2、幼少期
全く関係有りませんが、私はロリコンじゃないのに友人にロリコンと言われ困っています。
目が覚めたら、知らない天井があった。
ふと右を向くと、そこにはとても大きな女性がいた。
「─────! ────!」
なかなかに美人な女性が嬉しそうに叫ぶと、ドタドタと大きな音をたてながらイケメン風の男が走ってきた。その男もとても大きかったので少し違和感を覚えた。
まさかと思い自分の手のひらを見てみると、もみじのような小さな手がそこにはあった。
それを見て私はすぐに気づいた。
───ああ、私が小さくなっているんだ。
それに気づいたと同時に、先程までいた黒い空間の事を思い出した。
あの少年が言っていた事が本当だとすれば、この世界は魔法の世界で、私は赤ん坊からやり直してる訳だ。
信じがたいが、今の状況を見れば信じざるを得ない。
「あぅ、あ」
声は出るが、言葉を発することができない。それに、日本語を話せたとしても通じることは無いだろう。
声を出したからなのか、この女性······恐らく母親は、満面の笑みで私を抱き上げた。
あれ?そういえばご飯って······
◆◆◆
私が生まれて一年が経過した。やっと離乳食になった。
今までは親の母乳だったから、ものすごく羞恥プレイだったが、ようやく解放される。
目を開けてから一週間でハイハイを成功、7ヶ月で一人で歩けるようになった、というかしたから、天才だの何だのと言ってちやほやされるようになった。
ある程度言葉も聞き取れるようになってきた。どうやら私の名前は「レーナ」というらしい。日本人っぽさがあっていいね。
◆◆◆
どうやら私は平民ではあるものの、母が図書館を運営しているらしく、本は沢山あった。
私は3歳になり、文字も読めるようになってきたので、今まで気になっていた魔法について調べようと思う。
「魔法、魔法·····っと、これかな?『魔法とは』」
2時間ほどかけて読んだ本には、こんなことが書かれていた。
・魔法は、精霊に魔力を分け与えることで発動する。
・必要なのはイメージ力で、詠唱は使わないほうが良いという人もいる。
・魔力の量はステータスに依存する。
・精霊と契約すれば、その属性の魔法が強力になる。
・精霊と契約するには、一定以上の魔力を持ったうえで、精霊に好かれる必要がある。
・精霊の上位に神霊がいるが、人間と好まないため、契約は難しい。
・極稀に、契約していない精霊でも視ることができる人間が生まれる。
基本的な事は理解したが、一つだけわからない単語が出てきた。「ステータス」。
名前の響きからして、恐らく能力値的なアレなんだろうが、見方がわからない。
本に普通に出てきていることから、多分常識的なことなんだと思うし、あとでママンに聞いてみることにした。
次に、『初級魔法』という本を手に取った。
その名の通り、初級の魔法について色々書いていた。
どうやら、初級魔法でも1ヶ月は訓練しないと使えないらしい。
その訓練方法も書いてあったので、その本は部屋に持っていくことにした。
部屋に持っていく途中でママンとすれちがったから、ステータスのことを聞いてみた。
「ねぇ、お母さん。ステータスって何?」
「ステータスっていうのはね、10歳になったら見えるようになるのよ。」
どうやら10歳になるまで見えないらしい。だが見えないだけであって存在はするらしい。
つまり、運が良ければ私にも魔法が使える。やったぜ。
部屋に戻って一通り本を読んだあと、ベッドに寝転がって訓練を実践。
リラックスしている状態で、目を閉じ、自分の中にある魔力を探す。
見つけたら、それを体の外に出す。
それができたら、後はそれを制御するだけ。
魔力なんて見当もつかないもの、どうやって見つければ良いんだ、なんて最初は思っていたが、案外すぐ見つかった。
そして、体の外に出す、というのも楽にできた。
体が光り始めたので、それを全身、手のみ、足のみ、といったように動かしていく。これもできた。
私は実は感覚派なのかもしれない。
それをある程度やったので、こんどは本格的な魔法の行使をしてみようと思う。
辺りに燃えるものが無いかを確認して、手を出して『ファイア』を唱える。
当然、何も出ない。
そこで私は、イメージが大切だと言うことを思いだし、前世の『ライター』の火をイメージした。
結果は────成功。ライターのような小さな火が灯った。
私はなかなかにびっくりしていた。1ヶ月どころか1日目で成功したからだ。
それから私は、毎日魔法の練習をした。
◆◆◆
初めて魔法を使ってから7年。私は10歳になった。展開早すぎ?知らん。
どうやら10歳になる子供は、その村の教会で儀式をすることで、ステータスを可視化するらしい。
この村はまあまあ人が多い。それこそ、図書館をやっていける程度には。
それ故、儀式には野次馬が多く集まる。特に私は、3年ぶりの10歳の子供だったらしく、大量に集まった。
「祈りを捧げ、この水晶に手をかざしなさい。」
多くの人から注目を浴びるなか、私は言われた通りに動く。
水晶に手をかざしたら、それが強く光った。
光が収まったが、何かが起こる気配は無い。もしや、失敗?と思っていたら
「右手を軽く上げ、振ってみなさい。」
と言われた。どこのソードでアートなオンラインゲームだよ、とか思いながら私は手を軽く振ってみた。すると、ウィンドウのようなものが現れた。そこには、こう書かれていた。
レーナ
種族.人間
職業.─
lv.1
p.10
d.10
s.10
m.500
《スキル》
〈威圧〉〈鑑定〉〈完全記憶〉〈並列処理〉
〈高速演算〉〈眷属化〉〈王者〉
《才能》
〈武術.lvMAX〉〈魔法.lvMAX〉〈鍛治.lvMAX〉〈家事.lvMAX〉
〈巫女.lvMAX〉〈商売.lvMAX〉〈教師.lvMAX〉〈算術.lvMAX〉
〈発明.lvMAX〉〈調教.lvMAX〉〈収集.lvMAX〉〈運命.lvMAX〉
《加護》
▼〈神々の加護(隠蔽)〉