若葉学園バレー部ですっ!
「だよな!?そうだよな!・・・俺もさっき行ったんだけど、どこにも見当たらないんだ、ボール。」
徹が、息せき切って話した。
「うそでしょ!?・・・みんな、部室探してみよう。」
私は、女バレのみんなに指示を出した。
昨日は、部活が休みだった。始業式で、椅子や机が用意されていたからだ。
「一昨日ボール片付けたの、誰だった?」
そうだ。これがわからないことには、始まらない。私は女バレのみんなをみわたす。
「私・・・だよ。体育準備室にかごごとおいたよ、ちゃんと。」
チームメイトの香澄が、おずおずとてをあげて、そう言った。
そっか・・・部室へと続く通路を歩きながら
考える。どうしてボールは準備室にないの?
必死に考えるけど、わからない。まずはボールをみつけないと。
「はあーーーっ。みつかんねぇーー」
疲れきった男子の声が響く。
あの後学校中を探し回ったけど、結局みつからなかった。男バレ女バレのみんなも、信じられないって顔。・・・もうすぐ、大会なのに。
「・・・遥、どう思う?このこと。」
副主将の広瀬遥に、聞いてみる。頭がいいし、何かわかるかもしれない。
「あ・・・いや。ごめん、全然わかんないや。」
・・・少し、目が泳いてる。ま、こんなことがれば誰でも動揺するか。そうおもって、ふと視線を上げると、徹とそのチームメイトであり親友の、花巻颯真が遥を凝視していた。
その顔が、とても怖い。何か、あったの・・・?でも、2人はすぐに普通の顔に戻ると、
颯真が言った。
「今日はもう下校時間だし・・・。先生にどやされる前に帰るか。」
「じ、じゃあ、女バレ聞いてー!ボールは明日探すね!でも、みつからないことも考えてボールが家にある人は持ってきてね!」
私は、この忌々し謎を頭から振り払って、叫んだ。
若葉学園女子バレー部は、創部4年目の新設部。最近では、男子インターハイ出場、女子県ベスト4入りの快挙を果たした。まあ、私達現3年生で試合に出た人は少ないけどね・・・。ちなみに、顧問はいない。まだまだ部としての歴史も浅いし、なにより先生達の中にバレー経験者がいないんだ。コーチは雇ってもらってるんだけど、土日しか来ない。
ちなみに、女バレ3年生7人私、遥、汐音、香澄、推奈、琉奈、亜美は、レギュラーメンバーに入った。6人制バレーで、なんで7人?って思うかもしれないけど、リベロの琉奈は後衛でしか戦えないから、ある一定の人と交代しながら試合することになる。だから、7人は必要なんだ。
私達は小学高の少年団チームから一緒で、チームワークはバッチリ。こんなに嬉しいことはない。男子のレギュラーも、少年団チームで一緒だった、徹、圭、颯真、貴広、衛輔、航一、裕翔がレギュラーらしい。つまり、男女3年14人は小学校からの、仲がいい幼なじみ。その中でも、私と徹は幼稚園から一緒なんだ。
そんな、若葉学園バレー部だけど、学校には極力目をつけられたくない。というのも、私達の学校は部で何か問題が起こると部活停止という制度がある。問題の大きさによって期間は決まるけど、バレー部は新設部というのもあって廃部にされる確率が高い。だから、今日の事件、先生の耳に入れるわけにはいかないんだ。
「お疲れ様でーす。」「さようならー」
後輩達が、挨拶して帰っていく。
私も、今日はさっさと帰るか・・・。いつもなら遥達と寄り道しながら帰るんだけど、そんな気分にはなれない。
「薫乃、ちょっといいか?」
鞄をもって、部室を出ると、颯真が立っていた。
「話したいことがあるからさ一緒帰ろ。」
そう言う颯真の目は、いつになく真剣だった。私と颯真の家は隣同士。小学校1年生のときに、颯真が引っ越してきた。だから、家につくまでずっと、たくさん話をすることがてきる。
薄暗くなり始めた道を、一緒に歩いて5分。
ようやく颯真が話し出した。
「・・・遥のことなんだけどさ。あいつ、今日のことで何か隠してると思わないか?」
え?もしかして、遥を疑ってるの?
「別に、疑ってるわけじゃないんだ。ボール探してるとき一言もしゃべんなかったし、俺らが城西高校の話をしてたら、急に挙動不審になってさ・・・」
そっか・・・。小学校からの大親友、遥を疑うことはしたくない。でも・・・・・・
遥は何か関係している。




