6 テーマについて、もう一度考えてみよう(1)
「緑の冠」は、十五年ほど前に元ネタができました。当時考えていたSFのシリーズものの、スピンオフという形で、本編の主人公は、作中にちらっと出て来るカラアゲ好きの童顔探偵でした。
設定は作ったものの、本編のネタを考えつかないうちに年月が過ぎ、古くに作った話のため多分に中二病的要素を含んでいて、一生書くことはないだろうなあと思っていたところ、空想科学祭2008に参加させていただくことになりました。
読むほうとしてはSF好きでも、ホラーばかり書いていた私にとって、SFは処女地です。
考証のしっかりしたSFは、付け焼き刃の知識では到底無理。他の方はまともにSFを書く方ばかりだろう。となると、他の人とは違う切り口でいくしかありません。
ならば、「ハートウォーミングなホームドラマ」で攻めてやろうじゃないの!
ということで昔のネタであるところの「緑の冠」を引っ張り出してきましたが、結局間に合わず、2008年は得意のホラー・テイストのサイバーSF短編「リアルライフ」をアップしました。
こちらもいろいろと悔いが残る作品なので、そのうちに改稿をと思っています。
「緑の冠」も一応途中まで書きかけていたので諦めきれずにいたところ、空想科学祭2009を開催するとのことで、そちらに投稿するつもりで続きを書きました。
結局、2009年の締切にも間に合わず、選外扱いになったのですがね。スケジュールを甘く見積もったゆえの自業自得です。
なにしろ参加作品数の多かった空想科学祭2009。
ちゃんと締切を守った作品は読まれますし、たくさんのレビューもつきますが、破って選外になった作品はレビューどころか読まれもしません。「緑の冠」も例外ではありませんでした。
そんな中でも読んで下さり、感想までくださった方々には、いくら感謝しても足りないくらいです。
この場を借りて、お礼申しあげます。