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12話 分からせ

 


♢♢♢



私の名前は西城乃愛


「お待たせー」


「全然待ってないよーいこー」


1年半ぶりくらいに同性の友達が出来た。

それと同時にクラスの男子とは話さなくなった。

作戦成功だ。


これからも男子とは適切な距離を保たなきゃ…私はもうあの時みたいに1人になんてなりたくない…


私は隣を歩く友人を見る。転校2日目で友人と呼べるかどうかは怪しい……けど信じたいとは思う。


今この子と居るのは名前も知らない先輩のおかげだ……感謝を伝えたいと共に、謝りたい…


気付いたら先輩の仇名はレイパーになってたし…


「ねぇねぇ!のあちゃん!コンビニのワッフル食べ行こ?今セールなんよ!」


「イイね!ふわふわの生クリーム入ったやつめっちゃ好き~」


「私はベルギーワッフル派。甘すぎないのがいいんだよね〜」


好み合わないの……しかもついでに否定も混ぜてくるなんて泣いちゃう


「お互いはんぶ『……おまえだけぇ!気持ち良くなって終わりとかふっざけんなぁああ!ルナも気持ちよくなりたいってのお!!』


「「え?」」


あまりにも大きい声に皆が校門前に目を向けた。

校舎の中の人達も、窓を開けて何があったんだって声を上げる


私も校門前を見た。そこにはあの先輩と……誰だろうあの子、見た事ない……


見た事ないけど可愛い。しかもわがままボディじゃん…


あの人…あんなに私に興味なかったのに凄い楽しそうにしてんじゃん、意味分かんないし


私と居た時あんな顔してたっけ。他の男子は私の事ほっとかないしクラスでも凄い視線を向けられるのに


しかも……


『俺が自転車置いて、まだ応援してたらパンツ脱がすからな』


あの時気づいた…


この人私の好感度稼ぐ気ないなって


今の私に興味ない男が居るなら、私がここまでぶっ壊れた意味がない………


「…ムカつく…」


「…ん?なんかいった?」


「いや、なにも?」


口に出てた?どこから…


そんな事を思っていたら、私達を通りすぎる男子達の会話が聞こえて来る。


「セッ◯スレスじゃね?金髪の子かわいそ」


「あの胸揉みしだいてんのか?ええなぁ…」


「ウチの制服着てるけどあんな子いたっけ?」


先輩…彼女居たから私に興味なかったんだ


まぁなんでもいっか。


「そろそろいこっか」


「うん、いこ」


苗字も知らない人のこと気にしてても仕方ないか。

でも謝罪はしないと…絶対に。


どうか先輩が見返りを求めない人間でありますように…ーーーもう、あんな怖い思いは嫌だから



♢♢♢



「おい着いたぞ………おい…」


「なぁに〜?ど〜したのぉ〜?」


さっきまで俺の背中に胸を押し付けてくんかくんかしてたは思えんくらいルナはメスガキモードになっていた


バレてないと思ってんのかコイツは……


「降りろ」


「降りてんじゃん?…おめめちゃんあるぅ?大丈夫ぅ?ルナしんぱーい!撫で撫でいるぅ?」


いちいち心配してくれんの優しいな….でも


「いや俺から降りろ。…セルフひっつき虫かよ…」


ルナは背中に抱きついて、俺の腰に足を絡め、両腕もガッチリと俺を抱きしめている


「勝手にひっつかれて今どんな気持ちぃ?ルナに教えて教えて〜?」


「……めっちゃ柔らかい…」


俺は正直な感想を口にした。降りろとは言ってもホントは降りて欲しくないんだよなぁ。筋トレにもなるしな


「チッ ならさっさとおっ勃てろよ雑魚が」


「……おまえも二重人格極めて来てるよな…」


「………も?」


意味のわからん部分に反応し出して巻き付く足の力が強くなる。


「痛いって…もうちょい力緩めてくれよ」


「ぷぷぷぅ!それもう降りなくていいよって言ってるし、てか早く歩いたら?ストーリー進まないじゃん」


それメタ発言じゃんって思ったけど俺は黙った。

コメディー作品じゃなかったらおまえそれアウトだぞ


「はいよ歩きます」


俺はしぶしぶ玄関のドアを開けて中に入る。

背中にひっつき虫を携えて。


「おかえり〜」


玄関で靴を脱いで、ついでにルナの靴も脱がす。

何でコイツ自然に俺んち入ってんだよ…って靴脱がしながら思った


「おまえ妹いるのー?」


今更だがコイツ高校一年なのにめちゃくちゃタメ口なことに今気付いたわ。


「あぁ…リビングまで行ったらおかえりっていつも言うんだよ。いい兄妹関係だろ?」


「うん、興味ないけど」


スンッ て音が聞こえるくらいめちゃ興味ないなコイツ


リビングの扉を開けると、既にいい匂いがした。キッチンの方からだ、ちょっとだけ覗くとビーフシチューが煮込んであった。


もう下準備してんのか。俺の妹ほんとに神だな。


「ただいま愛梨」


「早かったねざこにぃ……ってなんか背中にひっつき虫いない?」


「あぁ…これか。コレは「お邪魔します妹さん、私は一ノ瀬 瑠奈って言います。以後お見知りおきを」

 

俺からサッと離れて自分のスカートを摘み上げて優雅に挨拶するその姿はまさしく聖華女学院の生徒だった。


「こ、これはご丁寧にどうも!佐藤愛梨です!こちらこそよろしくお願いします!」


俺の妹は中学3年生だが、かなりしっかりしている。よく俺のことをバカにするとこ以外は完璧だ。


「えっと、リビングで勉強とかだったら愛梨は部屋に戻ろうか?」


「大丈夫だ、今からコイツ家まで送るから」


「ッんな!?」


家まで招いて速攻帰らせるの気持ち良すぎだろ!


部屋に入れてもらえると思ってるんるん気分だったルナ分からせるのたまんねぇ!


俺の童貞奪って復讐しにきてんのがみえみえだっての



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