「*ゲーム」
投稿遅くなりました。
「びーびりりりりりー! ビリビリビー! ゴロゴロゴロゴロー! ビシャー!」
電撃は雨模様な登校中の通学路で奇怪なポーズを取り電気ビリビリしたり雷ゴロゴロしたりして遊んでいる。
「うん、厨二病恥ずかしい……」
伝播は周りをキョロキョロ見るなり痛い視線に縮こまりながら電撃を斜め後ろ隣に歩いている。
が内心は「最高ー! それでこそ電撃ちゃん!」と楽しい伝播である。
ーーゴロゴロ
「あー、雷の音だゴロゴロー!」
雷の音にテンションを上げる厨二病電撃に対し「ヒィィッ!」と小さい悲鳴を上げる伝播。
「い、いつも思うけど、怖くないの?」
さらに縮こまる伝播に電撃は手で伝播の肩をポンポンして「大丈夫?」と聞くと「あ、ありがとう……」と伝播が返し電撃は続ける。
「だって雷に撃たれたらなんだかパワーアップしそうじゃないー?」
「え? 死んじゃうよ。うん、前も言ってたね、そんな事、死んじゃうよ、うん死んじゃう。」
電撃の言葉につい率直な正論を言う伝播は内心では。
この厨二病具合やっぱりたまらないわー! 電撃ちゃん好きー!
「えー? なんで死ぬのー? そんなので私は死なないよー? 伝播ちゃん? 私の事舐めてるのー?」
「い、いや、べ、別に舐めてる訳ではないけど」
伝播が話している途中だった。
ーーピカッ!……ゴロゴロゴロ……
電撃に雷が直撃した。
「ひゃっ!?」
突然現れた落雷に驚き思わず腰を抜かす伝播。
そして「う、嘘でしょ……!?」と伝播は吃驚をそのまま言葉にして「電撃ちゃん……電撃ちゃん! 大丈夫!?」
と電撃の元へ駆け寄った。
電撃は薄黒い体から煙を上げている。
伝播は周囲の人がざわざわと騒ぐ中、電撃を思いっきり抱きしめた。
そして「電撃ちゃん……どうして……」
少し熱くて焦げ臭い、目を瞑って思いっきり抱いていたら肌の感触と鼻呼吸で分かった。
「そこの人、倒れている人から離れてください!」
大人の男の人の声だ。
「はい。」
伝播は友達を失ってしまった事への寂寥感を胸に警察の言う事に弱々しい返事で無意識に震える体を電撃から離そうとした瞬間。
ーー「んん……ここどこ?」
「え……?」
焦げて煙が上がりきった電撃から、か弱い声が聴こえて伝播は思わず振り向き様に低い声を出した。
「え?」
警察も思わず焦げた電撃の声を聴いて変な声を出した。
ーー「ん? 伝播ちゃんに警察? イテテテ、みんなどうして私を見てるの?」
電撃は体を起こして足を伸ばし後ろに手をついてキョトンとした表情で電撃を中心に辺りに散らばる人達に問い掛けた。
「電撃ちゃん……」
伝播は突然の喜びのあまり口元に綻びが生じる。
「この子雷に撃たれて生きてるなんてついているね」
「奇跡だ」
ーー「雷に撃たれて生きてる……? あっ! そういえば私に雷が落ちてきたんだっけ!?」
電撃は突然テンションが上がり立ってキラキラと瞳を輝かせながら伝播を見つめた。
「う、うん、そうだけど……」
電撃の突然のテンションに伝播は思わず困惑紛れに返事する。
ーー「やったー! これで電気の力が手に入った!」
電撃は満面の笑みを浮かべながら焦げた体で思いっきりガッツポーズした。
「良かったね……」
伝播は綻びを浮かべつつ苦笑いで応えるも内心は
厨二病は無敵! 厨二病は無敵! と思っていた。
「うわー厨二病……」
「痛い……」
周りから所々そんな声が聴こえて気付いたら周りの人達は離れていった。
「君!凄いね! 雷に撃たれて生きてるなんてとっても幸運な事だよ! でも、怪我や火傷をしているかもしれないから、今日は取り敢えず誰かに手当てをして貰ってから学校に行くなら行ってくるんだぞー」
警察は安心した表情を浮かべながら電撃に話しかける。
「へへー私にかかればこの雷なんて余裕! そして、私はついでに電気の力を手に入れた! くらえービリビリビリー!」
「あービリビリするー! やめてーやめてー!」
相変わらず厨二病の電撃ちゃんにノる警察優しいなー。そして電撃と警察の可愛いやり取りに思わず笑う伝播だった。
それからある程度話し合うと警察は用に戻って、電撃と伝播は再び学校に向かった。
「あー、一時はどうなるかと思った」
伝播は電撃に楽しく話しかける。
「えーなんで雷浴びたのに電気使えないのー?」
少し落ち込み気味に涙声になる電撃に「え」と困惑の声を出し、その次に慰めるように何かを言おうとするも言葉が出ず、気まずい空気が沈黙する。
するとポツリと冷たい感触が半袖で露出した腕の肌に感じた。
「あ、雨降ってきたね」
「・・・・・・」
伝播は雨が降ってきてここぞと思って話し掛けたが電撃は沈黙している。
きっと落ち込んだのだろう、雷を浴びたら電気を使えるようになるってずっと信じていた。でも雷を浴びた後である今、電気を使えていないという現実。人は皆、そんな信じていた幻想が崩された瞬間は絶望に落ち込むものだ。私もそうだった。そんな私とはネジが違う彼女なら違うと思ってたけど、でもやっぱりそんな電波娘でもその瞬間は皆と同じなんだ……と、胸を締め付けられたような気持ちで伝播は思った。
もう元気になるまで放っておこう……
ーーパチパチッ……
「え?」
謎の音が隣から聴こえて思わず伝播は電撃の方を見る
ーー「ゴクッ…… パチパチッ! パチパチッ!」
電撃は固唾を飲んでパチパチと青く点滅する手のひらを見つめる
「嘘……」
伝播にはそれが超常現象に映り、困惑で表情と体が固まる。
「これって……私がやってるの……!?」
「わ、分からない……」
この状況に二人とも困惑している。
「電気ビリビリ……」
電撃はそう何となく的なノリで呟くと電撃の手のひらに小さくて青い雷柱が出来た。
「や、やったー……」
電撃は冬にする吐息で手を温める如く小さい声で喜びの声を雷柱の立つ手に被せるように出した。
「嘘……」
伝播は困惑しているが内心では電撃ちゃん凄すぎる……私の興奮値が閾値を突破!等と思っていた。
一章の1話「雷への目覚め」クリア!
「何だこのクソゲー臭は……」
画入掟多はコントロールを机に転がし、呆れた表情で、「またタイトルに釣られたー……」と言葉を零す。
「トイレ行こ」
画入は少し疲れた体でトイレに行った。
「あ、ゲーム切るの忘れてた、まいいか。」
そして画入はトイレから出て手を洗うと部屋に戻る。
「それにしても暑苦しい……」
今日は蝉の声がそこら中から大音量で聴こえてくるし、1時間ごとにお茶が欲しくなる程の猛暑日だ。
そして画入は部屋に戻ると、そこにはゲームをしている姉がいた、涼夏だ。
「おいお前、何勝手に……」
画入は呆れた表情で話し掛ける
「面白そうだなって思ってつい」
まぁやらせておこう、せいぜいクソゲーだと気付いて時間の無駄だったと嘆んだな。
「これ神ゲーじゃね?」
「なん……だと!?」
俺は姉の言葉を聴いて見た画面に驚いた
ーー「アクションのバトルがカッコいい……!?」
「あれ? 画面が消えた」
体験版を買ってくださり、有難う御座いました!ちなみに体験版はここまでです。(続きはVRで本番版を買ってくださるとプレイ出来ます)
是非宜しければゲーセンにてVR版「電撃ッ娘!」をどうぞお楽しみに!
「は?」
「あ、これ体験版だったかー面白かったし、行ってみよかなー」
姉は興味津々な表情で喜んでいるが画入はカセット購入時に体験版と知らなかったが故の怒りが立ち込めていた。
「確かめ忘れた、てかふざけんじゃねーぞ……5000円……」
「ドンマイ」
明るい姉に励まされ、画入はバトルアクションに魅せられゲーセンに行く事を決意した。
次話も遅くなりそうです。