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第十話「行動と結末」

 夕暮れに満たされる教室の中、柿色を帯びた四人は憂う。その空気に音を流す者がいた。

「私達の物語は、何のためにあるのかしら。」

重く、鈍い音だった。その重さに驚いたのか、誰も返答しない。

「私達の物語は、どうしたら続けられるかしら。」

今にも掻き消えてしまいそうな声で、ユネは問うた。それに対し、センが答える。

「僕達の物語を、僕達で書き続けたらいいんじゃないかな。」

「私達の物語を書く…」

「そう。マコトがやっていたように、<続き>を書くんだ。」

センは至極真面目な顔で言う。それに続いて、マコトも口を開く。

「それなら、私達でも続けられるかもしれない。やってみよう。」

マコトは早速、鞄からシャーペンと原稿用紙を取り出し、物語を紡ぎだした。

「それもいいかもしれねえけどよ、それも作者に書かれてる行動だったらどうすんだよ。」

「それもそうだねえ。なら作者に訴えてみるとかはどうかなあ。」

「それもそれでどうかとは思うが…」

三人は、どうしたら自分達の物語が続くかを考えていく。だが、ユネだけはそうではなかった。本当に物語を終わらせないために行動する必要はあるのだろうか。そもそも、自分達の物語を終わらせても良いのではないか。そんなことを考えていた。

「というか、そろそろ完全下校時間じゃないか。早く帰ろう。」

「うわ、マジかよ。」

「うーん、今いいところだったのになあ。」

センが時間を告げると、口々に文句を言いながら荷物をまとめ、下校する準備を整えていく。

「ほら、ユネも早く帰ろう?」

ユネはマコトに声をかけられてはっとする。急いで荷物をまとめると、四人はそれぞれの家路へ向かっていった。


 帰宅して一息ついたユネは、また考え事をしていた。自分が物語の登場人物だとして、どうなるのが一番幸せなのだろうか。

「これが小説だったのなら、読み解けるのに。」

誰にも聞かれる事のない小さな声で呟いた。

「もしも、今の状況が物語だったとしたなら…」

もしそうならば、この物語は何を伝えたいのだろうか。それはきっと、登場人物にとっての幸せなのだろう。登場人物にとっての幸せはなんなのだろうか。登場人物自身を愛してもらえる事が登場人物の幸せではなかろうか。だが、愛されたところで、忘れ去られてしまっては話にならないのではないか。

「忘れる…?そうか。」

忘れ去られないようにすればいいのだ。この物語の作者が、自分達の物語を終わらせてもいい。自分達の事を、覚えていてもらえば、心のどこかに、記憶の片隅に、入れてもらえたならそれでいい。

「そうすれば、私達の人生は終わらない。」

ユネは遂に、自分の求める答えを見つけた。それは実に、物語の中の登場人物のような答えだった。

「どうか、この物語の読者が、私達のことを覚えていますように。」

そして、彼女は微睡みの中に堕ちていった。

 この度は、初投稿作品を拝読頂きまして、ありがとうございます。


 さて、今回の小説は如何でしたでしょうか。この物語は、拝読して頂いた皆様に登場人物の事について深く考えて頂けたらと思い、四年前から考えていた物語です。時を経て、このように形にする機会を頂けた事を、心から嬉しく思います。この物語を読んで、どう思われましたでしょうか。もしよろしければ、ご感想を聞かせて頂けると嬉しいです。


 この小説は、公開できる最後の機会のために、力を入れて取り組んだものです。小説、挿絵、それから宣伝用の曲、絵、動画。まるで文庫本にでもするかのような勢いで製作させて頂きました。少しでも多くの方の目に留まって頂けるよう、精一杯努力した作品ですので、楽しんで頂けたなら幸いです。


 拙い文章ばかりになってしまいましたが、重ねてお礼を申し上げます。ここまで読んでくださり、誠にありがとうございました。

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