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MTBで旅する異世界  作者: 只の鯨
1章 MTBと転移する異世界
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6話 発動するとは言っていない

「えーっと。……君は【魔力】についてどう考えてるの?」

「魔力ってのは人それぞれが魔力を持つ容器を持っていて、それに魔力を貯めて、魔法を使うときはそこから魔力を使って魔法を発動する。……て思ってたんだが」

「魔法……ていうのが【skill】に当たるのかな? ……えーっとね。ちょっと神話の世界に足を踏み入れるんだけど。【skill】の内容が【御具】に関係したって言ったよね」

「おう」

「で、その【skill】を発動するのに必要なエネルギーが【魔力】。神話には人類の共通資源であり、神の命の灯である【魔力】を使うことで【skill】を発動させられるって書いてあるの」

「なる程。神の命の力を借りて力を使うと」

「そういうことだね。【skill】は基本一人一個。二個持ってる人は……僕は知らないよ」

『なる程、ダブルスキルという主人公属性が残ってたな』とかオッサンが言ってるけど無視。何かにつけて人を主人公にしない方がいいと思うぞ。

「【skill】の発動方法は大まかに2つ。そのまま【skill】と叫ぶか、自分の【skill】の名前を叫ぶよ。【skill】の内容が派手な人は名前を叫んでるかなぁ」

「なる程……。じゃあさっきからサニカはスキルってのが発動しまくってるんだな?」

 サニカは首を振った。

「まさか、【skill】は本人の発動するという意志を持って初めて発動出来る。そうじゃないと【skill】の誤発がおこっちゃうよ」

「なる程、じゃあやってみるか」

「うん、【skill】を発動する、とだけ考えるんだよ。何が出るかは現状分からない訳だしアバウトでいいよ。あ、でも……」

「そんなもんか。よし、【skill】!!!!!!」

 さぁ出よ! 我がスキル!

 …………………………。

 どれくらいたったろうか。いやはっきり言って数秒も経ってないのだが、俺の心には冬が訪れていた。

 何も、起こっていない? そして何故かサニカが息をついていた。

「サニカ……発動に呪文は?」

「必要ないよ」

 つまり、発動してないと?

 サニカが首を捻りながら考えを口にする。

「え、えぇ……? そんな筈ないよ、だって【御具】がいるんだから……【御具の意識】の発現と【skill】の発現は同時な筈なんだ。だから【skill】があるはず……何だけど」

「え、マジか」

 現状何も発動していない。けどオッサンは喋ってるしなぁ。

 状況が意味分からん。

 サニカは暫く考えて結論を出した。

「……まぁいっか」

「いいの!?」

 結論じゃねぇ、思考放棄じゃねぇか!

 サニカがフォローのようなものをする。

「いいんじゃない? 目に見えて何かが起こる内容の物じゃないかもだし。なんか関係してるんだよ、その自転車ってやつと」

「ふぅん」

「ちなみに、【skill】の内容は個人情報に関わっちゃうからあんまり公言するのは良くないよ。まぁ友好の証として【skill】を教えるっていうのもあるよ。本当は教えた【skill】と違う、つまり【skill】を偽ってることもあるけど」

「じゃあ俺に【skill】を教えたのって……?」

「ふふん、僕は超友好派なのさ。……勿論、説明してる途中で悪い人じゃないなって思ったからなんだけど」

「うわぉ、ナンパ上手なこって」

「やめてよ」

 そうして2人して笑った。そして俺はオッサンに窘められた。大人気ない。

「あはは、ゴメンね」

『いや、わかればいい』

「え、サニカってオッサンと話せるのか?」

「一応全員、人と物との会話は【御具】と【所有者】の関係でなくとも可能だよ。けど他人の【御具】と話すにはその【御具】の認証が必要だけど」

「そうだったのか……サニカの御具が話してくれないのは俺に信用がないからなんだなショックだぜ」

 サニカは困ったように笑う。

「あははは……僕の【御具】は人見知りなんだよ。ごめんね。」

「まぁいいぜ」

「よし、じゃあ外に出ようよ。さっき商団を見に行く約束をしたろ」

「そうだな」

 そういって俺らは外にでる。村にいる商団、ちょっと気になってきたぜ。

 サニカが席を立って、思い出したように言う。

「ゴメン、君の名前を聞いてなかったや」

「お、おう。俺の名前は颯人。蔵脇颯人だ。よろしくな」

「ハヤト……うん、よろしくね!」

 心なしか、サニカの耳がピョコンと揺れた気がした。

ゲームって触れてないと感覚を忘れますよね。RPGも好きな人は触れてるからいいんですけど私みたいなエンジョイ勢がやると「は? スピード? 俊敏?」とかいってよくわからなくなりますね。

HP? MP? STR? DEF? とりあえず全部まとめて私の戦闘力は53万とかいってくれると設定する数値が一つで創作側からするとうれしいのですが……。

世の中にはその手の数値を設定するのが得意な人がいたりして、MMORPG関連の作品とかみると「すげぇぇ!」って思います。ホント尊敬。

実際人間のステータスが社交性とか数値に出たら生きやすそうですが、それがないのもこの世界の面白いところ? なのかなぁ。私は「数値」が見えない性で苦労してますけど……。

でも書いてる世界観では数値は見えなさそうです。難儀な性格でごめんなさい。

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