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第27話 ――夜の草原は、音で殺す

四十一階層。


階段を下りた瞬間、光が落ちた。


昼ではない。

だが完全な闇でもない。


月に似た、淡い光源。


「……夜だ」

「視界、半分以下」


草原は、昼よりも厄介だった。


草が、音を隠す。


最初に聞こえたのは、弓弦の音。


「――伏せ!」


矢が、頭上を掠める。


「……位置、高い」

「アーチャー、三体以上」


恒一は、動かない。


新しい刀を、抜く。


「……届くか」

「届く」


ひよりの声に、迷いはなかった。


恒一は、草を踏み込む。


音を、殺す。


矢が、再び飛ぶ。


だが――

風が、軌道を歪めた。


「……風、効いてる」


恒一は、一気に距離を詰める。


刃に、魔力を流す。


短距離射程拡張。


草の上を、刃が“滑る”。


「――そこだ」


一体、沈黙。


二体目が、慌てて退く。


だが――

遅い。


断。


四十二階層。


魔物構成が、変わる。


アーチャー(夜間適応)

メイジ(暗視補助)

鱗持ち近接


「……視界、向こうが有利」

「だから――」


ひよりが、魔術陣を展開。


反響遮断。


音が、消える。


魔物同士の連携が、途切れる。


「……来た」


恒一は、近接を引き受ける。


鱗に、刃が弾かれ――


だが、止まらない。


二撃目。

関節。

断。


四十三階層。


夜風が、強くなる。


草が、波打つ。


「……これ、嫌な予感」

「うん。キング、来る」


予想通り。


夜間型キング。


指示は、声ではない。


――魔力波。


「……音、関係ない」

「じゃあ、“見る”のを、止める」


ひよりが、魔術を切り替える。


魔力攪乱。


波が、乱れる。


キングの動きが、一瞬止まる。


「今!」


恒一が、踏み込む。


刀が、夜風を切る。


断。


四十四階層。


連戦。


疲労が、溜まる。


だが――

装備が、助けていた。


無駄な重さが、ない。


魔力の消費も、最小限。


「……持つ」

「想定通り」


四十五階層。


小高い丘。

夜の草原。

複合編成・大規模。


「……数、多い」

「でも――」


ひよりは、冷静だった。


「分かる?」

「……うん」


昼より、夜の方が――戦いやすい。


「音、消せる」

「視界、奪える」


連携。


ひよりが、場を支配。


恒一が、刈る。


草原に、音が戻った時。


魔物は、いなかった。


帰還。


管理課の表示。


《到達階層:45》

《夜間フィールド適応:優》


職員が、小さく笑った。


「……このペース、珍しいですね」

「兄妹ですから」


夜。

自宅。


恒一は、刀を鞘に納めた。


「……いい武器だ」

「知ってる」


ひよりは、少し誇らしげだった。


「次は?」

「五十まで、一気に行く」


地下の階段。


夜の草原が、待っていた。

この話では、

・新装備の実戦検証

・夜間草原フィールド

・音・視界・魔力波への対応

・兄妹の連携完成度

を描きました。

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