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第35話 ――ちょうどいい、という難題

地下工房は、久しぶりに完全封鎖された。


「……今回は、軽く作らない」

「うん」


ひよりは、素材を一つひとつ並べる。


うろこ。

牙。

角。

爪。

高純度魔核。


そして――

これまで使ってきた、お兄の刀。


「……相性は悪くない。

 でも、お兄の振りに“追いついてない”」


「言い方、容赦ないな」

「事実だから」


恒一は、苦笑した。


だが――

否定できない。


反応速度が低い代わりに、読みと位置取りで戦う。


それに、今の刀は少し“素直すぎた”。


最初の失敗


ひよりは、魔術陣を展開する。


今回は――

複合錬金。


刀身。

柄。

魔核循環路。


「……行くよ」


火が、立ち上る。


だが――

次の瞬間。


「……っ!」


刀身にひび。


魔力の流れが、合っていない。


「……魔核、出力過多」

「俺のせい?」

「半分。でも、設計も甘かった」


ひよりは、即座に中断。


刀は、崩れた。


「……ごめん」

「いい。最初から一発成功する方が怖い」


防具側も、失敗


次は、恒一用の防具。


軽量。

可動性重視。

だが――

うろこ素材を活かす。


「……これで、斬撃耐性は上がる」


完成――

しかけた、その時。


《装備条件未達》


表示が、浮かぶ。


「……?」

「……あ」


ひよりは、舌打ちした。


「お兄、VIT足りない」

「……だろうな」


防御力が、装備者を拒否している。


「……じゃあ、私が?」

「いや」


恒一は、首を振った。


「これは――俺用だ」

「でも」

「なら、俺が合わせる」


レベル振り直し


恒一は、ステータス画面を開く。


STR。

AGI。

INT。

LUC。


そして――

VIT。


「……今まで、避ける前提だった」

「うん」


「でも、この先はそれだけじゃ足りない」


ポイントを、VITへ。


数値が、上がる。


表示が、変わる。


《装備条件:達成》


「……通った」

「やっと」


ひよりは、息を吐いた。


二度目の刀


再挑戦。


今度は――

魔核を、分割使用。


主核。

補助核。


刀身に、直接流さない。


「……お兄の戦い方、“溜め”がある」

「うん」


「だから、瞬間出力じゃなくて、持続型」


炎が、穏やかに燃える。


刀身が、静かに形を取る。


今回は――

音が、違った。


「……鳴かない」

「うん。馴染んでる」


完成。


刀は、派手じゃない。


だが――

持った瞬間、軽い。


「……」

「どう?」


恒一は、一振り。


空気が、遅れて割れた。


「……ああ」

「?」

「ちょうどいい」


ひよりの装備


「……次、 私」


ひよりは、自分用の防具を作り始めた。


魔術補助。

集中維持。

暴発防止。


だが――

一度、魔力が逆流。


「……っ」


腕を、押さえる。


「やめろ」

「……大丈夫」


二度目は、成功。


軽装。

だが――

魔力循環が、異常に安定している。


「……これで、長時間戦える」

「無理するなよ」

「お兄ほどじゃない」


試し切り


二人は、低層へ。


うろこ魔物。


恒一の刀が、触れた瞬間――

抵抗が、消えた。


「……斬れてる」

「魔力、中でほどいてる」


ひよりの魔術も、安定。


詠唱が、短くなっている。


「……成功だね」

「うん」


だが――

完璧じゃない。


「……まだ、改良できる」

「もちろん」


二人は、笑った。

この話では、

・錬金の失敗と原因分析

・装備条件という制約

・ステータス振り直しの意味

・「派手さより相性」を重視した装備完成

・二人の戦い方の違いと噛み合い

を描きました。

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