~追憶4~
緋桜の幻想恋~終焉に紡ぐ約束~
(ひおうのげんそうれん)
恐怖の目で私を見つめ瞳を見開いたまま死んでいった…。
私の愛する人達…。
たくさんの笑い声と愛に包まれたこの城の中からは…。
もうどんな音もしなくなっていた…。
夢だと思いたい出来事が、夢の中だと思いたかった現実が走馬灯のように思い出されていく。
夢から覚めたくなかった、夢であってほしいと願った。
「どうして……。私は……。」
溢れ出す涙が止まらなくて、悲鳴のような嗚咽をあげた。
私を助けようとした者も。
私を殺そうとした者達も。
私に触れた瞬間、死んでいった…。
私の血を浴びた瞬間、血を吐き苦しんで死んでいった…。
死にたかった…。
私も一緒に死んでしまいたかった…。
生きる意味なんて…。
もう何もなかった…。
足元に落ちている剣で何度も何度も自分の胸を突き刺した。
何度も何度も…。
ねぇ…私が何をしたっていうの…?
痛くて苦しくて、血がこんなにも溢れてるのになんで私の身体は死なないの!!
胸を刺したのよ!?
心臓を刺したのになぜ死なないの!?
首を切ったのよ!?
普通だったら死ぬでしょ?
どうして私死ねないの?
死んでよ!!死になさいよ!!
お願いだから!!
息をしないでよ!!
元に戻らないでよ…。
どうしてこんな思いをしてまで…。
生きていないといけないの?
死にたいのに…死ねない…。
痛いよ…。
心が痛いよ…。
あとどれだけ泣いたら…。
私は死ねるの…?
あとどれだけの人を殺したら…。
どれだけ苦しむ人達を瞳に映したら…。
この世から消えることできるの…?
もう死んでいく人の姿なんて見たくない!
もう誰も殺したくなんてない…。
お願いだから…。
誰か私を殺して…。
お願いだから…。
私を…殺してよ…。