにしても荒れすぎだろこの学校
暗い体育館を足早に歩いて生徒の元まで歩く
「おいスマホしま……はぁ…そんなほっぺパンパンにしてたら破裂するぞ」




