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81話 皆に報告

 2学期の期末考査が終わり、皆無事に期末考査を乗り切った。

仲の良い渚、若菜、雄太、武彦の4人には、ひまりと光輝が仮婚約をすませたことは伝えた。


 4人はそのことを聞いた時、呆然とした顔になり、次に顔を赤らめる。



「ひまりと光輝は、いつかは婚約すると思っていたけど……もう仮婚約するなんて、ビックリするわ」



 渚が皆を代表するように腕を組んで、印象を語る。

皆も渚の横で頷いている。


 すでにアパートから高層マンションへ引っ越ししていることを話すと、雄太が遠い目をして、光輝を見つめる。



「なんだか、ひまりと付き合ってから段々と光輝が遠い存在に見えてきたぞ。あまりにも行動が早すぎるだろいう。俺の頭じゃ、ついていけねーよ」


「高層マンションといっても、アパートと変わらないよ。そんなに深く考えないでくれ。ただの引っ越しだ」


「「「「ただの引っ越しじゃない」」」」



 4人から猛抗議を受けてしまった。

武彦などは、若菜の家の隣に引っ越したいと叫んでいる。

それを聞いた若菜は困った顔をして俯いて、顔を赤らめている。

最近、この2人は徐々にだが、仲良くなってきている。


 雄太が真剣な顔で光輝を見る。



「でも正式な婚約にするには、キチンとした大学に入学して、卒業することが条件なんだろう。光輝の成績で有名私立大学や、国立大学へ合格するのは難しいんじゃないか?」


「そのことも、ひまりと話し合ったんだが、来年になったら2人で予備校へ通うつもりだ。できれば、ひまりと同じ大学へ進学したいと思っている」


「俺も渚と同じ大学へ進学してー。でも学力が違いすぎる。光輝とひまりが羨ましいぜ」


「あら、雄太も今から頑張れば、私と同じ大学に通うことぐらいはできるわよ。あなたのやる気次第で。でも、大学に合格したからと言って、私が雄太と付き合うとは限らないけど」



 その渚の言葉を聞いて、雄太はガクリと肩を落とす。

渚はおっとりしているが、言うことはハッキリと言うタイプだ。

もう少し雄太を励ます言葉を言ってあげてほしい。



「もし、雄太が今から頑張って、私と同じ大学に合格できれば、付き合うことを考えてもいいわ。あくまで考えるだけだけど……」



 それを聞いた雄太が、涙目から笑顔に変わる。



「よし……俺も光輝とひまりと一緒の予備校へ通う。そして渚に教えてもらって、渚と同じ大学へ志願する」



 それを聞いた皆は小さく、雄太に拍手をする。

雄太の前向きな勇気は見習いたいものだ。

渚は少し頬をピンク色に染めて、顔を背ける。



「あくまで合格したら考えるだけですからね……付き合うとは言ってないから」


「それでもいい……俺のことを考えてくれるんだろう……ヨッシャー!」



 雄太は拳を握手小さくガッツポーズをする。

その姿がおかしくて、皆も楽しい気分になり、顔がほころぶ。


 そんな姿を見て、武彦が若菜に声をかける。



「ひまりも光輝も予備校に通うって言ってるし……雄太も通うとなると、俺も通いたいと思う。若菜も一緒に通わないか? 皆が一緒のほうがいいだろう」


「そうだね……皆が一緒のほうが両親も安心するし……皆で教え合うこともできるし……私もひまりと一緒の予備校へ通おうかな? そのほうが大学合格に近い気がします、両親を説得しやすいです」



 それを聞いた渚が少しだけ頬を膨らませる。



「皆が同じ予備校に通うなら……私だって一緒に通いたいわよ。それに雄太に勉強を教えられるのは私だけだし……私も参加するから」


 こうして来年に入ってからは、6人は同じ予備校に行くことを約束し合った。

渚の参加で一番喜んでいるのは雄太だ。

そして雄太が光輝に声をかける。



「来年のことはこれで決まった。それは置いていて、俺は光輝の家に行ってみたい。光輝の家って高層マンションなんだろう。俺の家は一戸建てだから行ってみたいんだよ……いいだろう光輝?」



 そこへひまりが一言を付け足す。



「私の家も高層マンションだよ。だって光輝の家の隣が私の家だから……近くて便利でいいでしょう」


「「「「何!」」」」



 ひまり……なぜ余計な一言を付け足すんだ。

皆の目の色が変わっているじゃないか。

特に雄太と武彦の目が怖い。



「これは絶対に光輝の家に行くしかねー。皆で光輝の家に明日、集合だ」


「いつも光輝だけが良い思いをしているようで羨ましい。全員で光輝の家に行こう」



 雄太と武彦はそう言って、互いに握手をしている。

なんだが光輝は疎外感を覚える。


「わかったよ。全員、遊びに来ていいよ。女子達も遊びにきたらどうだ? 隣はひまりの家だし……俺の家に来れば、ひまりも遊びに来るから」


「そうね……ひまりの家も見たいし、私も行こうかしら……若菜も一緒に行きましょう」


「私も行っていいんでしょうか……とても楽しみです」



 渚が気軽に若菜を誘う。若菜も乗り気だ。

それを聞いた雄太と武彦は、光輝によくやったと合図してくる。

思わず、雄太と武彦の変わり身の早さに笑ってしまう。


 これで、終業式が終わった後に、光輝の家に集合することが決まった。

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