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おぉ、勇者よ。よくぞ来てくれた。

             

「魔王様、御復活おめでとうございます。」

「**…ウェリスに全軍を出撃させろ」

「承知しました。今すぐ破滅へと…」







「ほら、アスタ起きなさい!!今日であんたも16なのねえ…お母さんびっくりよ!!」

母さんは、僕に向かって大声で叫んできた。ったく、嫌な夢だなぁ…

もう一回寝ようかなぁ…

「アスタ!!ほら、早くしなさい!!」

母さんに布団を剥がされ、僕は跳ね起きた。

「母さん、僕さ!まだ16じゃないからいっちゃ

「服はこんな感じで良いかしら!うぅ…アスタあんた今までよく頑張ってきたわね…」

僕の声をかき消し母さんは泣き始めた。…もう、あんなに泣いたら<行きたくない>なんて言えないよ…

「ほら!!行くわよ!!」

僕は母さんに引きずられ僕は家を出た…





気が付くと僕はある人のお墓の前にいた。全部この人のせいで…

「ほら!ご先祖様に挨拶なさい!!!」

「分かったよ…」

僕はお墓の前で手を合わせてこう言った。

「ルーヴルさん…またあんたのせいで僕たちは命が危険に晒されるんだ…あんたが…あんたが世界なんて救うから…」

昔々、人類は二つの大きな国によって統治されていた。

一つは、僕等が住む「ウェリス」。

もう一つは、武力に秀でた「イスクス」だ。

昔は、それなりに平和だったんだ…あいつらが来るまでは…そう、魔族だ。突如として現れイスクスを滅ぼした最大の敵。

そして、僕達の先祖であるウェリスの人達は魔王討伐のためにある者たちを魔王討伐に向かわせたんだ…そして何人もの勇者が戦い、そして一人の勇者が魔王を封印することが出来た。その時の勇者が僕らの先祖であるルーヴルさんだった…

魔王が封印されて、世界に平和が戻ったはずだった。でも数年前魔王が何者かの手によって復活してしまった…国王は、一刻も早く封印するためルーヴルさんの子孫である僕の父さんに魔王討伐に向かわせた。でも、帰ってきていないということは…父さんは…

そして、次は僕の番らしい…せめて、この国で成人扱いされる16歳まで…



「僕は…あんたを許さない…旅なんて…!!」

その一言を聞いた母さんは僕に向かってどなってきた。

「何言ってるの!!ほら!行くわよ!!!」

僕はまた母さんに引きずられた。




町の人がいてぼくは母さんに言われて挨拶をした

「おはようございます。」

「ここは、クラインガルド二大王国、ウェリス城です!あ、アスタ、冒険がんばりなさいよ!!」

町の人は笑顔で僕に答えた。

「あらお母さん!!アスタ君旅にでるのね!!」

「えぇそうなのよ!!ほら、アスタ!私はここで話してるから早く行ってきなさい!!」

「えぇ…わ、分かったよ…」

僕は行く気なんてさらさら無かったけど取り敢えず、城に向かった。

壺がある…何かあるかも!

「おいしょ…えい!!」

僕は思い切って壺を投げ割った。

・しかし何も見つからなかった

「コォラァ!!!!アスタァア!!お前また壺を!!」

あ…この壺ここの家のものだった…

「ご、ごめんなさいいいいい!!」

僕は全力疾走で逃げて行った。



…。着いた。そうだ、一応門番の人にはなしておかないと…

「あの~…」

「ここは国王の城である!謁見であれば、専用の紙をもって来るがよい!」

・国王の命で来たと言う

・もう一度聞く

僕は、国王に呼び出されたんだったんだよね?

→国王の命で来たと言う

「いや、あの僕国王に呼ばれたんですけど…」

「そうだったのか!すまない、門を開けよう!!」

すると門があいて奥に城の扉があった。

僕は、国王のところに向かった。




「おぉ、勇者よ。今日でお前も16歳。そろそろ討伐の旅に出る時!!その前に南の洞窟に向かい試験に合格するのだ!」

・自分は16歳ではないと答える

・はい、向かいますと答える

僕は、まだ16じゃないし…そう言ったらもしかしたらまだ大丈夫かも!!

→自分は16歳ではないと答える

「王様!まだ僕は、16歳ではありません!!」

「勇者、なにを寝ぼけている?分かった、試練は無しにしよう!向かってくれるな、勇者よ」

・はい

・いいえ

誰も信じてくれない…どうして…第一、僕が行ってしまうと数秒で死んじゃうよ…

→いいえ

「すいません、王様。僕は行けません…」

「まあまあ、勇者そんなことは言わずに…行ってくれるな?」

・はい

・いいえ

→いいえ

「だからですね、僕はまだ行っちゃいけないのですよ!」

「王様!!!大変です!魔王軍が南の関所を破り攻めて参ったとの報告が!!」

兵士が血相を変え報告していた。

「ほ、本当か!勇者よ!!急ぎ着替えこの危機を救ってくれ!!」

<勇者の剣、勇者の盾、勇者の鎧を手に入れた>

「で、ですが王様!!」

僕が反論しようとすると、大臣の人が

「早くしろアスタ!!!おい!使用人!この者に鎧を着せろ!!」

「承知しました!!ささっ!急いで!!」

僕は使用人さんと共に着替えた。

「あれ?剣が…ない?」

僕が振り向くと、大臣が王様に剣を刺していた。

「ちぃもうこんな時間か!!」

大臣は剣を離し後ろへ下がった。

「王様ッ!!!」

僕は、急いで剣を抜いた。

「勇者よ…必ず…魔王を…倒して…くれ…!!」

「…僕は…どうしたら…」

涙を拭いて、僕は周りを見る。周りには、剣を構えた兵士たちがいた。

「アスタだ!勇者ともあろう者が裏切ったのだ!!」

「大臣…貴方が…!」

僕は、王様の遺体を置き周りを見る。

これじゃ…僕が死んじゃう…どうしよう…

「ちょっと待って下さい!!」

奥のほうから、女の人が走ってきた。

その女の人は、二十歳くらいで背は170cmくらいだろうか…少なくとも僕よりは五㎝以上大きい…それに、あの武器…ハンマー?

「あ、貴女は?」

「この子、ちっさいわね~…本当に勇者…?あ!!えっとその話はあとで!!今は、目の前のことに集中して!!」

僕は注意を聞き兵士たちを見る。

「貴様!貴様も、反逆罪で捕まりたいのか!!!」

「何よ!!この大馬鹿大臣!!ホントはあんたが殺したくせに!!」

「大馬鹿…?今、私のことを大馬鹿と言ったのか!?」

「そーよ、大馬鹿!!さ、勇者さん早く逃げて!!私は大丈夫だから!!」

「そ、それでも貴女を置いてなんて…」

「いいから!!!あ、そうそう私の名前はアロンザ!死ななかったらまたどこかで会う…よね!!」

「あ…ぼ、僕は…」

僕は、後退りをして逃げようとした。

「なぁーにビビってんだ、情けねぇ女の子の前で…そんなんじゃ彼女も出来ねぇぞ!」

真後ろから声がした。僕は振り返った

「あれ…?誰もいない?」

多分、現実逃避だろう…

「なにぼさっとしてんの!!早く逃げて!」

「う、うん…」

僕はまた逃げようとした。でもまたあの声がした。

「おい、お前はまたそうやって諦めんのか?俺はおまえに逃げろっていったか?」

「もう…いいんだ…僕は…もう…」

「おい、アスタ。」

明らかにさっきとは違う気配がして、僕は振り返った。

そこには、少し透けた足のない無精髭を生やした男の人の姿があった。

「だ…誰ですか…?」

「ったく…勇者にしてやるために先祖自ら昨日から憑りついてやってんのに気づかねぇからちょっと本気出して出てくるしか無かったなんてな…がっかりだぜ…」

「え、ちょ、ん?どど、どういう事ですか!?もしかして…ルーヴルさん!?」

僕は混乱しすぎていて倒れそうになった。先祖が憑りつく?まったく理由がわからなかった。

「おい!言っておくが俺の名前ははルーヴルじゃねぇ!!!ルヴナンだ!!ずっと間違えて…折角のイケメンな名前が台無しだ…まぁ、その話はあとだ!!とりあえず、あの美人さんを助けなきゃな?」

「で、でも僕には…」

するとルヴナンはため息をつきこういった

「体を貸せ!!」

「はい!…ってほえぇ!?!?な、何言ってんですか!!」

「あぁ~もういいから!!俺が入るだけだ!!」

そういうと本当にルヴナンさんは僕の体に入った。その直後、僕の意識…は無くならなかった。詳しく言えば、僕の意識とは裏腹に動いていたんだ。

「よっしゃ!!ここからは、俺の時間だ!!行くぜ!!」

ルヴナンさんは、笑って敵のほうへ向かった。

「ちょっと、勇者さん!逃げなさいよ!!」

アロンザさんは、びっくりして止めに入ろうとしたけど、ルヴナンの前では木の枝同然で止められなかった…それどころか、ルヴナンさんはアロンザさんにウインクをしていた。

「お嬢ちゃん、俺を見くびんじゃねぇぞ。これでも元勇者だ!!」

ルヴナンはそう叫ぶと剣を抜き特攻した。

「あの勇者は何もできん!!殺せ!!早くしろ!!って…何故だ!?貴様は弱いはずだろう!!!」

「そんな…勇者さん、貴方強すぎるわよ…あの数を一瞬だなんて…」

ルヴナンさんは、一瞬で敵を倒していた。

「いっ…一旦退くぞ!!残っているものは私について来い!!」

そうして、大臣たちは逃げて行った。


「これで…良いか。」

そうつぶやくとルヴナンさんは僕の体から離れた。僕は、ルヴナンさんの動きに耐えられず離れた瞬間にしゃがみ込んでしまった。

「勇者さん、大丈夫!?」

アロンザさんがそう呼びかけていると、ルヴナンさんが呟いた。

(アスタ、よく俺が動いていたとはいえよく耐えたな!!)

「ゆ、勇者さんあんた何でそんなに強いのよ!!」

「ご、ごめん…僕にも分からないよ…」

(二人とも、俺の話は後だ。今は姫様を助けねぇと…)

(ルヴナンさん、どういう事!?)

(姫様は今この城の地下牢に捕えられてんだ…早く助けねえと…)

「どうしたの勇者さん!!」

「あ、アロンザさん…姫様が地下牢に捕えられているらしい…」

するとアロンザさんは暫く考えてこう言った

「私裏道を知っているの!!ついてきて!!」





「貴方たちなぜこのような事をするのです!!答えなさい!!」

「教えるわけねえだろ!!」

「くっ…このような事をして許されると思っているの!!」

「姫様といえど、一人じゃ何も怖くねえな!!!ふはははははは!!」

勇者様…私…絶対に負けませんから!!勇者様がきっと白馬にのって助けてくれる…!!









「えっと、次はどっちだっけ!?」

僕が悩むと僕の影からルヴナンさんが出てきた。

「次は右だ!ちんたらしてっと間に合わねえぞ!!仕方ねぇ…俺が行ってやるよ!!」

そう言うとルヴナンさんはぼくに憑依した。やっぱり、まだ慣れないなぁ…




「地下水道から、走っていけば姫様を助けられるわ!!てことで、勇者さんよろしく!!」

アロンザさんは僕にそう言った。

(良かったなアスタ、活躍の時だ!!!あわよくば、お姫様とお付き合いだ!)

(ルヴナンさん!!そういう話じゃないですよ!!)

「どうして僕一人で!!」

するとアロンザさんはため息をして答えた。

「はぁ…あんたさぁ、それでも男!?普通こういう時は王子様がお姫様を助けるのよ!!!」

「え、と…アロンザさん?」

何ともメルヘンチックな事を言われ、僕は困惑状態だった。

「って、姫様が言ってたわ」

アロンザさんは、呆れたように答えた。

(おい、アスタ。そういう事だ…俺達男の出番だぜ…)

ルヴナンさんは何故か燃えていた。

「わ、分かったよう…えっとじゃ、道を教えてくれない?」

「分かった!!私は囮になるから、任せといて!まずこの道を…」





一分くらいで地下牢にたどり着いた。僕の体でも中々走ることができるんだなぁ…

(おい、アスタ。姫様ってのはもしかしてあれの事か…?)

急にルヴナンさんは僕の心に話しかけてきた。僕は、前を見るとそこには敵に教えを説いている僕と同じくらいの大きさのドレス姿の女の子がいた。

(ルヴナンさん何言っているんですか…?あんなに、何と言うか凄かったら助けなんて求めないですって!)

(と、取り敢えず…スマートに、且つ大胆に助けるぞ?)

(どっちを助けるんですかルヴナンさん!!)

(戦況によって変える!!)

そういうと、ルヴナンさんは僕の体で姫様のほうに向かった。

「な、まさかあなたは…!!!」

僕達の姿を見て、姫様は人が変わったかのように豹変した。

「お初にお目にかかります、お姫様助けに参りました。アスタと申します」

(ちょっと、ルヴナンさん!!!)

(大丈夫だ、上手くこなすって!それにこの娘中々べっぴんさんじゃねえか!!)

「あわぁぁ勇者様。いえ、アスタ様!助けていただき有難う御座います!!それと…是非私の事はエレノアとお呼びください!」

姫様は笑顔で答えた。

「さ…て、こいつ等を何とかしますか!」

「お待ちください、アスタ様!!」

「凍れ!!氷系魔法!!!」

エレノアさんがそう言ったときには、敵は凍っていた。

「くっ…お前の名前は!!」​

(ルヴナンさん!!適当に偽名を!!)

ルヴナンさんはニヤッと笑うとこう答えた。

「俺の名前はアスタだ!!魔王をぶっ倒し、世界を救う男だ!!魔王に言っとけ、お前なんて、ワンパンでノックアウトだ!!ってな!」

(ルヴナンさん、遂にやってしまいましたね…も、もうだめだ…)

(これくらいのほうが格好いいんだよ!)

「勇者様。」

後ろから明らかに怒っている声がした。後ろを見るとエレノアさんが腕を組み僕をにらんでいた。

「ひ、姫様?どうしたってんだ?」

「何故、手を出したのです。」

エレノアさんはもの凄く怒っていた。

「何でって…可愛い女の子が困ってたら誰でも助け

「もう少しで分かり合える筈だったのに!!いくら勇者様でも!」

「へ?いや、敵だから…その…」

ルヴナンさんは驚いていた。

(おいアスタ。)

(なんですか?あの姫様頑固ですね…頑張って!)

(後は任せた)

気が付くと、ルヴナンさんは憑依を解いていた。

(ちょっとルヴナンさん!!)

(…)

(無視しないで下さいよ!!)

「アスタ様…確かに私も悪かったかもしれません。ですがそんなむやみに戦いなんて…アスタ様?」

僕はその場に倒れていた。

(おい、アスタ何してんだ…早く何とかしろ!!あの手の女はあやまりゃ何とかなる!)

(ルヴナンさん、僕もそうしたいのはやまやまなんだけど…さ)

(?どうした?もしかして…ちびったのか!?)

(いや…そうじゃなくて…)

「アスタ様??大丈夫ですか…?」

「あの…なんか急すぎて…びっくりして…腰が…抜けちゃったんだ…」

(はっはっは!!!お前そんなのマジで言ってんのか!?)

「アスタ様…?何のご冗談ですか…?」

僕の一言を聞いてエレノアさんは顔をしかめた。勿論だろう…僕自身、自分の発言に軽く引いている。

「その、だから…手を貸してください…」

「え!?あ、は、はい!」

エレノアさんは快く右手を差し出してくれた。

(王子と姫の役割が逆になっているぞ、アスタ。)

(うぅ、分かってるって…)

「さ、逃げましょう!!」

「あ、そうだね!逃げないと!!」

僕達は、急いでアロンザのところに走って行った。




「着いた…」

(まて、アスタ!アロンザが誰かと話しているぞ?)

(本当だ、少しささがっていた方が良さそうだね)

「エレノアさん、少し待って下さい…」

「どうして?すぐそこよ?」

エレノアさんは、首をかしげて僕に尋ねた。

「よく耳を澄ましてください…話し声がします…」

エレノアさんは、耳を澄ました。

「本当ですね!!えーっと、何だろう…」

僕等が盗み聞きしようとした時、部屋の扉が吹き飛んだ。その、吹き飛んだ扉と共にアロンザも吹き飛ばされた。

「アロンザ、大丈夫なのですか!!こういう時は王子様のキスで何とかなります!!」

「エレノア姫だ…いい加減妄想辞めないと…ね?」

(アスタ、これはまずいぞ…どうする!?)

(ぼ、僕は…)

「ネズミが…2匹か…ん?お前勇者か!!」

二つの斧を持った筋肉隆々の男の人は僕にそう言った

(ねぇ!!ルヴナンさん!!や、や、やられる!!)

(大丈夫だって!!兎に角、今はこの最悪的な状況を打破するしか無さそうだぞ…)

「お前、面白いな!俺と戦え!!!お前をぶっ倒してぇ…!」

ど、どうしよう…

・戦う

・逃げる

お、こんなの無理じゃないか!!うまくルヴナンさんの力を使って!!

→逃げる

(ルヴナンさん、この人多分強い…だから、死ぬ前に逃げないと…!!)

(アスタ、お前のいう事にゃ賛成しがたいが、その選択には賛成だ…体を貸せ…うまく逃げるためにちょっくら戦う!!)

「さぁ、心は固まったか!?」

その男は、僕に斧を向けてきた。

「女の子を傷つけるとどうなるか、教えてやるぜ!!!」

(ルヴナンさん打ち合わせと違うじゃないか!!)

「ふん…面白い、やってみろ!!!」

男は、僕に向かって斧を投げてきた。

僕は、剣でその斧を弾いた。

「アスタ様!!逃げましょう!!アロンザの傷は塞ぐことが出来ました!!」

「エレノア、悪いがそれは無理そうだ…奴さんが逃げさせるつもりなんて無いらしい…」

「ふっ…いいなぁ!!戦いってのはやめれねぇ、さぁいくぜ!!!」

鍔迫り合いになって気づいた事がある…あの人はまだ本気を出してないのだろう…

(ルヴナンさん!あの人…凄く強そうですよ!?だ、大丈夫なんですか!?)

(ん?あぁ、問題ねぇ…一発妨害系の魔法で壁を作って足止めしてトンズラさせてもらうつもりだ!)

(ルヴナンさん、それで本当に上手くいきますかね?)

「うぉぉぉぉぉぉぉ!!!!いっけぇ俺のトマホーク!!!!」

その人は、二つの斧を左右に投げてきた。

「これは、やべぇ!!!!回転斬りだぁ!!!」

そう言うとルヴナンさんは回転斬りをした。

「おぉ!!良いぞ良いぞ!!もっと見せてくれ!!!」

「んじゃ見せてやるよ!!輝け!視覚妨害魔法!!!」

なるほど…フラッシュバンの様なもので視覚を奪ったんだ!!

「よし!!二人とも逃げるぞ!!ついて来い!!!」

「俺の名はぁ!!サシム!!サシムだ!!またやろうぜ!!はっは!!」

サシムがそう言うと奥から声がした。

「ここらに居る筈だ!!探せ!!探せ!!」

「まずい、大臣だよ!!アスタ、姫様!!穴開けたから逃げよう!」

アロンザさんが、壁にあいた穴を指さした。

「そうですね!!アスタ様!!」

(アスタ…わりぃ限界が来たみたいだ…)

(嘘…でしょ?)

僕は、気を失っていた。





「…ッ!…ここは…」

目が覚めると、森の中にいた。

「ここまで来れば、大丈夫ですね…」

エレノアさんは薪をくべ、焚き火をした。

「有難う、姫。私は何もできなくて済まない…」

アロンザさんは、傷の手当をしながらそう言った。

「…みな…さん…」

(アスタ、お前エレノアが運んでくれてたらしいぞ)

(僕は…)

「アスタ様!!大丈夫ですか!!」

エレノアさんは僕に心配そうに言った。

「アスタ…あんた大丈夫か…?」

アロンザさんも血相を変えて言ってきた。

「僕は…もう冒険したくありません…」

(おい!!お前よくこの空気で言えたな!!)

「アスタ様、すいません!」

エレノアさんは僕の頬を叩いた。

「ッ…」

(これは、完全にお前が悪いぞ…女の子に手を出すのも出させるのも、最悪なんだよ…!!)

「アスタ、あんたが行きたくないなら行かなきゃいいさ。」

「僕は…!!!」

僕は、訳も分からず走ってしまった。

(おい!!馬鹿!!戻れ!!)

「エレノア様、どうすんの?」

「私は…アスタ様を信じます…!」





「ぼ、僕は…どうしたら良いっていうんだ…」

僕が木の下で泣いているとルヴナンさんが影から出てきてこう言った

「俺が憑いても死なねぇってことはだな…お前には十二分に素質があるってことだ。解るか?」

僕は小さく頷いた。

「お前は今は弱ぇだけだ。きっと強くなる。なんせ俺の子孫だからな!だから…いつまでも泣いてねぇで帰るぞ?」

「…はい」

僕は、立ち上がった。すると、

「グルルルルル…」

と唸る声が聞こえた。周りを見渡すと人狼(ウェアウルフ)が大勢いた。ウェアウルフは僕を食べる準備が出来ているようだ。

「さーて、アスタ、早速訓練だ!!行くぞ!!」

「また…また戦いだなんてぇ~!!!」




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