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アルタナ外伝  ―朱に染まる―  作者: 夢見無終(ムッシュ)
シロモリ、継承
20/124

20.

 国境警備の任期を終え、各砦から本来の基地である第五大隊駐屯地に帰還した兵士には長期の休暇が与えられる。第五大隊とともに帰還したシロモリ隊は第五大隊の養成所で現地解散となり、各自待機。以降、本来所属の部隊からの指示に従う。しかしそれは軍上層部にアケミから報告書を提出し、部隊の解任手続きをとってからの話なので、数日間は休暇同然である。負傷したミリムは療養施設に搬送され、元々第五大隊所属のマユラとミハルドは実家へ帰宅。アケミとクリスチーナは事務処理を行うため一室借りて宿泊する。ジラーは「女だ」と堂々と言い放って早々に去って行った。他にも歓楽街へ消えていく兵士は多いので別段不思議なことではないのだが―――


「どうして男共は女遊びをすると思う?」

 耳元で息遣いが響く静寂と暗闇の中で、クーラさんが問いかけてくる。しかし返答できなかった。男の都合など、考えたこともない。

「今が戦争状態にないとはいえ、それでも兵士は命をかけて任務に付いている。死ぬことが前提なのよ。たとえ戦わずとも、剣を持って最前線に立てば意識せずにはいられない。そうして死を実感すると、種を存続させる本能が働く……」

「それが言い分なんですか? というか、その理屈だとクーラさんは…」

「女は考え方が違うのよ。女ための花街はなくはないけど、少ないでしょ?」

 確かに。エレステルは前線で戦う女兵士が全体の2割、救護兵や補給兵を含めると軍の3割以上を占めるが、女兵士が男漁り、なんてのは聞かない。もっとも、まだ小娘だから話が耳に入ってこないだけなのかもしれないが。

「まあ、それはそれとして―――その理屈だと、何? 私が遊びでこんなことしていると?」

「だって余裕あるじゃないですか…」

「見た目ほどじゃないわ……わかるでしょ…?」

 肌が触れ合う。もうどれくらいの時間が経っただろう……ずっと熱い。

 抱き返すようにクーラさんの身体に触ると、改めて驚く。日々の訓練で傷跡や痣があってもおかしくないのに、つま先までずっと綺麗だ。掌には剣ダコもほとんどなく、あれだけ槍を振りまわす筋肉はどこにあるのかと不可解になるほどに華奢な身体は柔らかい……。曰く、かなりの手間と努力がいるとのことだが、どれだけのことをすればこんな深窓の令嬢のような綺麗な身でいられるのだろうか?

「触り方、やらしい…」

 不意に囁くように訴えられて、身体をびくりと強張らせた。

「あ……嫌だった…?」

「ううん……探られてるみたいで、興奮する」

 こっちが赤面するようなセリフを吐いて、いやらしいのはどっちだ―――胸の内でそう毒づきながらも、吐息が荒く乱れていくのを抑えることができない…。


 

 今回の遠征の途中、アケミ=シロモリは十八歳になった。

 少女であることを、終えた。






 超短いですが更新します。これは前回にまとめてもよかったですね…。


 久しぶりに連休だぁ!と思っていたのに、昨日は猛烈な頭痛と吐き気で朝からろくに食事も摂れずに寝込んでました。吐いたの何年ぶりだろ……胃液ってこんな味だったんだなと。あ、食事中の方はホントごめんなさい。でも体調管理には皆さん気をつけましょうね。てうがだよ!(ゆるゆりばっちり読破中)


 さて、前は修羅場、今回濡れ場と、アケミさんは絶好調ですね!(笑) 今後もこのような場面は出てくる予定ですが、18禁の作品ではないので、あくまで「そういう行為があった」という程度に止めます。過度な期待はしないでください(笑)

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