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第24話 ――群れは、意思を持つ

三十一階層に足を踏み入れた瞬間、恒一は直感した。


――これは、今までと違う。


石畳は同じ。

天井も変わらない。


だが、静かすぎた。


「……気配、薄い」

「うん。待ち伏せ型だね」


次の瞬間。


――矢。


石畳に突き刺さる。


「右上!」


ゴブリン・アーチャー。

しかも――二体。


「……数、増えてる」

「役割分担、はっきりしてる」


前に出るのは、牙持ちの近接。


後方に、メイジ。


さらにその後ろ。

高台に――


「……キング」

「来たね」


三十一階層。

初の“編成戦”。


「ひより、後衛」

「了解」


恒一は、迷わず前に出た。


刀が、牙持ちの爪を受け流す。


――重い。


「……防御、鱗付き」


一撃では、斬れない。


だが――

斬り“続けられる”。


体勢を崩し、首元へ。


断。


後ろで、詠唱が止まる。


「メイジ、一体処理」


ひよりの魔術が、詠唱そのものを破壊する。


だが。


「……来る」


キングが、一歩前に出た。


その瞬間、アーチャーの射線が変わる。


「……連携、見えてる」


三十二階層。


敵は、同じ構成。


だが――

数が増えた。


「五体編成……」

「休ませる気、ないね」


戦闘は、長引いた。


恒一の刀は、確実に魔物を落とす。


だが、体力が削れる。


「……ポーション」

「投げる」


空間から、飛び出す瓶。


思考した速度そのまま。


受け取り、即座に飲む。


「……この仕様、ほんと便利」

「ちゃんと教習、受けた成果だね」


三十三階層。

異変。


石畳が、ところどころ欠けている。


「……地形、変わり始めた」

「草原前兆だね」


敵の構成も、変わる。


鱗持ちが前。

その後ろに、爪。


さらに――

メイジ二体。


「……詠唱、重ねてくる」

「一気に行く」


恒一は、踏み込んだ。


魔力を、刀身に流す。


一閃。


鱗ごと、斬り裂く。


「……通った」

「素材の質、上がってる」


三十四階層。


キングが、二体。


「……冗談だろ」

「撤退も視野――」


だが、恒一は首を振った。


「いける」

「……分かった」


集中。


ひよりが、魔力を一点に。


キングの指示が、一瞬遅れる。


その隙。


「――今!」


二体同時、首を落とす。


沈黙。


三十五階層。


広い。


石畳の終わり。

土が、混じり始めている。


「……次、来るね」

「うん。草原」


帰還。


管理課の端末に、表示が出る。


《到達階層:35》

《評価:Cランク上位安定》


職員が、小さく息をのんだ。


「……次から、フィールド型になります」

「分かってます」


帰り道。


恒一は、刀を見た。


「……この先、また作り直しかな」

「ううん」


ひよりは、首を振る。


「これは、“土台”」

「……土台?」

「次は――“拡張”」


兄は、少し笑った。


「頼む」

「任せて」


地下の階段。


草の匂いが、

かすかに上がってきていた。

ここで物語は、

・群れ戦の本格化

・アーチャー/メイジ/キングの戦術的進化

・主人公兄妹が「対応できる側」に回ったこと

・草原フィールド移行直前

まで進みました。

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