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第38話 ――境界が揺れる階層

二十八階層。


階段を降りた瞬間、空気が――変わった。


草原は、まだある。

だが、地面の一部が黒く焼け、別の場所では石が露出している。


「……混ざってる」

「うん。フィールドが、安定してない」


恒一は、足元を確かめるように歩いた。

刀は、静かだ。


だが――

“待っている”感覚がある。


新しい敵


現れた魔物は、これまでより明確に異質だった。


二足歩行。

上半身は人型。

下半身は獣。


うろこ。

爪。

そして――

複数の牙。


「……判断、早い」

「見て。間合い、測ってる」


敵は、突っ込んでこない。


周囲を、回る。


「……連携前提」

「うん。単体でも、十分強い」


ひよりは、詠唱を始める。


だが――

魔物が、先に動いた。


地面を蹴り、恒一へ。


「……っ!」


恒一は、半歩だけ下がる。


避けきれない。


だが――

刀が、自然に角度を変えた。


衝突。


刃は、魔物の体表をなぞるだけ。


「……浅い?」


次の瞬間。

魔物の動きが、止まった。


「……中、やられてる」

「内部崩壊、拡張してる」


倒れる。

素材は、壊れていない。


三体同時


だが――

次は、違った。


三体。


間合いを分け、役割を分担。


「……完全に、狩り」

「私が、一体止める」


ひよりの魔術が、一体を拘束。


残り二体。

恒一は、深く踏み込む。


速くない。


だが――読みが、合っている。


一体を斬り、もう一体の攻撃を防具で受け、そのまま――体勢を崩させる。


刀が、震える。


「……これ」


刃が、魔物の動きに先回りする。


結果――

三体、ほぼ同時に沈黙。


三十階層前

二十九階層。


魔物は、出てこなかった。


代わりに――

“音”。


遠くで、何かが動く。


「……階層、作り替えてる」

「うん。三十、節目だね」


表示。


《階層構造:再構築中》

《挑戦者適応度:高》


「……評価、されてる」

「嬉しくは、ないけど」


三十階層

地形は、完全に変わった。

草原は、消え。


代わりに――

石と土の混合地帯。


柱のような岩。

視界は、悪い。


「……遮蔽、多い」

「奇襲、来る」


来た。

壁から、飛び出す魔物。


牙。

爪。

角。


だが――

恒一は、動じなかった。


「……今までより、見える」


刀が、導く。

ひよりの魔術が、正確に支援する。

戦闘は、長引いた。


だが――

押し切られない。


最後の魔物が、倒れた。


表示

《三十階層:踏破》

《次段階:解放準備中》


「……区切り、だね」

「うん」


二人は、腰を下ろした。


外の世界

管理課。


「……三十、突破」

「二名で?」

「はい」


「……もう、私有扱いでは済まないな」

「……どうします?」

「準Sとして、観測指定」


名前が、付けられた。


《和歌山私有ダンジョン ――準S級候補》


静かな決意


地下。


「……ねえ、お兄」

「ん?」


「この先、もっと来る」

「分かってる」


「……それでも?」

「二人なら」


ひよりは、小さく笑った。


「うん。それなら」


階段は、まだ続いている。


だが――

二人は、確かに進んでいた。

この話では、

・28~30階層の連続攻略

・フィールド混成と再構築

・魔物の高度化と役割分担

・刀の「先読み」特性の進化

・自宅ダンジョンが準S級候補として認識される転換点

を描きました。

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