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面会と釈明…二日目で、やっと説明されました。

尊は満足行くまで食事をした後、レオンに朝から今まで流されいて忘れていた自分の服や荷物の事を聞くと洋服は洗浄とほつれなどの手直しをして、荷物は部屋にあるので持って越させると答え、あともう少ししたらアリスタリナ殿下と面会してほしいと告げられる。


尊は面会を了承し、暫し待つとタバコと百均ライターと財布とスマホが載せられたトレーをルセナから渡される。


(カバンはバスの中か落ちてくるときに手放したか…特に仕事の資料ぐらいしか入ってなかったしわざわざ隠すはずないよな…)


それらを受け取りタバコが吸えるか確認すると、この世界ではまだ紙タバコが無いらしく、どのようなものか確認されるとパイプか葉巻のようなものかと納得される。


部屋で吸っていいと言われたが、綺麗な部屋に匂いが残ったら悪いと思い、皿を借りバルコニーに出る。


部屋の外はそれなりの高さで、遠くに街並みが綺麗に見えた。尊はその景色を見ながらタバコに火をつけた。


尊の横で何が面白いのがニコニコしたレオンが立ち、こちらを伺っている。


尊は食後はいつもこうして一服を嗜むことと、日本では禁煙が流行っていて肩身が狭い事を告げると、リオンはこちらでは上級階級の方はそれなりに吸っていて、お気に召すものがあるかもしれないのでと用意しますと言い、後で待機していたナタリアに何かを指示してくれた。


うーん…こうも至り尽くされは後が怖いなと思いながらスマホを操作する。


電波は圏外。電池も85%…充電はできないよな…と思いながら操作していると、レオンが何かと聞かれ、普通に元の世界の通信機器ですよと答えると、何故か慌てて通じるのかとさらに質問される。


尊は通じたら困るのかと聞くと、レオンは頭を書きながら、尊に想い人がいて会えないのを悔やまれてしまうのではと答えるのを聞かされ、少し笑ってからそんな人はいないし、待つ人もいないと答えると、レオンは少し後悔を顔に出しつつ、それなら…この国を好きになってもらえるように、居心地のいい場所にするので、なんでも申し付けて下さいと尊に向い微笑む。


その後他愛のない会話をしていると、ルセナから二人に声がかけられる。


「アリスタリナ殿下との面会の準備ができましたので、そろそろご準備をしたいのですが、宜しいでしょうか」


尊は了承すると、ナタリアにジャケットを着さられ、髪や襟を整えられてから、アリスタリナがいる部屋に向かう。


朝は色々と流されてスルーしてしまったが、廊下を歩くだけでも、此処は如何にも西洋の城と言わんばかりの華やかな建物で、部屋の数がかなり多い。慣れていない今、一人で歩いたら確実に迷子になるなと考えながら歩いていると先頭を歩くレオンが止まり、扉前にいる兵声をかけると、兵がノックし大きな声でバルドニア様とニホン人様が参りましたと発せられると、中から声がし、護衛兵によって扉を開けられ中に通される。


豪華な部屋にいたのは、執務机に座っていたアリスタリナの姿と妙齢の侍女と執事、そして護衛兵二人がいた。


中央のテーブルとソファーの前まで行くと、アリスタリナは立ち上がり、こちらに歩み寄り挨拶を交わす。


「改めて自己紹介させて頂きます、ルーシエラ王国、第三王女アリスタリナ・ルブセイナ・ルーシエラです。アリスタリナ…アリスと気軽にお呼びください。」


「神崎尊です。カンザキが名字でタケルが名前です。呼び方は…おまかせします。何でもどうぞ!」


アリスタリナはカーテシー、タケルは礼をし右手を出し握手をする。


「では、タケル様お座りください。改めて昨日お伝えできなかったこと、質問、要望などにもお答えしたいと思います。」


尊は礼を言いながら座ると、何故かレオンも尊の横に座る。


(…まぁ、姫様の前だし、信用もない何するか分からんやつの横にいたほうが安心かもしれないしな…。)


そして尊は念願の状況を説明をはじめから聞けるのであった


アリスタリナ曰く……最初に最低2、3年は帰れる見込みが無いことを詫びられた。そして帰れない理由が明白に告げられた。


ニホン人を召喚する際に用いられた儀式に必要な道具…とある賢者が昔々に作った魔法具が壊れてしまったからだと……。


尊はその話を聞いた際に、一瞬嫌な予感がした。

なぜならあの場で壊れたものの心当たりがありすぎていた。

アリスタリナは尊の顔を見て頷き、悲壮感をだしながら告げる。


「その…お察しの通り…あの塔自体が、巨大な魔法具でして…本来お帰りを希望された方は残っていただき、そのまま帰っていけるはずだったのですが……修理をするにも希少な材料と複雑な加工があり完全に直すのに3年…どんなに頑張っても早くて2年はかかるかと…」


それを聞いた尊は手で顔を覆い天を仰ぐ。


(あの馬鹿どもがァァあ!ほんっとに録なことしかしなかった!そりゃー!お前が壊したから帰れなくなったなんていきなり言えるか!!)


隣にいたレオンが背中を叩き励まし、アリスタリナは滞在中の生活の保証はするので!と励ましてくるのがさらに情けなさを増す。

それから尊は気を取り直し、改めて深く謝罪をし、帰れないことも了承し話を進めてもらう。


アリスタリナも気を取り直し、そもそもの本題に入った。


この世界には魔物と呼ばれる存在は居て、敵対関係であること、たが、街に魔物を近寄らせないようにできる太古の遺跡から発掘された道具…【遺物】があり、その遺物の効果の及ばない地域にて発生する魔物を間引きをするような形で、対処している為、ニホン人に魔物をとの戦闘に巻き込むつもりはない事を先に伝えられた。


そしてこの世界他の国でも共通で困っている事があり、それを解決できるかもしれないニホン人を召喚したとのことだった。

その困った問題とは…遺物の動力である魔力が欠きかかっていて、もう少しで起動出来なくなるとの事だった。


尊はあんな召喚用の塔まで作れたのに、代用品等は作れないのかと聞いたが、塔を作ったのは賢者のイソニアという世界最高の魔法使いで世界最高の魔法具の作者だったという。

300年ほど前でその当時はまだ補充ができる人間がいたが、ここ100年ほど誰もおらずに居て、代用品も試行錯誤したが作れずにいるとアリスタリナに答えられた。


「なるほど……だから日本人をと………ん?という何故私達が日本人ってわかるんですか?んん!?そういえば塔の最初の説明のときも……もしかして遺物を最初に動かした日本人がいた?」


それを聞いたアリスタリナは席を立ち力一杯頷く。


「そうなのです!はるか昔にとある英雄が居たのです!!その名もアキノリ様と3英雄様が!!…数多くの魔物に襲われていたこの大陸に、突如として現れ!ニホンからやってきたと名乗る4人の男女が魔物を薙ぎ払い、そして遺跡に眠っていた遺物を復活させ国々に配置し、数々の国の力を合わせ魔王を討伐したのです!」


がッ!とガッツポーズを取りながら、さらに力説するアリスタリナを横に若干引き気味な尊に、レオンがそっと耳打ちをする。


「アリスタリナ殿下は英雄譚に目がないんです…少ししたら収まるのでお待ちを……」


リオンに頷きながら、出されたお茶をのみ、一旦現実逃避をする。


「ですが…現在はアキノリ様が建国した国は3つに分かれ争っておりどの国も補充できる人はおらず…他の3英雄の子孫の方でも遺物に魔力を籠めれる方はおらず…そもそもニホン人の血筋ならどなたでもできる訳ではなかったのですのに…タケル様?タケル様聞いておられますか!?」


「え?あ、はい、それでニホン人を召喚したんですね。」


いきなり我に返ったアリスタリナに質問され、無難な回答わする。


「そうでございます!」


「そしたらアレで…貴重な魔法具も壊れたと………」


「そうでございます……」


「なんか、本当にスイマセン……」


英雄譚で上がったテンションが、現実の日本人の所業の落差にヘコむアリスタリナと詫びるしかない尊、そこで一つの提案をする。


「それなら危険も無さそうですし、まず私がやってみて結果どうかなるかを試してから、残りの二人も了承すれば試すというのでもよろしいでしょうか?」


「も、もちろんでございます!ありがとうございます!」


一気に元気になったアリスタリナを見て、これで一方的な扱いを受けるのは無いなとホッとする尊であった。

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