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第28話 ――五十階層の向こう側

四十六階層。


夜明け前のような、淡い光が草原を照らしていた。


「……明るくなってきた?」

「うん。でも油断できない」


風が、一定ではない。


草が、不規則に揺れる。


「……射線、読みにくい」

「つまり――」


ひよりが、魔術陣を展開。


「敵も、同じ」


最初の敵は、混成大隊。


アーチャー六

メイジ三

鱗・角・爪の近接四

キング一


「……完全に、軍隊だな」

「指示、速い」


矢が、雨のように来る。


だが――

恒一は、走った。


新しい刀は、“伸びない”。


だが――

届く距離だけ、確実。


一体。

二体。


草を、音なく切る。


ひよりの魔術が、空間を区切る。


「……キング、孤立した」

「行く」


断。


四十七階層。


敵は、減らない。


だが――

質が上がる。


アーチャーが、風を読む。


メイジが、詠唱を重ねる。


「……頭、使ってきてる」

「うれしいね」


恒一は、疲労を感じながらも、笑った。


「……やっと、対等だ」


四十八階層。


上位キング二体。


指示が、ぶつかる。


群れが、一瞬迷う。


「……分裂」

「そこ!」


ひよりが、魔力攪乱を叩き込む。


恒一が、分断された側を――刈る。


残ったキングは、判断が遅れた。


断。


四十九階層。


草原が、途切れる。


中央に、円形の石壇。


「……最終だね」

「うん」


空気が、重い。


出現したのは――


草原王フィールド・キング


巨大。

鱗、角、爪。

弓と魔術、

両立。


「……一体で、全部」

「役割、集約型」


戦闘は、長かった。


距離を取られ、削られ。


それでも――

装備が、二人を支えた。


最後。


ひよりが、魔力を“絞る”。


恒一が、一歩。


風を、読む。


「――今だ」


刃が、夜明けを裂く。


断。


五十階層。


階段は、そこにあった。


先は――見えない。


管理課端末が、即座に反応する。


《到達階層:50》

《評価:Aランク相当》

《特記事項:兄妹連携・自宅ダンジョン保有》


「……A、来たな」

「うん」


二人は、静かに息を吐いた。


「……怖い?」

「少し」


ひよりは、正直だった。


「でも――」

「うん」


「行ける」

「行けるな」


地下の階段。


五十階層の先は、まだ闇。


だが、

もう――

逃げる理由はなかった。

草原フィールド編、ここで一区切りです。


この話では、

・46~50階層の突破

・群れ戦の完成形

・Aランク到達

・主人公たち自身の「自覚」

を描きました。

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