4話
1話ごと、文字が少ないので、気楽に読んでね。
酒代をガルムに奢ってもらい(強制)、居候させてもらっている道具屋まで帰ってきた。
ガルムによると、だいぶ心配されていたようだ。
現に遠くから見覚えのある姿が走ってくるのが見える。
「……おーにーいーちゃーん!」
ここの道具屋を営んでいる夫婦の娘のリンである。
何故か兄と慕われているのだが、母親によると『ずっと、兄弟を欲しがっていたので。だから、嬉しいんだと思います』らしく、僕も悪い気はしていないので゛お兄ちゃん゛呼びになっているわけである。
ちなみに、リンは僕が見る限り魔術師の才能があり、魔力に関しては将来僕をも越すであろう潜在的な魔力量があるのである。
それを聞いたリンとリンの両親から、魔法を教えてくれるよう頼まれたので、泊めてもらう対価としてリンに魔術を教えている。要するに弟子のようなものだ。
「お兄ちゃん! 大丈夫? 怪我はない?」
「大丈夫だから落ち着いて。そもそも、僕が不死身なの知っているでしょ」
「それでも、心配なものは心配なの!」
ここまで心配してもらえると、なんだか嬉しいな。
「それよりも、毎日する課題はしっかりとしていたか?」
「……やっているよ。でも、これあんまり面白くない」
「そりゃそうだよ。これが楽しいって思う人は、僕の知る限りではいないからね」
「じゃあ、このぐるぐるさせるのってなんの意味があるの?」
僕がリンに出している課題とは、意識的な魔力の体内循環である。
「始めた時にも言ったと思うけど、これをすることによって魔術の発動を早めることが出来るし、身体強化や部分強化をスムーズに行えたり、自然治癒の効果を高めたりなどかなり便利なんだよ。これは、基礎中の基礎だけど一番極めるのが難しいからね。早めに始めたほうがいいんだよ」
「う~。それでも、面倒だよー」
「まあ、気長に頑張りなよ」
そう、この課題は根性との勝負である。ただひたすら同じことを続けるというのは肉体的にも精神的にもきついので、魔術師はこの段階で心身共に鍛えることができるのである。
「それよりも! 早くご飯をたべようよ。お母さんもお父さん模準備終わっているから」
「そうだな」
そろそろお腹も空いてきたので、早く家に帰ろう。
僕は、リンと一緒に家へと帰りについた。
なるべく三日に一回は出そう