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7 テーマについて、もう一度考えてみよう(2)

 最初に思いついた十五年前のネタと今回出来上がった「緑の冠」の間には大きな違いがあります。

 それはテーマです。

 十五年前は「親子(特に父子)関係」がテーマでした。

 それも重要なテーマの一つなのですが、今回は、「人はひとりで生きているのではない」ということが一番のテーマになりました。

 私の場合は構想時と執筆時でテーマが違っているだけで、執筆時のテーマで書き上げましたが、何年間にも渡って長い物語を書いていると、作者の中でテーマも変わってくることがあるかもしれません。

 しかし、同一の物語では、そこはブレないほうがよいことは間違いないでしょう。

 逆の考え方をするなら、数年がかりになる作品を書くならば、ブレないものをテーマにもってくる必要もあるのではないでしょうか。


 「テーマを読者にどう伝えるか」についても、迷うところです。

 直球でわかりやすく訴える方法もあれば、わかるかわからないかのさりげなさでテーマが描かれている作品もあります。どちらがより優れているというわけではありませんし、テーマなんだから是が非でもわかってもらわなければならないかというと、そういうわけでもないと私は思うのです。

 年齢や経験によってわかることもあればわからないこともあります。そのときはわからなくても何年も経って「あの話はこういうことだったんだ」とわかることもあり、そういう体験もまた、読み手にとっては貴重なものです。

 ただ、読者に理解されなくとも、作者の中でだけはテーマは確固としてあるべきです。テーマのない作品、テーマが作中でころころ変わる作品は、話がブレるからです。

 例えば土の上を歩く動物も、軸である背骨がなければまっすぐ歩くことはできません。

 テーマは物語の軸です。軸のない、あるいは歪んだ物語ならば、読者のもとへ届けることは難しくなるでしょう。


 ところで、「テーマは一つであるべきだ」という話もあります。

 それによるならば、「親子関係もテーマの一つ」という私の言い方はおかしいことになります。

 確かに一番のテーマは何なのかは一つに絞るべきであるし、そこから話をぶれさせるべきではありませんが、順位を落としたものをサブテーマとして設定することは、話に奥行きを出すためにも良いと私は思います。

 ただし、短編ではこれをやると盛り込みきれずに却って散漫になるので、メインテーマを1つ、サブテーマがあったとしても1つくらいに抑えたほうがよいのではないでしょうか。


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