14話 じゃあおまえと結婚しよ
「いいよ、2人きりがいい」
「ッ…」
可愛いすぎる!…今、こんな感情を持って媚薬なんて飲んだら俺は確実にルナに手を出す。復讐される
「すぅ……はぁ…」
まずは深呼吸だ。もうここで説教するしか「お、おまえ…めちゃ効いてるじゃん」
「なんだよ」
ぷるぷる震えた声で煽り散らかして来やがる
「…ん〜ん!べっつにぃ〜!なんでも、えへへ♪ 」
なんだコイツのこのふやけきった笑顔は。なんでこんな嬉しそうなんだ
「なんだよおまえ。気持ちわりーな」
そう言って俺はコイツの手を離して2階の階段の一段目に腰を降ろす。もちろん隣に座らないように真ん中にだ。
まずはこのアホを怒らして俺のペースに持っていく。煽り散らかしていつものおまえに戻してやんよ
「座るね…」
そう言ってコイツは俺の膝に跨って腰を降ろす。だいしゅきホールドでもする気かよ……いや近いが
「な、なにしてんだ」
そんなキャラじゃないだろおまえどうした。もうラブコメ始まってんのかコレ?……
いや、待て……まさかコイツ!
ここは試してみるか、アレを
女が1番だりーなコイツって思う発言上位のあの言葉を
「え、なにおまえ俺のこと好きなの?」
「知り合って2日で好きになるわけねーだろ」
一瞬でふやけきった顔は スンッ となりいつものコイツに戻った。
そして俺の照れていたであろう赤い顔も元に戻る。
やっぱりコイツ分からせたる。もっかい分からせたるわ。記憶吹っ飛ぶくらいバックドロップ決めたんねん
「俺の部屋いくぞ。ほら」
俺は膝の上に座るコイツを抱きしめながら部屋まで駆け上がった。
「やぁ〜ん、必死すぎ〜。そんな強く抱きしめちゃってさ、ルナはどこにもいかないよ〜?」
煽り散らかすコイツを無視して部屋の扉を開ける。
「おい…腰に足絡めんな、どけろ」
「だいしゅきホールドだよ〜ん?うれし〜だろざぁ〜こ」
そう言いながら俺の股間に自分の腰を上下に擦り付けてやがる、もう俺に遠慮なさすぎだろ
完全にいつものコイツに戻ってやがる。単純接触効果で攻めに来たか……
「足どけたらおまえとしてやるよ」
「えぇ〜!ホントに〜……嘘じゃないもんねぇ〜?」
瞳がまたドス黒く汚れ出した。さっきの可愛さはどこにいった、完全に復讐モードになってるじゃねーか
だがもちろん嘘だ。脚を離した瞬間バックドロップ決めてやる。わんわん泣いてもバックドロップしまくっておまえのプライド打ち砕いて分からせたる
「離せ………」
「……えぇ〜!?どうしよっかなぁ。あれれ〜?気が付いたらお部屋にいるや〜?おかしいなぁ〜?お部屋着いたら媚薬飲む約束どこいったんだろぉ〜。ねぇ教えて教えて〜!」
コイツゥ……約束なんてしてねーよ。一方的な提案だろーが
「あと40分もしたら晩御飯だ。悪いがタイムオーバーだな、残念」
「なら40分で全部搾り尽くしてやるから早く飲め。こっちはおまえに女としての価値を否定されて人生狂わされてんだよ」
「まだ狂ってないだろ?おまえの人生が狂うのはコレからだと思うが?」
それだけ言うとだいしゅきホールドされたままの脚を諦めてベッドに横になった。もちろんコイツが下だ。
まだおまえは間に合う。俺が高校卒業するまでにちゃんと更生させてやんよ
「ルナの人生が狂うのがコレから?何言ってんの?時間稼ぎしてんじゃねーよ」
「この歳で愛のないセッ◯スなんてしてたらこの先どうなるか分かるか?」
「何?説教?しょうもない時間稼ぎ要らないから早く媚薬飲んでラクになれよ」
さっきまでいい雰囲気だったのに上手くいかない事に腹を立てているように見える。
「おまえ俺の名前知らんだろ」
「それが何?」
「名前を知らん男とするのがおまえの普通なのか?」
「どうでもいい、普通」
どうでも良くないし、普通でもないんだよな…本当伝わらないもんだな…
「じゃあおまえに金払うわ。2万でいい?」
俺がそう言うと、覆い被さっている俺の目を見つめて目をパクチリさせる
「要らないけど、どうしたの?」
「おまえの中では名前の知らん男とするのが普通なんだろ?なら今のおまえは新宿の立ちんぼと同じだわ、だから金払うわ」
「は?…ルナをあんなのと一緒にすんな!金なんて要らないから!」
「じゃあいいや、金払わせてくれないなら足離せ…」
「タダでいいって言ってんでしょ」
そう言って更に足を深く絡めてくる。お互いの股間が強く密着しているがコイツはわざと当ててやがる
俺が動揺を誘ってる事に気付いてやがるな。おまえの復讐はここまでだっつの
「じゃあおまえが俺に金払え」
「は?」
「当たり前だろ、したい方が金払うに決まってんだろ。俺達は金で合意する関係なんだから」
「ルナとおまえはそんな関係じゃ「俺の名前は?」
「ッ…」
「答えろよ。俺の名前は?…」
「し、知らん…」
「知らんならそーゆう関係だ。高校1年でそんな倫理観だったら金に困った時、夜の新宿でスマホいじって金持ったおっさんのお世話する汚い毎日になるんだぞ」
「…………」
「それがイヤなら脚を離せ…」
すぐに脚を離してくれた。それと同時に男に対する恐怖が蘇ったのか、コイツは泣き出してしまう
「や、やだ…ルナそんな汚い毎日ヤダ…」
涙がぽろぽろと頬を伝っている。これからの未来が見えて不安にでもなったか。大丈夫だ、なんとかしてやる。
「ひっく…ゔえぇぇん…えぇぇん…」
泣いてるルナをベッドから抱き上げて抱きしめる。俺を見上げる瞳はトロンとしていて、まるで恋する乙女に見えてしまう。………演技だがな
「約束通りしてやる。言い残す事はあるか?」
そう言って強く抱きしめ、受け身を取らせないように両腕を固定する。おまえは俺とじゃなくてベッドと気持ち良くなっとけ
「…この状況でルナの事投げる気かよおまえ…優しくして好感度稼いで抱けよ…」
俺の言った事まだ理解してないんかコイツ。ならもう投げるの確定だな。分かるまで何度もプロレス技掛けて分からせてやんよ
「愛がないからムリ。他に言い残す事は?」
俺が抱きしめながら言うと、ルナは顔を真上に上げて、俺の目を見つめてドス黒い感情をぶつける
「愛があればいいんだな?ならおまえを惚れさせてルナの中で毎日ぶっこ抜いてやんよ。おまえの子を孕んでやる。おまえが結婚したら隠し子が居ることをバラしておまえの人生めちゃくちゃにしてやる」
気付いてんのかおまえ、やべー事言ってんぞ。しかも瞳の中に執着と狂気が入り混じってやがる。
「じゃあおまえと結婚しよ」
「ッ!誰がおまえなんかと結婚するか!子種だけ寄越せ」
歪みに歪みやがって…おまえの人生が心配で関係断ち切れねえよ…こんなの世に放てるかっての
「うるせぇ!蛍光灯にパンツでも見てもらえやオラァァァ!」
この後めちゃくちゃバックドロップした
そして愛梨のビーフシチューは最高だった




