21 『ダンジョンのこと』
それでダンジョンについてあれこれ説明を受けた。
元の世界のRPGゲーム的なダンジョンには確かに似ているけども似てない所もあって注意やでと言われた。
呪いの品が核になった迷宮は冒険者を多く誘い込み、最終的に魂を食べる事を目的にしている。
人間にとって魅力的なアイテムや宝石を用意するのはそのためだ。
「強烈な核ともなるとな、わざと人間に宝石やアイテム持たして帰してしまうのだべ。
そしてその人間は迷宮の事をつい話しちゃうんやな」
「黙れば良いのにな」
「ハリガネムシを知ってるどすか? カマキリの寄生虫」
「うん」
「あれは時期が来るとカマキリを川へ向かわせるのだべ。
そうして川につくと一気に宿主を食い破って出てくるという」
「おそろしい虫だよな!」
子供のトラウマ製造機で上位に位置するであろう。
「それと似てる」
「!!!!」
それでも即死する訳でもないし、ただ金に溺れて身の破滅をしているようにだけしか見えないので人々はこぞって迷宮へ向かうのだという。
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迷宮酔いというのもあるそうだ。
地下へ潜る程、言いようのない圧迫感が強まり人は狂気に陥りやすいという。
呪いのアイテムの力に加えて冥府が近いからだという。
それで一気に潜らずに徐々に体を慣らす必要があるという。
迷宮酔いには新鮮な野菜やら緑の葉、ポプリ等が効果があるともいう。
「なんか高山酔いみたいな」
「そんな感じやな」
さっき山登りに近いと言われたがこれか。
迷宮の深部だと暗闇が悪さをして人間不信になりやすいという。
幻覚症状に注意やで、とか言われた。
50階以上に潜らないなら迷宮酔いはそうそう無いというので今回は気にしないで良いらしい。
あとはトラップに注意とか。
安全なルートの設立というのはトラップ回避という意味が大きい。
モンスターも一種のトラップみたいなものだとも言う。
「シーフ技能が必要だな……!」
ミムさんがその呟きに答える。
「盗人? 宝箱や扉の鍵開けには必要かも知れませんが、蹴りをガンガン入れちゃえば良いんですよ。
それで大体は解決します」
「パワー系すぎる回答!」
罠は解除考えるより回避が一番だとか。
またはモンスター投げ入れて潰す。
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「食事と水の確保も人間だと必要やな」
「ああ、そうでしたね。人間やめちゃえば良いのに」
とミムさん。
「夕食までには帰れるので必要ないと思っていましたがどうしましょう?」
「飴玉とチョコと水筒ぐらいは持たせておくべ」
「ではそのように」
空のリュックに詰めてくれた。
「腹減ってもその辺のモンスターは食ったらあかんで。キノコもな」
「モンスター食は夢か」
「食いたいのどすか? ゲテモノ好みやな。蛇は焼いたら旨いらしいで」
「無理しなくても迷宮の宝箱に食べれる物が入ってるかもしれませんよ」
するとヨアヒムさんがミムさんの言葉に答えた。
「ええ。Dレーションは栄養があって良いものです。確か詰め所の倉庫にあったはずです」
そう言うと倉庫に取りに行った。
レーションだと!! 行軍食である。Dはダンジョンの頭文字かな。
紙粘土のブロック大ぐらいの包みを持ってきた。
おお。軍事飯のレーションって感じ。包みの材質はビニールに見える。
中からはアルミやらビニール包装っぽい宇宙食みたいなのがごっそりと出てきた。
正しく魔法の品な気がする。
「迷宮が魔法で作った冒険者の為の食事ですね。
何が入っているかは中を開けるまでのお楽しみですが。
……前に私が見た時は笹で包まれたオニギリでしたね。
この包みは紙じゃなくて何でしょうか。はて」
じゃあ当たりなのかな、これ。
「外つ国の人間が居る時は魔法の品もちょいと姿を変えるべ。それでやな」
と小人のちゃっきーさんが言う。どうやら俺の影響でこうなったらしい。
ヨアヒムさんは包み直すとこれも持っていきましょう。
迷宮が作ったレーションは賞味期限はありませんからという。便利。
見た目よりも随分と軽い。しかし栄養価は抜群だという。
一箱で一日の栄養が十分に賄える。三つ持っていく事になった。
最後にどうしても歩けなくなったら床に星乙女の御名、Astraeaと書けと教わった。
綴りを一字ずつ教えて貰う。この世界もアルファベットなんだな。
これを書くと星乙女の加護が得られるという。
闇の者はこの名を怖れてしまうからと。
「へえ。なんて読むの? アス……」
「軽々に口に出すな!」
いつになく真面目な声でちゃっきーさんが言ったのでビックリした。
「……力ある者の名前を呼ぶ時は注意やで。
いつも機嫌が良いとは限らないどすよ。お前様も眠っている時に叩き起こされたら怒るじゃろう?」
「う、うん」
ふと周りを見渡した。
ヨアヒムさんが地に膝をついて頭を垂れてる。ミムさんはすげー遠くへ逃げてた。
あの人達にも効くのか星乙女の御名は。
エイプリルはやれやれ、といった感じでミルクティーを飲みながら本を読んでる。
「迷宮も怯えてその名を必死に邪魔したり、消そうとするから油断は禁物」
と忠告してくれた。一時しのぎとして使え、という。
名を書いても唱えても実際に女神自身が注意してくれる訳でもないだろうから。と。
それにしてもスケルトンは闇の者なんやな、と認識。
名前をはっきり言った訳でもなく綴りを教わってただけでこれか。
ああ、そういえば自分も沼の魔女に名前を呼ばれただけで大変な事になったな。
あんな感じなのかもしれない。
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誤字訂正。
。。とかたまに一個増えてたりする謎の現象。
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12時に軽いぶれいくたいむの追加更新入りますどす。
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ブックマークありがとうございます。
当初目標にしていた100に到達しました。
ありがたいことですばい。( ͡° ͜ʖ ͡°)




