33 『攻城戦』
霧の魔女の操る霧は相手が魔物だろうとなんだろうとあらゆる情報を遮断する。
視界、聴覚、魔力、レーダー、なんでもだ。
霧は情報を遮断するだけではなく影を映す事で相手に偽の情報を与える事もできた。
完全な闇などではないので近距離戦闘では役にたたないが
軍隊での利用となるとこれほど強い能力はそうそうない。
城の呪われた骨兵士達はただのスケルトンではなく
武を誉れとする一族の成れの果てだ。
職業軍人は魔女の霧と非常に相性が良い。
集団での戦いで操れる霧は有利に働くからだ。
エイプリルの採る戦い方はシンプルだ。
敵が霧の中で右往左往しているのを各個撃破するという戦法である。
5人ぐらいではぐれてるところに30人がわーってやって
轢き殺して去るという爽やかな戦い方だ。
戦略をあまり練らずとも相手を撃破できちゃうチートである。
だが沼の魔女ブラムシリカは目下48連勝中の困った魔女なので
力押しでねじ伏せて来たのだった。
沼の魔女の尖兵達はかつての英雄、異界から呼ばれたプレイヤーの成れの果てである。
剣聖に半数が倒されたとはいえ蹂躙するのには十分な力量があった。
そして今回ブラムシリカの迎えたプレイヤーは吸血鬼の真祖で一種の魔王級である。
ハンデが幾らつこうが問題は生じなかった。
素で不死身というのは倒しようがないものだ。
魔女の部下達は戦争中は泥仕合を防ぐ為に不死を制限されている。
それとは違って不死のプレイヤーというのは前代未聞であったし、
通常は召喚に応じるような者では無かった。
沼の魔女の強力な魔力が為せた技である。
「我が力を思い知るのである」
先日の醜態で吸血鬼の王は気合を入れていた。骨兵士達を返り討ちにしていく。
骨兵士が城に帰って防護を固める。
「ほほほ」
ブラムシリカがヘドロを呼ぶ。
霧の城はヘドロに張り付かれ城壁を無効化されていった。
沼の魔女の兵士たちが城へと乗り込んでいく。
着実に城は落城へ向かっていた。
勝利条件は相手の宝石魔女の獲得かプレイヤーの死亡である。
プレイヤーが逃亡した今、エイプリルを仕留めれば6月の魔女ブラムシリカの勝利であった。
お昼にもういっかい更新しますですばい。




