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急展開で混乱発生…常識は投げ捨てられていました。

尊は何故かわからないがとても幸せな気分な状態で目が覚めるとそこは…見知らぬ天井だった。


起きてあたりを見渡すと尊の他に、サラリーマンとOLが一人づつ、別々の学校の女子高生っぽいのが二人、学ラン男子学生が一人の合わせて5名が床で寝ていた。


尊は腕時計を見ると時刻は12時5分。尊は今日の予定を思い出そうと考え込む。


(えーっと今日はナロウ商事に13時にアポを取っていて…あれ?それでバスに乗っていて………え?あれっ!?バスが光って、何故か落ちて死んだはすでは!?)


ハッと自分に怪我はないか体を触り確かめるが傷も無く健康体だ。

だが明らかにここはバスの車内ではなく、石造りの壁に見たことのない紋様が大小様々刻まれている円形状の造りの部屋になっている。


とりあえず他の5人が生きてるかを確かめよう近づくと、寝ていた5人が次々と目を覚まし始めた。


5人たちも混乱しているのか、女子高生二人が泣いたり、年長者組の男性と女性がそれぞれブツブツ小声でなにかをつぶやきながら考え込み、男子高校生が俺に質問をぶつけてくるが、自分ですら理解出来ていなかったので、適当に答えるにもいかず、どうしようかと思っていると、突如壁の一部が動き始めた。


密室だと思っていだが、扉だったのか壁の一部が開き出した。


開いた部分はある程度動くと止まり開いた状態になった。そして開いた先から灯りがつくとともに、複数人の足音がこちらに向かって来る音が聞こえる。


そしてまるで西洋の古い時代の鎧を着た人が、何人も素早く部屋に入ってきて、壁に沿ってドンドンと整列していく。

そして最後にとても美人な……女性と言うには少し若く、少女というには貫禄があり過ぎる、例えるなら西洋の金髪碧眼のTHE姫様という見た目の方が入ってきて、綺麗な日本語で挨拶をする。


「初めましてニホンの方々。ここは皆様の住まう世界と異なる世界ブリュー「うおおおぉ!!異世界きたー!!これでチートなら人生楽勝!!!」「やだ!!姫様!!超かわいい!尊い!でも転移系確定かー残念だなー!!」」


姫様の挨拶の途中で、30代半ばのサラリーマンと20代後半のOLのが突如叫びだした。


いきなりの発狂具合に、護衛とおぼしき鎧の方々が剣に手をかけるのが見えた尊は、興奮具合MAXな二人に向かって声をかける。


「よしっ!チートはなんだ!?とりあえずあれか、ステータスッ!オーープン!!……おいおい、でねぇぞ」


「え?出ないんですか?ちょっと私も……ステータスオープン!……出ないですね…うーん…見えない系か魔道具で表示系かもしれませんね…いや…神殿神託系かも?」


「まじか…面倒だな…便利系チートかすぐに確認したいんだがなぁ……」


「ちょ!ちょっとお二人さん、一旦落ち着いて!えーと??ステータスオープンとかよく分からないけど、とりあえず、一旦、少し待ってもらってもいいですか?んねっ?ほらっ!あちらの姫様っぽい方がお話しがあるみたいですから……ですよねっ!?」


二人の発狂具合に唖然としていた女性は、尊から急に声をかけられた姫は一瞬ビックリしていたが、頷き改めてこちらに声をかける。


「改めて初めまして地球の方々。ここは皆様の住まう世界と異なる世界アーラシェクトという世界で、その中の一国ルーシエラ王国のアリスタリナ・ルブセイナ・ルーシエラと申します。以後お見知りおきを。」


尊は王女と名乗った人物の説明を聞いても、正直今一ピンときてはいないが、とりあえずここが日本でなくて、この女性がどこぞの本物のお姫様?という事だけは理解し、そしてただなんで日本語ペラペラなんだろうか?と若干ずれた疑問が最初に浮かんでいた。


「まずは、本日勝手ながら皆様をこちらの世界に喚んでしまったこと誠に申し訳ございません。私は皆様にこの世界アーラシェクトにおけるとあるお願いを「「断る(ります)っ!」」した……え?な、何故でございますか?まだ何も……」


またしても姫様が説明中に年長発狂組が会話を中断する。


「いや俺ら分かってらからさ、あんた等の狙いがな!」


「っ!!それではなぜっ!?」


「王女ごめんなさい。王女様は可愛いし尊いから、出来たらざまぁしたくないの」


「え??ざ、ざまぁ?…ですか??それはどういったことで…??」


好き勝手に言い放つ二人に対して混乱する姫様。そして物凄い目で睨んでくる鎧の人達。そんな視線に気づかないまま、また好き勝手に二人で話をしている年長発狂組。


(うーん…まずいかも知れない…たぶんというか確定でかなり身分の高い人だよなこの人王女だし……。目上の人間の会話を断ち切るのは、日本でも不敬になるだろとは思うが舞い上がってる二人をとりあえず止めないと話にならなさそうだ…このままだと最悪巻き添えで捕まったりするかもしれないな…)


尊は年長組がブツブツ話し合っている所に、落ち着かせるためになるべく警戒させないように笑顔を顔に貼り付けて、話しかけながら近づくと、30代サラリーマンが突如壁に向かって右手を突き出し叫びだした。


「と、とりあえず落着きましょう?ね?話を一旦最後ま「あ、撃てそう!!ファイャァア!ボーールッ!」で……は??」


30代サラリーマンの右手から突如火の玉が現れると、勢い良く飛び出し、そのまま壁に当たり弾ける。

爆音と共に土煙が舞い、当たった箇所は粉微塵に消し飛び、遠くの青空がよく見えるほどの大穴を壁に作ったのだった。


尊は目の前で人が壁を常人ではない力で壁を破壊をした事に茫然としていると、後方が騒がしくなっているのに気づき顔を向けると、お姫様は唖然とし顔を青くし震え、鎧を着た人々がアリスタリナを守る様に立ちはだかり、剣を抜き盾を構え、普段は感じることの無い視線、殺意がこもった目線がこちらに向けられているのが、目にみてとれる。


(あ、終わったかもしれない……)


尊は既に弁明で誤解を解消出来る状態をとうに通り過ぎたことを肌で感じたが、どうにか30代サラリーマンだけの責任にできないかと思考していると、OLが更に最悪な行動に出た。


「す、凄い!魔法系チートかもしれない…私もできるでしょうか……うーーーん、これが魔力でしょうか…えーと…ビリビリサンダー!」


OLが右手の人差し指で、反対側の壁に向かって指を指し、呪文の様な事を呟くと、指先から壁に一閃の雷が放たれ更に壁を破壊する。


魔法が撃てたことにOLは喜び、サラリーマンはOLを褒めると二人はそれぞれ褒め合い意気投合している。


それを見た尊はとうとう我慢の限界に来た。一歩前に進み出て二人と対峙することを決めた。


年長二人は尊にはよく分からない力を持っていて、明らかに自分より強い。壁に放ったものを向けられれば恐らく自分は死ぬだろうとも理解はしていた。


でもそれは自分の意思で抗ったから殺されるのだ、ならそれはそれで構わない、だが何もせずこのまま巻添えで死ぬのは御免だと尊は覚悟を決め、目線を高校生に向ける。


セーラー服の女の子は、OLの放った雷の近くにいた為、腰を抜かしていて、男子高校生はちょっとヤンキーっぽいのに、その女の子を庇いっていた。

もう一人の女子高生は自分の手と年長組を見ている。彼女はもしかしたら自分でも出来るか試そうとしているのかもしれないがそれよりも止めるべきは年長組だ。


試そうとしている女子高生もどうかと思うが、他の二人は全く悪くない。ただこの場にいただけだ。

だがきっとこの高校生達も巻き添えで死ぬかもしれないと思うと、俺はそれを認めたくなかった。彼らはまだ庇護されるべき年齢なのだから………。


後悔をしないために尊は声を荒げ二人に怒鳴りつけた。


「いい加減にしてください!貴方達はさっきから何をしているんですか!あのよくわからない光の中に常識を丸ごと落としてきたんですか!?」


尊のいきなりの罵声に、サラリーマンは逆ギレしながら反論をする。


「はぁあ?今の状況もよくわかってないモブ野郎に文句を言われたくないだか?」


「確かに俺は今の状況も何も分かってないかもしれない!!でも貴方達は自分達ががしてることは正しいとでも思ってるんですか?他人の所有するの部屋を壊したら罪に問われるって知ってますか?常識!じょ・う・し・き!ですよ!」


「はぁ〜…あのなそれを言ったらアイツら誘拐犯で、俺達は被害者!分かります?ここで日本の法律を持ち出してんじゃねーよ!マジで何も分かってないなら黙っとけよ、お前だけ助けてやんねーぞ?いいのか?あ?」


尊は30代サラリーマンに非常識を解こうとするが、30代サラリーマンは尊を小馬鹿にするようにニヤニヤしながら話し、尊の嫌悪感がさらに増す。


「誘拐とかはともかく、一旦話を聴くべきでしょう!?そこから判断をしないでどうするんですか!?それに助けるもなにも…今!貴方のせいで絶体絶命なんですけども!!後ろの光景見えますか?てか見てください!!なんで貴方は空気読まないんですか?あの人達どう対処するわけなんですか!?」


30代サラリーマンがようやく周りが警戒迎撃体制に入っていることに気づくと、根が小心なのか口を引つらせ一歩後退り身構える、OLも今更気づいたようで顔を青くする。


尊は溜息をつくと二人に謝罪をするように要求をしたが、30代サラリーマンは舌打ちし顔をそむけ、OLは頭を少し頭を下げるのみだった。高校生達も兵士たちの様子に気づいたようで顔色が悪くなっている。


「で?この状況どうするんです?今の状況最悪だと思うんですが、取り敢えず真面目に冷静になってくれません?」


たちが悪いなと思いつつ、二人にどうしたいのか問いたところで、後方が更に騒がしくなったと思い顔を向けると、出入り口から追加の兵士と威厳と貫禄の塊のような壮年の美男性が現れた。


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