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緋桜の幻想恋 ~終焉へ紡ぐ約束~  作者: 桜川 みつき
4/7

~追憶4~

緋桜の幻想恋~終焉に紡ぐ約束~

(ひおうのげんそうれん)




恐怖の目で私を見つめ瞳を見開いたまま死んでいった…。

私の愛する人達…。

たくさんの笑い声と愛に包まれたこの城の中からは…。

もうどんな音もしなくなっていた…。


夢だと思いたい出来事が、夢の中だと思いたかった現実が走馬灯のように思い出されていく。

夢から覚めたくなかった、夢であってほしいと願った。



「どうして……。私は……。」



溢れ出す涙が止まらなくて、悲鳴のような嗚咽をあげた。



私を助けようとした者も。

私を殺そうとした者達も。


私に触れた瞬間、死んでいった…。


私の血を浴びた瞬間、血を吐き苦しんで死んでいった…。



死にたかった…。

私も一緒に死んでしまいたかった…。



生きる意味なんて…。


もう何もなかった…。




足元に落ちている剣で何度も何度も自分の胸を突き刺した。

何度も何度も…。


ねぇ…私が何をしたっていうの…?


痛くて苦しくて、血がこんなにも溢れてるのになんで私の身体は死なないの!!



胸を刺したのよ!?

心臓を刺したのになぜ死なないの!?

首を切ったのよ!?

普通だったら死ぬでしょ?

どうして私死ねないの?



死んでよ!!死になさいよ!!



お願いだから!!

息をしないでよ!!


元に戻らないでよ…。




どうしてこんな思いをしてまで…。

生きていないといけないの?


死にたいのに…死ねない…。



痛いよ…。


心が痛いよ…。



あとどれだけ泣いたら…。

私は死ねるの…?



あとどれだけの人を殺したら…。

どれだけ苦しむ人達を瞳に映したら…。


この世から消えることできるの…?



もう死んでいく人の姿なんて見たくない!

もう誰も殺したくなんてない…。


お願いだから…。

誰か私を殺して…。



お願いだから…。


私を…殺してよ…。





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