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011 異世界で住む所を作ろう! その1

 やばい、人間じゃなくなった。


 今ぼくの身体は赤黒いトカゲのような皮膚で覆われている。ドラゴン製なんだけどどうみてもトカゲ。見方によってはカッコイイと思うけど、かなりモンスター寄りだろう。手元に鏡がないから自分の顔は見てないが、多分以前の顔付きとはかけ離れていると思う。まぁ焦げたり破裂したり忙しいですからね。


 身体中が金属とドラゴン製強化繊維で包まれ、体内に赤い不思議な石を持ってる奴を人間と呼ぶかと聞けば、呼ばないと答えるだろう。


 てかあの有名なバッタ怪人とまるかぶりじゃん!エネルギーが風力か魔力かの違いくらいな物じゃん!いやいや最近のは魔力にも似た摩訶不思議エナジーでよろしくやってる奴もいるぞ!魔法使いもいたな。でも昔の改造人間達は悪い奴に改造され組織を裏切って戦い、結果人間に戻れるわけじゃないんだよなぁ。

 ぼくとおんなじじゃん!


 これは見た目をなんとかしないといけない。とりあえず車に付いてるミラーで自分の姿を見てみよう。


 顔を見てみる。


 ううう、やっぱり。目は真っ赤に染まって大きく膨らみ肌はボロボロで真っ黒、鼻と耳はもう無かった。口は大きく裂けててこりゃもうバケモノだわ。


 今奥さんに目を覚まされたら……


 ぐお!まずい!どげんかせんといかん!


 とりあえずスキルを見てなんか無いかと思いステータス確認しようとしたら、視界の左下に緑の点滅が付いていた。


 どうやら何か新しい情報が入ったらステータスさんが知らせようとして緑点滅を出しているようだ。


 "特別な種族に変異しました。能力値や技能を現在の身体に最適化します。"


 しますって、選択肢ないんかい!


 またも身体が熱くなってきた。もうこれ以上ヒューマンから離れるのは勘弁願いたいんですけどね。


 皮膚の接続部や内蔵の配置、筋肉の状態などに微妙な修正がかかり、砕けていた左手も右手を基準に精製されていた。なんだか両手の指先が鋭く尖り、よりダークファンタジーっぽさが出てる。


 足も胴体も継ぎ接ぎ感がなくなり、ちょっとスマートにはなった。鏡で顔を見てみたら、ボロボロが治ってて丸みが付いて、赤い目玉の黒い髑髏みたい。まさに悪者だな!


 充分人間から離れていってますわ。


 はぁ、ステータスは〜


 "職工、建築、物質分解、構築、精製、薬学、解体術が融合、錬金術となります。

 隠密行動、集団行動、並列化、気配察知、遠見が融合、忍術となります。


 名前:ヒーロ

 種族:改造人間

 位階:16

 生命力:18/1600

 精神力:∞

 体力:256

 知力:46

 敏捷:124

 器用:61

 気力:564

 魔力:-

 状態:正常


 技能:錬金術5MAX、忍術5MAX、調理5MAX、契約術5MAX、交渉術5MAX、浄化5MAX、狩猟5MAX、農耕5MAX、水泳5MAX、騎乗5MAX、御者5MAX、文字言語理解5MAX、鑑定5MAX

 受動技能:回復力上昇、回復量上昇、不屈、肉体強化、肉体硬化、四属性耐性、恐怖耐性、圧縮収納、瞬歩、神速、異世界の知識

 称号:異世界転移者、改造人間、異世界技能工、技能熟達者、家族を愛する者"


 もういいですわ。ちょっと位階が上がってるし。特に戦ったりレベルアップする為の行動を取ったつもりもないし、多分ドラゴンと車体から取った素材の分パワーアップしたものと想像する。いずれ検証の必要ありだなこりゃ。


 今はこの姿を出来るだけ以前の状態に戻さないと。そして奥さんを助けてこの場から離れたい。


 出来れば家に帰りたい…


 とりあえず見た目を取り繕おう。自分を錬金して見た目を変えてみるかな。


 ぼくは赤黒くゴツゴツした自分の腕を錬金術で元の姿に再構築してみる。ぼぉっと光って以前のような肌色の腕になった。何とかなりそうかな?


 と思ったら腕に赤黒いシミが浮かび、みるみる拡がって元通りのデビルハンドに戻った。誰がデビルハンドやねん!


 うーんさすが回復力上昇や肉体強化、不屈スキル。パッシブなのがまた腹立つわ。もうこの姿の方がデフォルトで以前の姿に偽装するしかないってことだ。


 それならここにある素材を使って身体の表面に貼り付けて偽装してみよう。あるものはドラゴンと…足元にあるぼくの左腕の肉片。


 ま、自分の身体だから大事に使うとしよう。ドラゴンの鱗と肉片を混ぜたら日持ちするかもしれないな。ぼくは鱗を取ろうとドラゴンの頭部を見た。口の下は細かくて滑らかな鱗に囲まれている。その中の1枚が逆剥けみたいになって飛び出している。


 これ、逆鱗だ!ハンターさんがいい装備を作るのに手に入れる素材の代表格。尻尾を切り落としたり頭部部位破壊をしたら採取確率が上がるんだよね。これを使ってみよう。いいものが出来るかもしれん。


 ぼくは逆鱗と自分の肉片を重ねて分解、再構築を行う。イメージは全身タイツ。なるべく元の身体に近い感じに…そして抗菌仕様で腐らないように…脱ぐ必要も無いから直接自分の身体に被せるように…ついでにちょっと若返っとこ。異世界転移サービスってことでいいんじゃないかな。


 自分の肉片を使ったのは正解だったようで、特に頑張らなくても以前のぼくと同じ雰囲気、質感になった。古傷やシミソバカスホクロなんかは残す必要ないからね、すっごいピチピチになったよ。そして容姿は18歳当時の青春仕様。


「とりあえずこれでユリを怖がらせることは無さそうだ…」


 ふっふっふ、思わず呟いてしまったがこれは世に言うチート能力だ!出来上がった皮膚を調べてみよう。先生、お願いします。


(<アーティファクト>擬似皮膚

 希少度:伝説級 ヒーロ専用

 伝説の希少素材<古龍の逆鱗>と異世界人の細胞を錬金術によって錬成して製作された魔道具。皮のように見えるが細かい粒子。内側から放たれるあらゆる波動を抑えることが出来る。防御力は無いが再生・消滅能力があり、使用者が常に魔力を注ぐことによって発生させている。魔力を制限したり枯渇した場合は消滅する。髪の毛はサービス。)


 ああ来た、変身やん。まんま変身能力だったし。多分だけど若返らせる気持ちが再生能力、シミソバカス対応が消滅能力だな。イメージが行き過ぎたらしい。粒子状は抗菌作用、元の姿にしようとしたから防御力が無くて波動を抑えるのは龍鱗の希少度から来るのかな?


 髪の毛がサービスされてるのだけはありがたいわぁ。


 てか、このドラゴン古龍だったのか!なんだかごめんね自動車事故に巻き込んじゃって。でも過失割合は8:2くらいで君が悪いよ。踏んづけちゃった時にちゃんと事故対応してくれたらキチンと示談に応じましたよ。結果論だけど。


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