8 サブテーマについて語る語る
※ 今回は自作語りがメインです。興味のない方はスルーしてください。
「緑の冠」でサブテーマとして設定していたのは、まず「父子関係」。
そのために3組の親子を登場させています。
ユージンとクリスという、和解する(疑似)父子。
トーマスと彼の父は、過去の不和を乗り越えて、現在では互いに独立した個人として相手を認め合いつつある父子。
ユージンとその父レットは、永遠に和解することも理解し合うこともないだろう父子。
親子関係で悩んでるお悩み相談なんかで、(立場という意味の)子どもであるところの相談者に「あなたがまず親御さんを許さなければいけません」とか言ってるアドバイザーがいたりしますけれども、私自身はそうは思いません。許せるなら許せばいいし、許せなければ無理して許さなくてもいいのです。まともなカウンセラーならそう言ってくれるんでしょうけどね。
次にクリスと母親エレンの「母子関係」。
ずいぶん一方的にエレンを悪者に書いてしまいましたが、彼女は無知な部分もあったりしていろんなことを諦めていた人で、実際はそれほど酷くもない母親です。子どもを殺したり、放置や暴力で死に至らしめたりしてるわけじゃないですし、クリスもなんだかんだ言って母親のことは好きでした。
母親にももちろん悪い部分はあったのですが、精神的に少々早熟なクリスは反抗期まっさかりということもあり、「正しくない母親」であるエレンを認められない部分が大きかったというところでしょうか。
そもそも「正しい母親」というのが、所詮子どもの幻想なんですけどね。
母親のことを好きなんだけど、それを認められない――そのことを十分に表現できていたとは思えません。ここは改善すべきポイントだと反省しています。
その次に、お互いのことを大切に思っているのに、どこかすれ違っている人たち。
自分では家族になれないからと、ユージンに家族を望むトーマス。
トーマスを家族だと言いながらも、他人だから実際は家族ではないし、どんなに大事に思っていても友人にすぎない彼が、自分の家族を作るためにいつか自分の元から去ってしまうことを淋しく思いつつも、そうなったほうが幸せだからとそれを望むユージン。
ユージンよりトーマスのほうが単純なので、ユージンが彼に直接「君のことは家族だと思っている」って言ってしまえばそれでまとまる話なのに、ユージンはトーマスの父親とも仲が良いこともあって、実際の家族を差し置いてそんなことおこがましくって言えない。
あるいはこの二人、恋愛的にくっついちゃったほうがよかったのかもしれませんが、それも理由あって無理。
ユージンとトーマスのそれぞれの望みはクリスによって補完されるわけです。
クリスが男の子だったら、真のハッピーエンドは訪れないということで、やはりクリスは女の子でなければいけないのです。
※「緑の冠」の改稿にあたってアドバイスなどありましたら、遠慮なくお聞かせください。参考にさせていただきます。