006 プロローグ…夫婦で異世界に来てしまった その6
身体に携帯電話入れた事ないけど、大丈夫かな?誰か入れたことある人に聞いてみたいんですけど。
浮気がバレそうになって折りたたみ型のガラケーを飲み込んだ人のレントゲン写真をテレビのビックリ番組かなにかで見た事がある。ああいう感じかな?でもあれは胃に入ってるか!
現状はぼくのお腹の中で携帯とドラゴンの魔石が触れ合っている感触がある。これを何かしら接続してやればいいのか?
ぼくは残った意識をフルに集中させてふたつを構築、精製した。
本当にこれでいいのか?分かんないけど、行け!!
"身体の崩壊が停止しました。呼吸による魔素の供給を開始しました。安定しました"
なんだか少しずつ頭痛が治まってきた。もう腕や鼻からの出血も止まっている。でも左腕はボロボロに溶け落ち、肉片となって地面に落ちているのに気付いて悲しくなった。
もう本来のぼくの身体が殆ど無いんじゃないの?
突然身体の中が熱くなった。身体の中というかドラゴンの魔石が熱い。でも苦しさや辛さはなく、どちらかというと興奮しているというか活力が満ちてきているという感じだ。
やったのか?上手くいったのか?
なんだかどんどん力が湧いてきている感触があるぞ。
ぼくは命が繋がったのを予感した。
良かった、本当に良かった。
新婚3ヶ月で異世界に送り込まれてドラゴンに襲われて奥さんとお腹の子供を置き去りにして路頭に迷わすなんて、夫としてというか人としてというか、絶対あってはならない事だもの。間違いなく生命保険は支払われないだろうし、元の世界に戻れるかどうかも分からない。
ここでの生活はおろか移動もままならない上に身重な既婚女性を放置って、ありえない。
さっきステータスから異世界転移っていうアナウンスがあったから、間違い無くここはぼく達が知らない世界な訳で、そんな所で生きていくのはシビアなはず。
彼女と産まれてくる子供は何があってもぼくが守るんだ。
あ、そういえば奥さんは何処?
振り返ると先程と変わらない所に彼女は寝ていた。気を失っているだけのようだが心配だな。ぼくのスキルを使えばなんとかなるかも知れない。
でもまずは自分の身体が本当に大丈夫かを確認しないと始まらないな。よし、とりあえずステータスを確認しよう。もうばっちり何も無いはずだ。きっと。
"名前:ヒーロ
種族:改造人間
位階:16
生命力:18/1600
精神力:♾
体力:256
知力:46
敏捷:124
器用:61
気力:564
魔力: 辟。髯仙、ァ
状態:四肢一部欠損
技能:職工5MAX、建築5MAX、物質分解5MAX、構築5MAX、精製5MAX、薬学5MAX、解体術5MAX、調理5MAX、契約術5MAX、交渉術5MAX、隠密行動5MAX、集団行動5MAX、並列化5MAX、浄化5MAX、気配察知5MAX、遠見5MAX、狩猟5MAX、農耕5MAX、水泳5MAX、騎乗5MAX、御者5MAX、文字言語理解5MAX、鑑定5MAX
受動技能:回復力上昇、回復量上昇、不屈、不食、肉体強化、肉体硬化、四属性耐性、恐怖耐性、圧縮収納、瞬歩、神速、異世界の知識
称号:異世界転移者、改造人間、異世界技能工、技能熟達者、家族を愛する者"
や、やめろーーー!!
次のお話から妻目線です。