36 『幕間』
城の尖塔の屋根で仲良く小人と魔女ネリカが様子を眺めていた。
監視者として勝負の行方を見守る為である。
己の手塩に掛けた宝石魔女とプレイヤー、兵士がどうなろうと
直接手を貸してはいけないので監視者は面白く無い仕事である。
ほとんどの狭間で持ち回りの当番制で押し付けあってる。
「失敗しちゃったなあ。可愛く作ったら情が移るからって醜く作ったら大暴れだ」
「ああ、それで宝石の精霊の割にあんなんがおるんか」
下の方で上機嫌なブラムシリカの笑い声が響く。
ヘドロの体に蝿と蛆を住まわせる醜い畏怖すべき宝石魔女である。
「ねえ、紅公子」
「うむ?」
「プレイヤーというか魔女の方をさ、僕のと交換しないかい?」
「断る」どすこい!
紅公子と呼ばれたのは赤いマフラーのちゃっきーさんである。
たまに忘れ去られそうになるが偉いコボルトキングである。
「だよね。やっぱりそうだよねえ。あんなおばさん嫌だよねえ」
飛んできた蝿をぴしっとデコピンして潰すネリカ。
「あーやだやだ。あのおばさん強いんだよ。
いい加減に交代させたいんだよね。
戦い方がエグいったらありゃしない」
「そんなに強ければそのうち卒業するじゃろう」
「そ・れ・が・さ!
卒業間近になるとプレイヤー殺してリセットしてんの。
もう6回も繰り返してるんだ。
ずっと居座るつもりなんだよ、あの人」
「すげえな、ばばあ!」
自身を含む12個の宝石をコンプリートで卒業。
プレイヤーは4勝必要。
プレイヤーはともかく魔女は同盟等で一時的に相手の傘下に入って
卒業を後押しもできるのだけどもそれも全断りである。
前回は8個集めてプレイヤーを見送った後に弱いプレイヤーを選び、
あっさり負けてリセットしたそうな。
「畑耕してる間にそんな事になってたんか」
「しかも今回来たプレイヤーって吸血鬼の真祖でしょ。
何してくれてんの。それじゃストレートに四つ集めておさらばじゃん。
僕に面白みが全くない。波乱と刺激が欲しいんだよね。
紅公子が来てよかったよ。
いつも何か変な事が起こるから」
「お前様の面白みは邪悪じゃからなあ。
寝ておけばええんじゃね?
おふとぅんを用意するべ。エロポーズしながら寝ててもええで」
「うーん。君の前ではしたない事はしたくないなあ。
僕だってほら、女の子だし」
「そんなキャラだったかのう」
「キャラだったんですぅ!
もう良いよ、いつも子供扱いしてさ。寝る!」
ネリカが寝巻きに着替えておふとぅんでフテ寝した。
「おやすみなさい」「おやすみやで」
48連勝記録はわざと負けたのはカウントしてないどす。




