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第一話 とりあえず強い奴来い!!

 とりあえずなんか危なくはなさそうなところなんだが…

 言葉ってわかるのだろうか…?


「あら、旅人さん?」


 よかった、言葉はわかるようだ…

 俺に話しかけてきたのは、優しそうなオバちゃんだった。


「ああ、そうだよ」

「こんなに小さいのに旅人なんて…」


 小さい?

 あの骸骨がくれた身体って、そんなに幼いのか!?


「…もしよかったら、わたしのおうちに来る?」

「あ、うん!」


 とりあえず幼い子っぽく話してみた。白々しい演技だが、わりと悪くはないらしい。

 

「まあ! かわいいわねぇ。さあ、こっちよ。いらっしゃい!」


 オバちゃんは気さくに俺を案内する。途中ですれ違った大人たちは俺に優しく接してくれた。

 優しい…

 オバちゃんはひとつの小さな家の前で立ち止まると、扉を開ける。


「いらっしゃい、ぼうや」

「…うん!」


 ぼうや、なんて呼ばれたのは初めてだ。なかなか新鮮だなあ…


「中へお入り」


 オバちゃんが手招きして俺を家の中へ招き入れてくれた。俺はとりあえず案内されるままオバちゃんについていくことにした。


「ここに座って。わたしは、マーヤ。貴方の名前は?」

「ぼ、僕は…」


 どうしよう。そのまま「瀬暁斗だ」とか言ったらなんか浮きそうだよな…


「…僕は、アキト」

「アキト君、よろしくね」


 俺は、こうしてマーヤの家の居候となった。

 村のことは、マーヤが教えてくれたから割と理解することができた。


 この村の名前はドラゴフォースと言うらしい。こんな辺鄙な村なくせして名前は厨二臭いのかよ!!

 マーヤはこの村で医者をしている。魔法で病気やら怪我やらを治療していると村の人たちから聞いた。


 ゆっくりと眠りにつこうとしていたとき、外から大きな声がした。


「助けて!! 裏山からドラゴンが!!」


 ありきたりすぎるだろう! というかなんで裏山からドラゴンなんかが出てくるんだよ!! もしかしてこの村の「ドラゴフォース」ってここから来てるのか!?

 …どうでもいい考察はさておき、骸骨がくれたあの力の使い時ってもんなんじゃねえか!?

 俺は家を飛び出し、声のする方へと向かった。思ったより家から遠いところだった。


「助けて!!」


 そう叫んでいたのはポニーテールを左に寄せて結った軽装の少女だった。冒険者、だろうか。


「助けて!! ドラゴンなんか、出るって思ってなかったの!!」

「僕が…!」

「貴方みたいな小さな子が行ったって無駄死にするだけよ! 下がりなさい!」

「大丈夫だから! 僕に、任せて!」


 といったものの、どうしようか。スキルの発動方法なんか知らないし…

 やってみないと始まらない! どうせ、いつかはこのスキルを使うときが来る。俺は、なんとなくで、やってみた。


「えっと… とりあえず、強いやつ、来い!!」


 そういった瞬間、急に雑音が俺の耳に聞こえてくる。

 なんといっても、うるさい!! 本当に、うるさい!! 耳障りとは、まさにこのこと!!


 だが、雑音もそれほど長くは続かなかった。音が止んだ瞬間、俺の意思で身体が動かなくなった。


――僕は原初の魔族であり色欲の悪魔、ラスト。契約に応じて、参上したよ。命令を…ちょうだい

 契約…! あのスキルが使えたって、ことか? というかこいつ、色欲の悪魔とか言ってなかったか!?

 と、とりあえずあのクソでかいドラゴンを倒してくれ!

――貴方の身体を頂いて、僕は貴方の命令に従おう。少し、身体を借りるよ

 ああ。

キャラ紹介・用語説明、あとがき


【瀬暁斗】

ハヤセ アキト

階段で足を踏み外して死んだ一般的な高校生。

骸骨からスキルを授かり、異世界へと転生した。


【理神ミレイ】

本名 ミレイ=レジスト

女神。めちゃくちゃロリ(スラっとした感じが)で、かわいい。


【マーヤ】

オバちゃん。優しい。


【冒険者? の女の子】

うん、かわいい。ちょっとキリっとした目つき、ポニーテールを後ろで結ったらショートカットに見えるような髪の毛が特徴。



—―あとがき

すんませんマジで!! いつ投稿するのか書いてませんでした!!

マジ、すんません!!

ラスト君、お前にかかっているよ。この話の行く末は!! お願いだから暴れないでくれ!!

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