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目的地はどこだ...

休憩中、フード男は私の敵ではないということがわかった。そして何故か頑なに私が歩くことに反対し、自分がだき抱えて連れていくと説得された。しかし、流石にちょっと重さ的にも気になるので、私が歩きたいから歩くのであってなにか上の人から言われたら私のせいにすればいいと無理やり丸め込み、そんなこんなで今は一緒に訳の分からない道をテクテク歩いている。


そして歩いてみて、この場所はやはり私がここに来る前にやっていたゲームの中だと確信した。

私のやっていたゲーム『dead or alive』であるということに。

このゲームは自分の育てたキャラクターと敵が戦うというもの。死ぬか、生き残るかはその人の腕次第である。周りは森ばかりだが敵と戦う時の背景と酷似している。


しかし、どこか違うような…?


…まぁいずれ分かるか、とそれほど気にせずフード男の後にこのまま付いていくことにした。


しばらくフード男の後をついていくと、コバルトブルーの澄んだ泉が現れた。水面は光でキラキラと反射している。


「うわーこんなに綺麗な泉初めてみた…」


そういって少し近くで見るため泉に歩み寄ろうとすると、フード男はすかさず私の腕をグイっと引いた。私はフード男の胸板に顔面(特に鼻)が衝突し、激痛に襲われた。


「うおおおお痛い!」


そういいながら痛み悶える私をみてフード男はホッと胸をなで下ろした。


『この泉は神ですら恐れる泉です。近寄らない方が良いかと』


そういって足元を見るとあと1ミリで泉に落ちる手前だったようだ。落ちたらどうなっていたか…考えただけでも背中がゾクリとする。鼻は痛いがそれで済んでよかったと思った。


…そういえば一瞬ふわりと浮いたフードからフード男の顔がほんの少し見えた。

その目は泉と同じく澄んでおり、まるで宝石のようだった。そして優しい目をしていた。


私を本気で心配している目だったような…この人は悪者…?それともなにか事情が?…いや、(多分)イケメンだからなにか事情があるのだと思い込もうとしているのかも…そうだとしたら脳内お花畑だなー自分ははっ


などとアホなことを色々考えているうちに、ある立派な木にたどり着いた。この木はあのユグドラシルなのだろうか、とまた色々考えているとフード男は木の前でピタリと止まり、木にそっと手を添えた。


『……』


フード男がなにかを呟くと、辺り一面が眩しく綺麗な光に包まれた。


………

……………

…………………


『もう目を開けても大丈夫ですよ』


そう言われ目を開けると辺り一面とても綺麗な色とりどりの花がゆらゆらと揺れている。


キョロキョロと周りを見渡すと綺麗なお姉様達がわんさか、キャッキャウフフしていたり、イケメンなお兄様達が優雅に本を読んでいたり、話していたりする。


うーん…見たことあるなーこの場所、なんだっけ…ア、なんだっけ…ア、なんとかだったような…あ!わかった、ここは


「アー『ここがアースガルドです。と言っても名前だけで色々な神が主に活動している場所です。』」



……………被るのねそこ


…まぁいいやアースガルド?的なのは合ってたし…

と気を持ち直し、ふとさっき木に手を添えて言っていた言葉は行き先だったのか、と納得した。

そしていまだ!と思い、私はフード男にずっと聞きたかった質問をぶつけた。


「あの…私はなんでここにいるのですか?」


フード男は静かに目を伏せ、しばらくしてこう答えた。


『あなたが選ばれし女神であり、皆の運命を握っているからです』




………なるほど全然わからん


私はフード男に期待しないようにしようとこの時点で心に決めた。


しかしさっきから疑問なのだが何故か視線を感じる。そして何故かみなさん頭を下げて道を空けてくれるという謎の現象...。


そして女神達がひそひそと話しているので耳をすませてみると...


女神1『あの御方があの幼い頃に...』

女神2『あの勇敢な御方が帰還されたのね!…』

女神3『でも昔はもっと見め麗しいそれはとても可愛い御方でしたが少し変わられたご様子...』

女神1『まぁ!顔は関係ないわ!行動が素晴らしいのよ!』

女神2『隣を歩いているのはあの噂の御方じゃない?あの御方が女性といるの初めてみたわ〜ほんと綺麗な顔ね〜』

女神3『目の保養ね〜!あの御方が外に出られることもレアですもの!拝んどかなくちゃ!』


そう言ってキャッキャウフフと笑っていらっしゃる。


...色々な情報が得られた、が実際全く分からない。(余計なものも聞こえた)


するとフード男は私が変な顔をしていたのか、少し困った顔をして笑いながらこう言った。

『万が一のため顔を変化させる魔法をかけました。みなさんが見ているあなたは幻の顔ですのでご安心を』


...いつの間にそんな魔法かけたんだ、気づかなかった


どんな顔か気になったので見せてもらうと...


...これは確かに綺麗ではないなうん。


???『セティ!おかえりなさい〜』


『...こっちに来ないでくださいね、他の男性から殺されるので』


???『あら酷いわぁ〜まぁ乃愛が帰ってくるって聞いて来たついでにあなたにも挨拶しただけだけどね♡』


『...乃愛さん紹介いたします。こちらはナディア、昔あなたと仲良くしていた方です。』


『こんにちはー!というか久しぶり?覚えてないかもだけどまた仲良くしようね!よろしくね〜♡』


会話が早くてついていけなかったがふんわりクルクルな薄いピンクの髪をポンポン跳ねさせて会話をしている女の子はナディアという名前らしい。そして私?と仲良しだった????ようだ。


「は、初めまして。よ、よろしくお願いします?」


そう挨拶するとナディアは一瞬切ない顔をしたがすぐに笑顔でよろしくね!と言ってくれた。


ん?なんかフード男がこっちを見ている?


「...なにか顔についていますか?」


するとフード男はしばらくして悲しげな声でこう言った。


『私のことは覚えていませんか...?』



無性にお肉食べたい( ・∇・)

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