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醒メて世カイに終ワリを告ゲルは  作者: 立津テト
1.決意の日と、始まりの人。
7/33

1#3 瞬歩

 翌日の午前はユールグとの剣術稽古だった。場所はいつもの森の中の稽古場だ。

 素振りと型のおさらいで身体を温めた後、いつもならユーグルから型の手直しをじっくり手解きされるはずなのだが、今日は普段のメニューと違いひたすらユールグとの打ち合い稽古が予定されていた。

 いつにもまして厳しく踏み込みのコツを叩き込まれている内に、予定した時間が過ぎていく。

 まるで総仕上げのような稽古で薄々感づいてはいた。三時間ほどの稽古を終えて昼食時を大きく回った時分、俺は昨日も聞かされた宣告をまた聞く羽目になった。


「シュー、悪いが剣術指南は今日で最後だ。急に旅に出なければいけなくなった」


 俺は何も言わず、静かにユールグを見詰めた。

 きっと、すごい剣幕で食って掛かる俺を想像していたのだろう。この静けさにユールグは逆に眉根を寄せて訝しむ。


「どうした、なんで急に黙る?」


 ユールグの問いには答えず、じっと考えを整理する。

 いや、昨日からずっと考えていた事だ。今更整理も何もない。キーワードは――。


「親父か」


 ユールグの表情は小揺るぎもしなかった。だが逆にその様子はわずかも表情を動かさないように堪えているように見えた。それが俺の確信を深めてくれる。


「図星か。昨日ルゥ婆にも門晶術の授業の終わりを告げられたよ。おかしいだろ、二日連続で俺が懐いてるルゥ婆とユールグがいきなり教えるのをやめるとか言い出すなんて。どう考えても背後で誰かが無理強いしてなきゃ辻褄が合わない」


 真剣な顔で俺の話に耳を手向けていたユールグは、急にふっと表情を和ませて両手を上げて見せた。


「昔から思ってたが、君はたまに子供とは思えない見識を見せるね。降参だ、そこまで察しがついたのなら、少しだけ話してあげよう。兄上は恐らく、君に本格的な貴族としての教養を叩き込もうとしていなさるんだろう」


「余計なお世話だ」


「余計なお世話をするのが父親の仕事なんだよ。たぶん」


 それは、まあ、なんとなくわかるけど……俺にも苦い思い出があるからな……。

 アマル村のシューの時――って、やめやめ、これ思い出すとマジでトラウマスイッチ入る。今は考えるのをよそう。それよりも親父の件だ。


「剣の稽古はどうすんだよ」


「んー、そもそも格好がつけばいい程度にってのが最初の条件だったんだが……思いの外、君の筋が良くて僕もちょっと熱が入ったからな。今の君なら自己流で修練を積んでいけば充分ものになると思うぞ」


「嘘だ」


「即答だな」


「だって、結局俺はユールグを一歩も動かせなかったし、実際強くなった気がしてない」


 手にしていた握りが黒ずんだ木剣を見下ろすもう意識しなくても木剣の重心に合せて振り回すことが出来るほど手に馴染んだ獲物だ。五年前には長すぎたそれだが、今では扱うに少し短いくらいの長さになっている。

 きっと最初からユールグは俺が十歳になった時を見越してこの長さを選んでおいたのだろう。確かに、思えばこの事実からあらかじめ期間を決めて稽古をつけると決めていた節が窺える。

 その期間を決めていたのが、親父ってことだ。

 なんかさ、なんと言うかさ……俺の生き方をずっと昔から決めつけられていたようで面白くないんだよ。


「確かに君は強くない。でもそれは当然だ、だって君は剣術のケの字も学んでいないのだから」


「……は?」


 俺の目が点になった。剣術を学んでない? じゃあ俺が今まで教わってきたのは何だったんだ? いや、そうじゃなくて……もしかしてユールグは俺が――。


「おっと、君が僕の稽古から何も学べないほど才能がないとか、勘違いしないでくれ? むしろ君は呑み込みの良い優秀な生徒だ」


 違ったのか。ユールグの言葉にひとまず安心する。

 そういや確かに、ユールグはことあるごとに俺を筋が良いとか才能はあるとか褒めてくれてるもんな。半分はやる気を出させるためのお世辞なんだろうけど。

 しかしそうなるとますますユールグの言葉の意味が分からなくなる。


「なにが言いたいのかもっとわかりやすく教えてくれ」


 ユールグは気さくで話の機転も利くが、持って回った言い方を楽しむのが難点だ。振り回されるこっちの身にもなってくれ。


「そうだね、それじゃあ僕からの最後の教えだ。君は強くない。だが強くなる下地は出来てる――っと」


 じっとりと半眼で睨みつける俺の無言の圧力を感じて、ユールグは心得顔を引きつらせる。

 まだ回りくどいって伝わったようだ。意思疎通はできて幸いだよ。


「わかったわかった、そうだな、もう少し噛み砕くとすると……僕に与えられた時間内で、君を一端の剣士にするにはどうしたらいいか?

 僕は考えた結果無理だと結論付けたんだ。さっきも言った通り僕にはそこまでする義理はなかったんだが、真綿のような君の吸収が面白くてね、折角の機会だから僕の剣士としての全てを君に教え込んでみたくなった。

 んだが、いくらなんでも五年でそれは無理な相談だった。そもそも五歳から十歳じゃ身体も出来上がらないしな。

 そこで僕は君に強くなるための土台を作ったんだ。その上に努力次第で君自身の強さを築いていけるようにね。それなら師がいなくなっても君は独りで強くなっていけるし、そのくらいなら五年、しかも身体が出来上がらない内でもなんとかなると踏んだんだ」


「強くなるための土台……?」


 やはりピンとこない。いや、話の意味はおおよそ飲み込めた。そこまで考えて稽古をつけてくれていたなんて、少し感動すらしている。

 だけど、やっぱり具体的に強くなるためのビジョンが見えないんだ。土台の実感もよくわからなければ、そこになにをどうやって築いていけばいいのかも判然としない。


「今日の稽古で確信したよ。僕の計画は完成した――っていったら嘘になるけど、九割方成功したと思う」


 これでか? 俺は疑いの眼差しをユールグに向けた。

 ユールグは俺の視線を真直ぐに受け止めて、軽く微笑を浮かべる。


「シュー、君は踏み込みの時に重心を前に持っていきすぎだ。気持ちと身体がずれてしまっているんだよ。大きく深く踏み込もうと心が焦るばかりで、身体が置いていかれてしまっている。そのせいで上半身と下半身の食い違いが折角の力を真っ二つに分けてしまっているんだ。気持ちを後頭部に置くようにして、僕の後ろ向こうを斬る心持ちで踏み込んでごらん」


 さあ来い、という風にユールグが構える。

 俺は今しがたユールグに言われたことを反芻(はんすう)してみる。

 焦りは禁物、後頭部に気持ちを置いて、ユールグの更に向こうを斬る、だったっけか。

 ……うん、不思議とどんな風に身体を動かせばいいのか想像できる。


 右手で木剣を右片手持ちにし、剣を前に出した半身に構える。ユールグに教わった基本の構えだ。剣を攻撃にも防御にも使い、左手は状況に対応して使う柔軟性の高い構えなんだとか。

 木剣の切っ先を軽く上下に振って正確に相手との距離を測る。ユールグとの距離はおよそ二メートル。俺の一歩じゃ届かない。

 俺は前に出していた右足を軸に身体をねじって左半身を前に出した。

 一歩分前に出したら相手の間合いに入ってしまう、だから半歩分だけ。一気に懐に入るための調整だ。

 これなら相手の攻撃にも余裕を持って対応できる。まあ、今のユールグが攻めかけてくることはないだろうけど。


 そうしておいて次に、飛び掛かるためのバネをためるべく腰を落とす。いつもはここで前傾姿勢を取って頭から突っ込んでいた気がする。

 だからここでもう一度反復する。気持ちは後頭部……狙いは更に向こう……。

 気持ちが落ち着いた刹那、右半身を前に出す勢いに合わせてバネを解放する。同時に肩と腰をねじって木剣を上段から落とした。

 正しく身体を動かした途端、身体が自然と良いように動いた。どうしたら最速で剣を触れるか、考えるまでもなく身体が知っていたんだ。俺自身が、知っているのを知らなかっただけだった。


 右足が間合いの内へ踏み込む。ユールグが防御のために幅広の木剣をおもむろにかざすのが見える。狙いはそこへ。

 気持ちは後頭部、狙いは更に向こう……勢いの乗った上半身が滑らないように注意し、腰の上にしっかりと乗せるイメージ。

 力を身体に残した瞬間、真っ直ぐに向けていた右足のかかとが、とつま先を支点にくるりと四半円を描く。

 身体の軸はそのままに、バランスを保ちつつ俺は今まで辿りつけなかったあと一歩を踏み込んだ。

 刹那、踏み込んだかかとから膝へ、腰へ、肩へと今まで感じたことのない力の塊が駆け上がる。それがそのまま振り抜こうとする切っ先に集まって、ユーグルの木剣へと激しく衝突した。


 木剣が折れるかと思う衝撃が腕に伝わり、それ以上の衝撃を叩き込まれたのであろうユールグの木剣ごと、彼の右半身は左足を軸に百八十度退いていた。

 俺は開いた口を塞ぐのも忘れて腕に残った痺れを感じていた。


「……出来たじゃないか」


 呆気にとられたまま、ユールグは言った。


「……出来た」


 俺も唖然と言った。

 どうしてこんな簡単なことが今までできなかったんだ。そしてどうしてこんな尋常じゃない力が俺の細腕から発生するんだ……なんか狐につままれたような気分だ。

 でも、右手に残る衝撃の残響は現実のものだ。木剣が噛み合った重い音も耳の奥に残っている。

 俺もユーグルも木剣を振り抜いた形、弾き飛ばされた形のまま凝然と対峙していた。


「……なんでユーグルが驚いてんだよ」


「いや、まさか最後の最後でほんとにやってくれるとは思わなくて……」


「……なんだそりゃ」


 俺は構えを解いて身体を自然体に戻す。ユーグルも同じように身体を戻した。

 とても不思議な感覚だった。頭では記憶していたが実感の伴っていなかったユーグルの今までの教えが、次々と身体の中に染み込んでいくのだ。視界が一気に開けた気がした。

 同時に、さっきまでのユールグの言葉の意味も自然と理解できた。自分がどうやって剣技を磨いていけばいいのかも、おぼろげだが見えた気がする。


「そっか、そういうことなのか」


「わかってくれたみたいだな」


 満足気なユールグに頷き返す。

 まったく、厄介な教え方をしてくれるもんだぜ。確かにこの感覚は、実践的に教えられるだけでも、理論的に学ばされるだけでも身につかない。いつの間にか身体に覚え込まされていた経験だ。


「踏み込みの呼吸さえ覚えておけば、後は身体に染み込ませた型が自然と状況に対応してくれる。そうとわかれば、君がこれからなすべきことも自然とわかるだろう」


「ああ、なんとなく、な」


「今の君ならこの言葉も少しは理解できるだろう。最大の敵は慢心だ。慢心は心を鈍らせ、身体を重くする。常に気持ちを鋭く持て。手に持った剣ではなく、心の剣を研ぎ澄ませておけ」


「なんか、はじめてユールグが師匠って感じに見えてきたぞ」


「そうかい、お褒めに預かり光栄だよ、お姫様」


 俺の素直な感想に、ユールグが強張った空笑いを浮かべる。

 だけどそれも今更だ。ユールグは今日を限りにいなくなる。親父に追い出されるのだ。

 ルゥ婆だってそうだ。ルゥ婆は母さんの選んでくれた世話係だから親父の一存で追い出されるようなことはないだろうけど、もし親父が家督を笠に着て無理を通せばルゥ婆の生活だって危うい。

 俺を大切に思ってくれてる人、俺が好きな人たちを遠くに追いやって、あの親父は何をしようとしている?


 いや、考えるまでもない簡単な話か。あの親父は俺を貴族の娘として立派に仕上げたいんだ。

 育てるんじゃない、自分の作品みたいに作り上げるのだ。その為ならどんな手練手管も非情も使うのだろう、あの仏頂面の冷徹親父は。


 親父の勝手を考えていたら、ふと思い出した。

 そういや、剣術も門晶術も、親父が言い出して押し付けてきたことだった。

 元々自分であれこれ決めるのが苦手な俺は、迷惑そうな顔をしながら押し付けられたのをいいことにその二つに没頭した。他にやる事もなかったし。

 それがいつの間にか俺の生活の軸になってたんだな……皮肉な話だ。


 そんな俺のこの五年間も、親父の鶴の一声で無駄になるのか……。


「俺、なんのために剣術やってたんだろ」


 力なく呟き、右手に軽く握った木剣を見る。剣術を始めてから五年来の付き合いで、刀身も柄も傷だらけ汚れまみれだ。


「俺はもうすぐ本物の貴族になる。そのためにお城へ行儀見習いに行かされるんだよな」


 それは俺の姉貴が辿っている道筋だ。だが同時に俺の未来でもある。

 姉貴は十三の時に第二王女付きの侍女として行儀見習いに入った。そして十五歳の時にはその第二王女のサロンにお披露目されたという。

 親父の思惑通りに事が進めば、俺も数年後には玉都でどこぞの王族の子女に行儀見習いとして仕えて、貴族としての礼儀作法を身に着けて、サロンでどっかのお坊ちゃんの母親に気に入られて、そいつと結婚して……俺は本当にそんな人生を歩めるのか?


 また、親父の言いなりのまま人生を棒に振るのか? 他に何か出来ることがあるんじゃないか?

 心の中から耳元へ、そんな声がわんわんと聞こえる。でもその声と同じくらい大きな別の声が、

 だけど他に何が出来る? 何がしたい? 何も考えずに飛び出せば、アマルのシューの二の舞いになるだけだぞ。

 と、叫ぶ。

 俺の将来を考える二つの声は頭が痛くなるくらい叫びあう。


 宗の時は父親に見捨てられ、アマルのシューでは父親である事に耐えかねて、俺は今また自分の父親に悩まされているのだ。

 自分に何ができるのか、自分は何がしたいのか。自分で決める時間も与えられず、おためごかしに決めつけられる。拒否する機会すら揉み潰されて。

 もう、勘弁してくれ……。


「剣術は嫌いか?」


 痛いくらい顔を歪めていた俺に、ことのほか優しい声でユーグルが問うてきた。

 心の声に苛まれてるのが顔に出てたらしくて、ユールグに気を使わせてしまったらしい。

 つーか、声を掛けてくれなきゃ、三回分の人生の重みにどうにかなってたかもしれない。心の中でこっそり感謝しておく。


 俺はこいつのこういうところ、嫌いじゃない。っていうか、こういうやつだから好きなんだろうな。

 他人を言葉ではなく心でいたわれるのは、貴族に関りのある人間には珍しいタイプなのだ。


 彼の親切に感じ入りながら、ユールグへの答えを真剣に考える。と言っても、考えるまでもなかった。


「好きかも」


 ユールグは優しく笑って俺の頭を撫でてくれた。大きくて分厚い手の平が優しく髪をかき回すのは、思いのほか心地良い。


「だったら続ければいい。王宮で剣術をしちゃいけないなんて決まりはない。王城内では結構剣術を稽古する貴族の娘が多いっても聞くしな、場所もちゃんとあると思うぞ。それにな、なにが起こるのかわからないのが人生だ、とりあえず趣味として続けていればきっとなにかいいことがあるだろう」


「そういうもんかな……」


「僕がいい例だ。ほとんど勘当同然に追い出されながら、兄貴に呼び戻されて可愛い姪に剣を教えてる。出て行く前は想像もしてなかったぞ?」


「可愛いとか、よく言うよ。散々痛めつけておいてさ」


「それは君が打てば響く弟子だったからだ。強く響かせるには強く叩かなくちゃいけないだろう」


「それ、褒めてんのか?」


「最大限の賛辞だ」


「だとしたら、ユールグはもう少し女の子の扱いを考えた方がいい。打てば響くから、なんてベッドでも引かれる文句だぞ」


 ユールグは何かを喉に詰まらせたような顔でわずかに顎を仰け反らせた。


「僕は君と話していると同年代の男と話している気分になる事があるよ」


 十歳の小娘にやり込められた三十路の男は、どこか疲労を滲ませる声でぼやいたものだ。

 ま、実際そうだしな。勘が良いと内心で褒めといてやるよ。


 他愛ない遣り取りで気を紛らわせた俺は、野天道場の道具箱に木剣をしまいに動いた。


 動きながら考える。俺自身に将来をどうしたいという理想が無いとは言え、俺からルゥ婆とユールグを引き離そうとするその了見は気に食わない。

 でも娘の俺が何を言ったところであの親父は聞く耳持たないだろう。今までだってずっとそうだった。俺の意に沿ってくれたことなんて何一つない。


 だったら他の大人はどうだ?

 例えば、玉都にいる母さんに相談して、母さんからお願いして貰えば親父の態度も何か変わったりしないかな?

 母さんがどんな人かはわからないけど、記憶の中の母さんはいつも微笑んでいた。怖い人があんな優しい顔をするはずもない。きっと俺の話をちゃんと聞いてくれるはずだ。なにせ可愛い娘の一人なんだしな。


「なあ、ユールグ」


「なんだい、お姫様」


「母さんに会えば、何か変わるかな」


 背後でユールグがこちらに向き直る気配があった。


「……僕はもうティストの家を出た人間だ。当主の意向にあれこれ考えを差し挟む権利も心積もりもないが、シュー」


 改まって名前を呼ばれ、俺は背後を振り返った。


「敵を見誤るなよ」


 敵という言葉に、万感の想いが籠もっているような強い印象を受けた。ユールグは何を伝えようとしてそんなに強い想いを込めたのだろうか。

 そもそも敵って誰だ? いや、人じゃないのかもしれない。じゃあ、親父を敵と見なすことが間違ってる?

 敵……か。そうだ、家族は敵なんかじゃない。親父だって一応家族なんだ、あんまり敵愾心を剥きだしに食って掛かっても嫌な気持ちになるばかりだもんな。


 敵は貴族っていう生き方だ。

 親父だって俺の為を思ってくれているのは間違いないはずなんだ。だからなんとかするべきは貴族として生きる事こそ至上、って考え方の方にある。

 俺は母さんやユールグみたいな話のわかる大人と相談して、親父の中にあるそういう固定観念を打ち崩さなきゃいけない。


「うん、ありがとう、ユールグ」


 俺の感謝に、ユールグは思い詰めた顔のまま何も答えなかった。

 俺、なんか変なことでも言ったか?


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