6話
長い文を書くコツが知りたい。
リンに魔法の訓練を始めてから、二年がたった。
要するに、僕は二年間もリンの家に居候しているわけである。だからと言って、どうこうするわけではないが。
リーシャさんにも『シュンさんは毎日、食料を調達してきてくれているではないですか。リンの面倒も見てもらっているので、気にしなくてもいいですよ』と言われたので、気にしないようにしてきた。
リンの魔法の覚えの早さは凄まじいものである。
リンは【魔法の図書館】というスキルを持っており、確かにこのスキルは魔法を覚える補助的な役割を果たしている。
しかし、普通は初めてスキルを使う時は、こんなにうまく扱えないはずなのだ。でも、リンは完璧に使いこなしている。
これなら、一度見た魔法なら完璧に再現出来るほどである。
天才である。僕は、長いこと生きているが、全ての魔法を使えるわけではないので、もったいないのである。
だから、僕はリンにある提案をすることにした。
「魔法学園?」
「そう、魔法学園。いろいろな魔法を学ぶことが出来るところだよ」
リンの両親にも許可は取ってある。条件として、僕が保護者としてついていくことらしいが、元々そのつもりだったので問題ない。
結局は、リンが決めることであるが。
「私、魔法学園に行ってみたい!」
リンは魔法好きなので、予想はできた。
リンも今年で十五歳になるので、冒険者登録もさせておこう。そろそろ、自分自身でお金を稼がせたほうが良さそうだし。学園の生徒も大半が登録していると聞くしね。
「出発は一週間後だ。必要な物を書いてあるから、自分で準備してね」
「もう、お兄さん。私も、もう子供じゃないんだからね」
「たった二年で何を言ってるの。僕からしたら、まだまだ子供だしね」
僕のほうも、準備を始めないといけないしね。
「この一週間、訓練サボっちゃだめだよ」
「分かってるよ……」
ちなみに、この二年では魔法だけでなく杖の扱いや、回避術なども叩き込んでいるので、そこらのチンピラには負けない程度にはしているのである。
まあ、二年たったが、リンが学園に通いに行くこと以外は何も変わらず平和だった。
なんとか頑張ろう