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お毛け話・第三話・アルファポリス

「陰毛ビジネスよりももうちょっとまともに収益上げた方が良くない?」

 VIO脱毛行かずにこれからは、なけなしの毛根に鞭打ってVIOに育毛剤塗り込もうかなぁ・・・陰毛ビジネスで何とか生活やりくりできないものか・・・と考え始めていた私のところへ、昔の友達が声を掛けてくれた。

もうずっと前からも、

「小説家になろうも良いけど、他のサイトでお金が稼げるとこもあるんだよ・・・」

「ちょっとずつでも収入になっていったらその方が良いんじゃないんかなぁ?」

「登録も簡単だよ」

「苦手なら手伝うよ」

とかって言ってくれていた優しい友人の言葉がジワジワ、ジワジワとありがたくやっとこさ最近になって脳内に染み込んできたのである。

 彼女は、ちょろっと前に通っていた創作教室、心斎橋大学と言うところで出来たサボり仲間である。いや彼女はあまりサボっていなかった。私だけがサボっていた・・・

小説家や脚本家に成りたい人達が集まる心斎橋大学は入学金が10万円くらいで、自分には大金だったから入学したての最初のうちは一生懸命に通ってたけど、夜の仕事の方が楽しくなってきた時期と(この授業って本当に今の自分に必要かなぁ・・・この授業聞いてる時間使えば自分なりに拙くても書いてる方を先に進められるのになぁぁ)などと悩ましい雑念で授業に集中できなくなってきていた時期が重なり、最後の方は私はほぼ行かずに尻切れトンボで終わってしまった半年間コースの大学である。

まだ顔を出していた最初の頃も、授業の途中で夜のアルバイトの時間に間に合わなくなるのでソッと教室の後ろのドアから抜け出す事が多かった私。まだコロナの最後の時期で、皆マスクを付けてたから電車で隣り合って座ってても声を掛けられるまでは全然誰だか分からなかった。

「あの~、今日はどこまで進みましたかね?」

「えっ?」

アルバイトへ急ぐ電車の中、急に知らない人に声を掛けてこられ、私は縮こまって相手のマスクの上の目をジッと見た。

「創作クラスが一緒の松原です」

「ああ、創作教室の・・・」多分マスクをして無くても分からなかったに違いない。他の受講生の顔なんてこっちは見てないから。

「今日はどこまで進みましたか・・・?」

「うーん・・・どこまでだったかなぁぁ・・・」私はメトロの座席の上でリュックからノートを出し松原さんに見せた。

「わぁ!偉いですねぇ!!ちゃんとノートを取って・・・」

「入学金の分モトを取ろうとしてるだけ・・・がめついだけですよ」私はニヤと誘い笑い。松原さんもニヤと釣られて笑ってくれたのが、目尻の笑い皺で分かった。

 彼女は親の介護をしていて受講の時間に遅くなり、途中から教室に入るのが心苦しいと思って、心斎橋大学のビルのエントランスまでは来ていたのにそこでモジモジして過ごしていたのだ。入れないならばパッと諦めて帰れば良いのだけれど、それもできなかったのは、次の時までの家でやってくる課題だけでも聞いて置かないとここからどんどん自分一人だけ授業から取り残されてしまう・・・と恐れたためらしい。

「授業が終わって学生の人達が駅へ帰り始めたら、誰かに今日の内容のこと聞いてみようかなって思って、それで下で待ってたんです」と松原さん。「後を尾るようなことしてすみません・・・」

真面目で臆病な人柄なのかも知れない、と第一印象では思った。

「いえいえ!大丈夫ですよ( ^o^)ノ」

「梅田にお住まいなんですか?」

「はい。でも、今からはアルバイトに行きます」

「あらそう?私も梅田に住んでるの。電車がいつも一緒だったから・・・」

「そうやったんですか?気付かなかった・・・」

彼女との出会いはこんな感じ。

以来、大学には行かなくなっても小説の進み具合とかでたまに連絡し合う仲となった。付き合ってみると彼女はオドオドした態度の割に顔が広く、私も色んな小説書き仲間達に紹介して貰ってランチやお茶などご一緒したこともあった。他の人の書いてるものをじっくり読んだことはあまり無かったが、それでもみんな同じ夢を追いかける熟年世代。その中では私は少し年が若い方だったので、「あんたが一番これからもあるんだから仕事と両立して頑張りなさいよ、しんどいだろうけど」と一番可愛がられ励まして貰えた。

天満の商店街裏に住んでる人のマンションへお邪魔してお茶会をしようと言うときには、張り切りすぎて早く家を出過ぎ、天神橋筋商店街をウロウロほっつき歩き、掘り出し物みたいなお茶菓子を購入、それでも時間が余って、商店街の古本屋で立ち読みして時間を潰してたら、お茶会メンバーの別の人もそこに居た。後で分かったことだけれど、その古本屋は結構みんなよく行くらしい。

(お茶会の始まる前、他の人達はデパートの紙袋からデパ地下の輝かしい高級お菓子を取り出してテーブルへ次々に並べるので、皺クチャの使い回しコンビニビニール袋から銘柄もそこら辺のスーパーにいくらでも売ってるようなお菓子を同じ台に乗せるのが恥ずかしくて、私は言い訳を必死に口にしながら「今度からはデパ地下で買ってきますね・・・」数ばっかり多いカステラみたいなのを出してきた冷や汗ものの覚えがある・・・「良いって良いって気を遣わなくて!」「充分充分!」とみんな一生懸命に取りなしてくれたけど・・・)


 先日、お客様との同伴でそんな想い出のある天神橋筋商店街へお呼ばれした。時間よりも少し早めに行って、あの古本屋さんを覗いてみようと思った。するとお茶飲み仲間の一人と再会する事ができたのである!(出会えると良いな、そんな偶然あるかなぁ、まさかなぁ、でも出会えると良いなぁぁ・・・)そんな淡い期待を胸に、失望しないようにあまり期待しすぎないようにして、古本を物色・・・すると神様は若葉っちの日頃の行いをちゃぁんと見てくれていたらしく、

「あっ!園田さん!!」

「あっ!!若葉ちゃん!!」

「うわぁあああああああ!!!!」熱い抱擁。

「連絡付かなくて松原さんもどうしたんかって凄い心配されてはったんよぉお~!!」

「ごめんなさい~!!例の熟女キャバクラで年末にやらかして急アルなって・・・」

「急アルて何?」

「急性アルコール中毒のことです」

「ええぇ・・・(^_^;)・・・あんたまだそれでもそこで働いてんの?」

「そうです、働いてます。そこしか無くて私には。こんなんでもまだあの職場でだけはクビになってないから・・・(^_^;)」

「・・・(~o~)・・・ほんで?LINEはどうなってんの?電話も通じんて言うてたで、松原さん・・・」

「そうなんですよぉお!その急アルで運ばれたときに人生一新する気で、携帯捨ててもーたんです」

「アタマおかしなってたんやね・・・」

「まさにそうなんですよぉお!」

「あんたまたほんで痩せたんと違う?ご飯食べにおいで!今から!うちもこの近所やさかい!」私の腕に温かい手をかけ引っ張って連れて行ってくれようとする園田さん。どんなにか、お客さんを放っぽらかしといて園田さんに付いて行きたかったことか・・・!!しかし、そんなことばっかやっていたんでは本当に仕事をクビになってしまいます。

「あっ、いや、私これからこの近所でご飯することになってるんです、お客さんと・・・」

「あそう」パッと手を離す園田さん。「同伴言うやつ?」

「うん。でも、会えてめっちゃ嬉しい!また会いたいし、自分から番号とばしちゃってて失礼を承知なんですが、またLINE交換して貰えませんか?」

「しよしよ!LINE交換」

「ありがとうございます!」

ピロン♪

「行った?」

「来ました!記念にツーショット写真良いですか?」

「写真?嫌やぁ、お化粧もっとちゃんとしとけば良かった・・・」そう言いながらピースを出してカメラにバッチリ目線合わせてる園田さん。

「はい撮りまーす」カシャ♪

「後で送ります」

「もう行く?頑張ってね~!松原さんにも若葉ちゃんと会ったって言うとくわ」

「言うといて下さい!ありがとうございます!行ってきます~!」

「何食べるん?」

「さぁ、焼き鳥言うてたかな?」

「ええなぁ!いっぱい食べさしてもろて来!」

「ありがとうございます~!」


 こうしてコロナやら急アルやらで一時は途絶えた縁も、また繋ぎ直せば懐かしく人の輪は修復されより強固に戻っていくものですなぁぁ。

そして前々から松原さんには言われていた事だったんですが、彼女のオススメ無料小説投稿サイトはアルファポリスだそうなのです。良く顔を合わせていた時期には、顔を合わせるたび彼女は私に言うので(「アルファポリスにも投稿しときなさいよ~お金になるから~」って・・・)何だかいつでも頼めば教えてくれそうな気がして「そのうちします~今はとりあえず一箇所、始めたサイトの小説家になろうに書きまくるばっかりでエエかなぁ~」と言ってたのですが、会えなくなってる間に自分の中でもあのアドバイスのありがたみが身に染みてきていたんですかねぇ・・・(^_^;)♡

オススメして貰えてるうちに教えて貰ってやっとけば良かったかなぁぁって。

(-_-;)・・・

 それで、LINEが再開してからすぐにこっちから頼んだのです。

「やっぱり前に教えてくれてたサイトにも書いてみようかな、アクアポリス?」

「アルファポリスね(^_^;)ええよ、うちおいで。登録のやり方教えてあげるから」

そんなこんなで、"お城”の608号室?の話、一話だけやけど登録して貰いましたよ~( ^o^)ノ☆★

ここで言うのもナンですが・・・(^^;)・・・まぁ良いかぁ・・・( ^o^)ノ★☆


 前まではずっと、

「一箇所でだけ頑張って、そこで見てる偉い人の目に留まって、見初めて貰って出版に漕ぎ着けさして貰いたいんです、それにはあんまりアッチコッチへ浮気しない方が良いと思うんです」と言う妄想持論でアルファポリスへの誘いをお断りしておったんですが、浮気もクソもそもそも『小説家になろう』サイトと私、付き合ってるわけでもないんやしなぁぁ・・・と改めてこの頃気付きました・・・(^_^;)

そんなよく分からん自分で作り上げた妄想ルールに縛られず、あっちこっち人が読んでくれそうなとこへバンバン露出していって誰でも良い、どこでも良いから、ヒョイと何かに引っかかって上へ通して貰って出版される本の一部分にでも載りたい。

そんなこんなで頑張っております。

 アルファポリスに一作ショートショートを投稿してから一晩、二百何十何ポイントがもう付いたらしい!嬉しい~~~~(*^O^*)!!スコアとかポイントとかあってややこしいけど、スコアだかポイントだかのどっちかは楽天とかコンビニで使えるそうです!現実味(*^_^*)♡


 でも、念のためにまだVIO脱毛には行っておりません(~o~)笑

育毛剤もまだ塗ってはいないけれども・・・モーコン根絶やしにしてしまうのは今じゃ無い、時期尚早だぞ、と心の奥底の不安を司る主が訴えておる・・・

生活の方も生きるか死ぬかなんでね!!笑( ^o^)ノ

下の毛ごときで生き延びられる道が開けるならば、誰にだって売り渡しましょうぞ!どうでも良いケケごとき(゜Д゜)!!

誰か買ってくれ~い(*^▽^*)♡ パトロン様~(^∧^)、オ、ネ、ガ、イ。♡

みぃ先生がいつの日かノーベル文学賞受賞大作家先生になった後には泥臭く這いずった時代の記念すべきプレミアが付くかもよ(*^O^*)♡





おしまい!


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