綺麗な星空
20日の夜のお話。
今日の仕事が終わり、夏で長くなった太陽もとっくにくれた頃。
俺と秋原さんは町役場を一緒に出た。
「うわっ。まだ全然暑いですね」
「夏ですからね」
「…秋原さん、暑くないんですか?」
「暑いですよ。なんでですか?」
「いや、俺なんか…」
「…確かに汗だくですね」
「まぁ昔っから汗っかきではあったんですけど、最近は暑くて暑くて」
「更年期じゃないですか?」
「違います。きっと今年の夏が暑すぎるからです」
「はいはい。暑いですもんねー」
「それに比べて、秋原さんてば、全然汗かいてないじゃないですか」
「そんなことないですよ。すごい暑いです。女性がすごい汗かいてるのってなんか嫌じゃないですか。そーゆーところはちゃんと対策してるんです」
「へー。例えば?」
「それは女性の秘密です」
「ふーん」
「自分から聞いておいてなんなんですか。興味あるのかないのかどっちなんですか」
「んー…雑談かな? あっ…」
「…ん? おー。綺麗ですね」
「空がきれいだと、平和だなーって思いません?」
「急にロマンチックなこと言ってどうしたんですか?」
「それはひどいと思います。でもこうやって仕事して、帰り道に綺麗な星空を見れて、また明日を迎えられる。これほど平和を感じる瞬間はないと思うんですけどね」
「それは私も思います。平和というか日常の素晴らしさというか幸せというか」
「秋原さんだって十分ロマンチックなこと言ってるじゃないですか」
「そーゆー日だってあるんです」
「この町の町長としてこうやって幸せなり平和なりを感じられるっていうのは、みんなのおかげだと思ってるんですよ。だからこれからもよろしくお願いします」
「いえいえ。こちらこそよろしくお願いします」
「というわけで、蕎麦でも食べていきましょうか。おごりますよ」
「いいですね。ご馳走になります」
「では行きましょうか」
「はい」
いい最終回だった。
でもまだ続きます。ごめんなさい。




