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44話 初めての2人の夜

 これからはひまりと共同生活をしていくのだから、風呂のことも考えておかないといけない。

光輝の家は風呂とトイレは別になっているが、脱衣所がない。

脱衣所の代わりにダイニングを使わなければならない。


 ひまりがお風呂の用意をしている間、光輝は自室の部屋の扉を閉めて、ベッドに寝転ぶ。

しばらくすると、隣の部屋の扉が開き、ひまりがダイニングに出てきたことがわかる。

そして、なぜか光輝の部屋の扉が開けられた。



「何をしてるんだ? 風呂はどうしたんだ?」



 そこには、ひまりがバスタオルを体に巻いて立っていた。



「光輝……光輝が見たいなら……私、見せてもいいよ」


「な……何を言ってるんだ。冗談は止めろ」



 ひまりとがハラリとバスタオルを取る。

バスタオルが床に落ちる。

すると、ビキニの水着を着たひまりが笑っていた。



「驚いた? 少しはドキドキした?」


「バカな冗談はするな。 ビックリするだろう」


「少しは光輝も期待してくれたのかな? そうだったら嬉しいな」



 ひまりがベッドに近づいて、腰を屈めて、光輝の顔を覗き込む。

その顔は嬉しそうに輝いている。



「私……水着を着てるし、光輝も一緒にお風呂に入ろ」


「風呂ぐらいは、ゆっくりと入りたい。ひまりも悪ふざけは止めて、早くお風呂へ入りなさい」


「せっかく一緒にお風呂に入れると思ったのに……光輝のケチ」



 ひまりはバスタオルを拾い上げると、光輝の部屋のドアを閉めてダイニングへと消えていった。

ダイニングからひまりが着替えている音が聞こえる。

光輝の頭の中には、先ほど見た、ひまりのビキニ姿が残っている。

豊満な胸がたわわに実っていた。


 光輝は気分を変えるために本棚から、ラノベを出して、本に集中する。

本に熱中して、しばらくすると、気分がずいぶんと落ち着いてきた。

ひまりと2人でお風呂にはいるなんて、とんでもないことだ。

これからは悪ふざけはしないように、後からしっかりと注意しておこう。


 ひまりが風呂からあがり、交代で光輝が風呂に入る。

お湯には入浴剤が入れられており、とても身体が温もった。

風呂からあがって、バスタオルで体を拭いて、ダイニングへ出る。

そして、着替えをして、冷蔵庫から冷たい麦茶を出して、コップに注いで一気に飲む。

喉が一気に冷えて、とても美味しい。



「美味い」


「私も麦茶が欲しい」



 ひまりが隣の部屋から出てきた。

今日は真っ白なネグリジェだ。

身体のラインがクッキリと浮き出ていて、とてもセクシーだ。

豊満な胸が目に飛び込んでくる。

恥ずかしくなった光輝はとっさに目を逸らす。



「ひまり……ネグリジェを着るのはいいが、ダイニングへ出てくる時はカーディガンを上から羽織ってくれ」


「もう暑い季節だからイヤだし……光輝の反応も見たいし」


「いちいち俺の反応を確かめなくていいから……見ていて、すごく恥ずかしくなるから、なんとかしてくれ」



 ひまりは「仕方ないわね」と言いながら、隣の部屋へ入っていくと赤のカーディガンを羽織って来てくれた。

しかし、ボタンをとめていないので、胸が丸見えだ。



「頼むから、ボタンで前をとめてくれ……そうでないと、ひまりのほうを向くことができないよ」


「そんなに恥ずかしがらなくてもいいのに……変な光輝」



 そう言いながら、ひまりはカーディガンのボタンをはめていく。

やっと落ち着いて、ひまりの方向を向ける。

光輝はコップに冷たい麦茶を注ぐと、ひまりに手渡す。

ひまりは美味しそうに麦茶を飲む。


 夜が更けるまで、ダイニングのテーブルに座って、ひまりと談笑する。

そして、0時になったので、互いの部屋へ分かれて、電灯を消して眠りについた。







 顔に柔らかい何かに挟まれる。

そして、その何かから、すごく良い香りがしてくる。

思わず香りに誘われ、顔を埋める。

そこでハッと我にかえって、目を覚ます。


 意識がハッキリとしてくると、ひまりが光輝の頭を抱きしめていた。

まだ部屋の中は真っ暗で、真夜中なのがわかる。



「ひまり……何をしてるんだ? 自分の部屋で静かに寝なさい」


「隣の部屋に光輝が寝てると思うと、興奮して目が覚めちゃって……エヘヘ」


「きちんと寝ないと明日は学校だぞ」


「明日から自分の部屋で寝るから……今日は光輝のベッドで寝かせて」



 甘えた声でひまりがおねだりを言ってくる。

今まで寝ていたから、光輝は眠くて仕方がない。

まだ意識ももうろうとしている。



「今日だけだからな……明日は絶対に自分の部屋で寝ろよ」


「うん……やっぱり光輝って優しい……嬉しい……ありがとう」



 ひまりは嬉しそうに、光輝のベッドに潜り込んできて、光輝に抱き着いた状態で目をつむる。

光輝は眠気に負けて、そのまま、ひまりを抱きしめて、眠りに落ちた。







 早朝5時にアラームが鳴る。

いつもなら、アラームが鳴る前に起きていたのに、今日はグッスリと寝てしまった。

そして、ベッドから出ようとして、隣を見ると、きれいな寝顔でひまりが寝息を立てている。

なぜ……ひまりが隣に眠っているのか、とっさに考え付かない。

ゆっくりと昨日の出来事が思い出される。


 夜中に、ひまりに頼まれたからと言って、一緒に寝たことは失敗だったと光輝は反省する。

ひまりを起こさないように気をつけながら、ベッドを抜け出す。

そして、ジャージに着替えて、光輝は日課のランニングへ走っていった。




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