表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
AI Dole  作者: 紫雲院
1/2

If you want to be happy, be.

 インターネットは日本という島国に限っては私の承認欲求を満足させるのには十分な場所であった。

 ある程度声が良くて、ある程度喋りができれば色々な人たちがちやほやしてくれる。あまつさえ、お金までくれる人がいる。まるでそれを自分自身で嘲っているように聞こえるかもしれないけれど、私はそれでよかった。リアルは充実していなくても、ネットの中では「アイドル」でいられた。それがどれだけ幸せな事か、私は理解しているつもりだった。

 私は私の事を、ネットの中だけでも応援してくれたり、好きでいてくれる人たちが大好きだった。現実は、痛くて辛くて、良い事なんてものはそうそうない。ネットにいられれば私はずっと、幸せでいられる。好きな事だけをして生きていられる。一生困らないくらいにはこの世界でお金を貯めて、その後は慎ましく生きる。そのはずだった。

 ホールの照明は眩しすぎて目の前にいる群衆の顔は先頭列ですら鮮明でない。まあ、たとえ照明がなかったとしても多すぎる人の一人一人を認識する事なんてできたものじゃない。ライブチャットに流れる文字と、PN、アイコンを記憶の中で一致させるのは意外と容易いものなのに、人の顔とはこうもテンプレートにテンプレートをはっ着けたような個性のないものに仕上がるのだろう。遠目からじゃ何が何だかわかりやしない。わかる必要は――ない、のだけど。

 大きすぎる歓声はもはや凶器であり、私の五感はもはや二つも潰れてしまった。ああ――頭がくらくらする。決して昨日、新作のゲームを夜中までやり込んだとか、撮り溜めたアニメを消化したとか、そういう事ではない。それならば幾分慣れたものだというのに。

 ふと、視界に二つの影が落ちる。

 優しく私の手を握り、鳴り響く歓声の中ですら鮮明に聞こえる玲瓏な声で、二つの声は言った。


「――情けないのね、ヨルハ。私の人形として相応しく踊りなさいよ?でなければ今夜は寝かさないわ」

「――大丈夫。ヨルハがどれだけ失敗しても私が守ってあげるから。だから一緒に頑張ろう?」


 ああ――嗚呼――。

 私をリアルに。虚実を現実に落とす声がする。なんだって私は、ネットのアイドルが現実に降りてきてしまったのか。出来損ないの私はこの悪魔と天使のような二人に笑顔でこう、言うしかない。


「無理そう」


 ――と。

はじめまして、紫雲院と申します。

AI Doleを読んでいただき、誠にありがとうございます。

連載などを始めてみて、最初に言うことではないのですけども。わたくし、筆が遅いんですよ。

話を纏めるのが遅い!(パァンッ)

お前はとにかく話を纏めるのが遅い!判断も遅い!

ということなので、もし手にとって(?)気になる、気に入る、などしてくれたかたは気長にお待ちいただけると幸いです。頑張って書くぞ!


紫雲院でした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ